私たちが病気に冒されますと、程度の差はありますが、肉体的・精神的苦痛に悩まされます。そして医療費の負担増加や仕事の能力が低下することにより、経済的損失をこうむり、社会的活動に支障をきたします。
また、病気によっては全治しないでいわゆる後遺症を残したり、数年にわたり苦痛をあじわったり、一生涯いろいろの肉体的・精神的障害に悩まされる人も多くおられます。このように病気になって、肉体的・精神的・社会的に損害をこうむってから、医療を求めるのは愚かなことであって、病気を未然に予防することが万全であります。
先進文化国家においては、つとに「疾病予防は、いかなる治療にも勝る」と言われております。このことは東洋医学の最も得意とするところで、隋末から唐初の中国の医聖といわれたソン・シバク(A.D.581- 673)が著した「千金方」(千金より重い人命のための医書の意味)の第一巻に「上医は未病を医す・中医は人を医す・下医は病を医す」と述べられております。すなわち、病気をもった人を治療するだけでなく、病気を未然に医すことができる医者が上医であると喝破しております。
疾病の予防こそが医師の第一義的使命であり、病気の治療は第二義的な使命であります。要するに鍼灸医学は疾病予防の「健康管理の鍼治療」が第一医療で、次いで病気を治療し治すことと、これ以上悪くならないようにすることが第二医療であると言っております。近代医学は種々検査をし、その結果から器質的疾患が認められなければ病気ではないとし、治療はしないのであります。
東洋医学研究所®では、昭和61年9月7日から昭和63年9月30日までの2年間マウス50匹に、週2回鍼治療を施し、鍼治療を施したマウスと施さなかったマウスとを比較検討したところ、鍼治療を施したマウスのほうに生体の恒常性維持機構(身体の内・外環境から大きく影響を受けた時に、全体の歪みが起こらないように身体を守り、常に一定の内部環境を整えておくシステム)や防御機構(身体の内・外環境から身体を守り病気にならないように防御し、自然治癒力を高めるシステム)の活性化が認められ、老化予防に対する鍼治療の有効性が明らかとなりました。その他、われわれが行ってきた鍼治療の基礎的・臨床的研究の結果から、鍼治療が生活習慣病の予防の治療になりうることも多く経験し、(社)全日本鍼灸学会などで発表してきました。
前述の事柄から、東洋医学研究所®では、病気の治療に専念することは当然のことですが、「健康管理の鍼治療」を提案し、皆様の健康維持のお手伝いをさせて頂くことにいたしました。正しい知識と技術の習得による鍼治療は、痛くなく、副作用もありませんので、長期にわたって鍼治療を続けられても心配ありません。鍼治療は長く続けることにより、生体の恒常性維持機構や防御機構の精度が高くなり、一層健康維持が保たれるのです。ぜひ週2回、健康管理の鍼治療を受けられ、健康で長生きして頂きたいと思います。
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