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コラム

2009年4月 1日 水曜日

肩こりに対する鍼治療 東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸療院 院長  河瀬 美之

平成21年4月1日号

はじめに
 肩こりは日本人に多く、ひどい人では日常生活に支障がでるほど悩ませている病態ですが、この病態に関する研究が進んでいないのが現状だと思います。
 単なる筋肉疲労から起こっているものであれば、ストレッチや軽めの運動(ウォーキングなどの有酸素運動)で軽快しますが、もっと複雑に、時には原因疾患が潜んでいる可能性もあります。
 今回、肩こりの原因になる病態と、東洋医学研究所®グループにおける診察と鍼治療について述べてみたいと思います。
 
肩こりとは
 首から肩、肩甲骨周辺(特に内側)の筋肉の緊張が強く、その部位の不快な鈍痛や、時には頭痛や吐き気などを伴う場合もあるとされています。
 1904年にGowersによって命名された結合組織炎を臨床上、肩こりとして取り扱っているところが多く、筋肉の線維組織の炎症により筋肉が硬くなっているものとされています。
 発症メカニズムは、神経の過剰興奮、筋疲労、自律神経失調などが引き金で交感神経系が過剰に興奮し、その結果、末梢血管の収縮、筋の血行障害、うっ血、浮腫が起こるとされていますが、不明な点が多いといわれています。

肩こりの原因
 肩こりの原因は疲労、精神的ストレス、不良姿勢、各種疾患などといわれています。
 スポーツ、書き物など誘因のはっきりした急性のもの(主に筋性疲労)と、誘因のはっきりしない慢性のものとに分かれ、さらにこの中で原因疾患の認められる症候性肩こりと、原因疾患のはっきりしない本態性肩こりに大別されます。
 疾患別の原因としては以下の通りで、これらは合併している場合もあります。
1)整形外科的疾患
  頚椎疾患(変形性頚椎症、頚椎ヘルニア、後縦靭帯骨化症など)
  肩関節疾患(いわゆる五十肩、肩関節不安定症など)
  上腕神経叢の疾患(胸郭出口症候群など)
2)内科的疾患
  狭心症、高血圧、肝・胆・膵臓を含むほとんどの消化器疾患
3)産婦人科的疾患
  更年期障害など女性ホルモンの減少などに伴うもの
4)精神科的疾患
  自律神経失調症、うつ状態、神経症など
5)眼科的疾患
  眼精疲労を生じる様々な疾患
6)脳神経外科的疾患
  脳腫瘍、慢性硬膜下血腫など
7)歯科口腔外科的疾患
  咬合不全など

東洋医学研究所®グループにおける肩こりの診察について
 東洋医学研究所®所長の黒野保三先生が昭和31年1月13日から昭和43年12月30日までの13年間に東洋医学研究所®に来院した患者中、近代医学の診断結果を得た内科領域で同一主訴を有す5例以上の患者2083名を対象に調査研究を行われました。その結果、不定愁訴症候群患者では頚肩部のこりが137例(17.4%)、消化器疾患患者では肩こりが88例(16.4%)、呼吸器疾患患者では肩こりが63例(19.5%)で、いずれも肩こりの症状を有する患者さんが一番多かったことを報告されています。
 また、東洋医学研究所®グループでは、すべての疾患に対するスクリーニングの目的で、(社)全日本鍼灸学会研究委員会不定愁訴班班長の黒野保三先生が昭和61年に作成された不定愁訴カルテの健康チェック表を使用しています。これを使用して、石神龍代先生、黒野保三先生らが第53回(社)全日本鍼灸学会学術大会(千葉:平成16年)にて「不定愁訴に対する鍼治療の検討 -多施設での不定愁訴カルテの分析-」と題して報告されています。この中で、様々な主訴で鍼灸院に来院された患者さんのうち、「肩や首すじがこる」という項目が最も多く記入されていたと報告されました。
 また、肩こりの原因は前で述べましたように、単なる筋肉疲労だけの問題ではなく、様々な原因が複合して出来上がった症状のひとつと考えると、単純に鍼を首や肩に刺しているだけでは良くなりません。
 そこで、東洋医学研究所®グループでは健康チェック表により肩こりが身体的・精神的ストレスなどが原因となって現れる不定愁訴のひとつであるかどうかをチェックします。
 次に、整形外科的な疾患により起こる肩こりなのかを診る目的で、詳細な問診と各種の徒手検査、触診を行い、鑑別を行っていきます。
 内科的疾患やその他の疾患に対しては、血圧測定や詳細な問診を行って慎重に診察を進めています。

東洋医学研究所®グループにおける肩こりに対する鍼治療について
 東洋医学研究所®グループでの鍼治療は、黒野式全身調整基本穴に鍼治療を行う生体機構制御療法(太極療法)であり、これによって上述した肩こりの原因となる疾患を治療することができ、その結果、肩こりを緩和することが可能です。
 いつまでたっても肩こりが良くならないと言われる人は様々な病態が関係しているものと思われます。この場合、首や肩のマッサージを受けるだけではいつまでたっても良くなりませんので、様々な疾患に対応する太極療法の鍼治療が良いものと思われます。
 黒野保三先生が昭和48年に報告された「超音波と鍼の併用による鎮痛効果について」では、肩こりに対する鍼治療の効果は86名中73名の方が全治、7名の方が軽減、合わせて80名の方に対して効果があり、改善率は93.0%でした(適応症「肩こり」参照)。
 また、鍼治療と平行して、正しい姿勢、十分な睡眠、適度な運動などの日常生活の注意点についても、ひとりひとりの患者さんにあった指導を行っています。

おわりに
 誘因のはっきりした急性の肩こりは一回の鍼治療で簡単に改善することが多いですが、慢性化した肩こりは様々な病態が複合して起こっている場合が多く、この場合、単純に首や肩の部位だけを緩和するような治療法だけでは改善しない場合が多いと思います。
 このような場合、生体機構制御療法(太極療法)としての鍼治療が有効な治療法です。是非、東洋医学研究所®グループ の痛みと副作用のない鍼治療を受けられることをお勧め致します。

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