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コラム

2010年12月 1日 水曜日

30代のうつ 東洋医学研究所®グループ山田鍼灸治療院 院長  山田 耕

平成22年12月1日号


 近年、30代を取り巻く環境は、想像以上に変化しています。彼らが社会に出たのはバブル崩壊直後であり、正社員として会社に入った人達は、厳しくなっていく企業経営の中で「成果主義」といった新しい人事制度を経験しました。一方、就職氷河期に直面したのもこの時代です。

 さらに現場では、部下のいない管理職が重い責任を負わされる一方で、残業代が支払われず、長時間労働が常態化し、うつ病へと追い込まれる中堅社員が増えています。また、親会社から子会社への出向だけでなく、プロジェクトの一員として働く中で、責任の所在や指揮命令系統の混乱や、優秀な技術者が複数のプロジェクトを抱えるなど、ストレスや過労からうつ病に追い込まれるケースがあります。

 2006年に上場企業2150社で行ったアンケートでは、「心の病が増加傾向にある」とする企業の割合は61.5%でした。

 うつ病になる人は、仕事が忙しくて、同僚や上司とのコミニュケーションがない場合が多く、仕事を抱え込んだ状態から行き詰まって、会社に行けなくなります。何となく恐怖感に襲われて、対人関係が自然でなくなり、お互いに精神的な仕切りが作られているので、正常な状態に戻りにくい状況になっています。「心の病」は、常にマイナス思考と密接につながっています。
 多くの場合、仕事のストレスと関連します。ストレスの原因は仕事量が多すぎることがあり、90年代からのリストラで、組織の体制が大幅に見直されて、かつて数十人でこなしていた業務が、現在は数人の担当に絞り込まれたり、その業務の見直しが2、3年おきに繰り返されるので、ぎりぎりの人数で仕事が回されることになります。

 仕事のストレスに注目すると、30代の場合、仕事量の過多、長時間労働と言う環境の中で相談をする相手が不足しています。
 激務の中で、仕事がうまく回らなくなった時ほど、自分が使い捨てになるかもしれないと不安に襲われて、精神的な支柱がおれてしまい、一旦マイナス思考に陥ると、失敗の責任、自分の立場、将来の処遇などプレッシャーが内側に向かいやすくなります。
 通常、こうした心の悩みは職場の上司、同僚、家族が相談相手になりますが、仕事が個人単位になったせいで、接点が乏しくなり、じっくり話す余裕が失われているのが現状です。
 つまり、一人で仕事をし、そのリスクを一人で負っていることがうつ病の増加につながっていると考えられます。

 企業は「成果主義人事管理制度」を導入し、個人の目標を明確にし、その達成度で評価をするようにしてきました。成果に応じて評価することは、正しいことのようではありますが、人々の協力やコミニュケーションを阻害するという副作用をもたらしました。職場での孤立だけならまだしも、成果を出さなければ責任をとらされ、しばしば過度に責任を追求されるという危険が増すことになります。
 そして、ひとたび役割の遂行に失敗すると、その責任は個人に集中するというリスクが高まってきます。その時、自己は崩壊し、「うつ病」になってゆくことになります。

うつ病のサイン
 うつ病になりそうな社員は、顕在化する前に必ず何らかのサインを送っています。企業が、すなわち上司や周囲の人がそのサインを見逃さず対処できれば、未然に防ぐことができます。
①「欠勤」
  うつ状態の時は、休みの土日で煮詰まる人が多く、月曜日の朝に「下痢が止ま らない」「風邪がひどい」など、会社に電話してくることがあり、これが何度も続いているようであれば、うつの前兆ではないかと疑う必要があります。
②「遅刻・早退」
  うつ病になると睡眠障害が多く出てくるため、遅刻や日中ボーッとした勤務態度がよく見受けられます。さらに早退など、これらが重なれば、特に気を配る必要があります。
③「泣き言」
  それまでは穏やか・控えめだった社員が、突然、強い不満や抗議をしてくるといった場合です。
④「能率が下がる」
 ③の泣き言という抵抗期の段階を過ぎると仕事の能率がどんどん落ちる疲憊期に入ってきます。見ているとサボっているわけではないのに、仕事が進んでいないと いった状態です。これがさらに進むと期限が守れなくなってきます。
⑤「ミスが多い」
  ぎりぎり期限を守って仕事をしていますが、書類上の誤字や脱字、数字の桁の間違い、人の名前を間違えるなどの単純なミスが出てくるようになります。
⑥「辞めると言い出す」
 しかったり、気を遣ったり、言葉を十分配慮して言っても、最後は、「辞めればいいんでしょう」と開き直るようになってきます。

以上のように、サインはいくつも出ている場合が多くあります。

 今年(2010年)の春、卒業予定の大学生の就職内定率(2月1日時点)が、前年同期を6.3ポイント下回る80.0%となったことが、2010年3月12日に発表された厚生労働省と文部科学省の調査 『平成21年度大学等卒業予定者の就職内定状況調査』で明らかになりました。バブル崩壊後の就職氷河期でもっとも低い内定率となった81.6%をも下回っており、1996年より行われている同調査で過去最低の結果となりました。
  来春の状況はさらに悪化しそうです。


  年々就職率が下がってゆき、幸運にも就職は出来たが、不幸にも仕事のストレスが増え、うつ病の発症率も上昇する可能性が高くなると予想されます。

 東洋医学研究所®グループでは、黒野保三先生が長年にわたり研究された自律神経に働きかけて身体を健康な状態に戻す鍼治療を行っています。
 ぜひ東洋医学研究所®グループの鍼治療を活用していただいて、より健康的な日常を送ってください。

参考、引用文献
1) NHK取材班.30代のうつ-会社で何が起きているのか-.NHK出版.2007.24-107.
2) 渡辺登.職場不適応.講談社.2009.36-50.
3) http://www.fuanclinic.com/byouki/karada.htm
4) http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100312-00000007-oric-ent

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