活動内容

2012年11月 9日 金曜日

(公社)生体制御学会第261回定例講習会に参加しました

平成24年11月4日(日)
(公社)生体制御学会第261回定例講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)

9:30~10:20  基礎生理学
 「平滑筋について」
名古屋市立大学大学院医学研究科細胞生理学研究員
(公社)生体制御学会教育部長  
福田裕康 先生

  今回の講義では、平滑筋についてわかりやすく教えていただきました。
 鍼灸治療は肩こり・腰痛以外にどういう病気に効果があるのかはあまり一般に知られていません。WHO(世界保健機関)の鍼灸の適応症は肩こり・腰痛などの運動器系疾患の他に胃腸の病気などの消化器疾患、高血圧などの循環器疾患、喘息や気管支炎などの呼吸器疾患など様々な病気に効果があることが認められています。      
 人間の筋肉は、骨格筋・平滑筋・心筋の3種類によって成り立っています。
平滑筋は消化器である胃腸、呼吸器である気管、循環器である血管など鍼灸で効果が認められる病気に深く関わりのある筋肉です。この平滑筋を研究することによってなぜ鍼灸治療は効果があるのかを調べることはとても大切なことです。
 平滑筋と言われてもあまり身近に感じないかもしれませんが、焼き肉屋で頼むてっちゃんは大腸の平滑筋、こてっちゃんは小腸の平滑筋です。骨格筋は腕を曲げたり、伸ばしたり、足を動かしたり自分の意志で自在に動かすことができますが、平滑筋はそれができないのです。自動運動をしている平滑筋の一つである胃は食べ物が入ると多く動き、ないときはゆっくり動きます。このリズムを作ってくれるのが自律神経で、自分の意志に関わらず最適な動きをしてくれるのです。
 この自律神経によって胃が動く作用機序について、中枢である脳から自律神経を介して平滑筋に電気信号を送ります。すると、平滑筋の外からカルシウムイオンが平滑筋の中に入り込んできます。また、平滑筋の中からもカルシウムイオンが放出され、平滑筋の中のカルシウムイオン濃度が上昇します。そうすると平滑筋が収縮運動をする仕組みになっています。最後に福田先生がご自身で研究されたモルモットを使用しての実験の内容を踏まえながら、細胞内カルシウム濃度の増加によって平滑筋が収縮する動画をみせていただきました。

 


 
10:30~12:00 痛みの基礎 (社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
「内因性の痛みの抑制と鍼による鎮痛機構」

自然科学研究機構生理学研究所神経シグナル研究部門准教授
古江秀昌   先生

今回は、痛みを抑えるシステムについて教えていただきました。
 痛みはつらいものですが、本来、痛みは危険なものから体を守るシステムです。もし痛みがわからなければ、痛いという危険信号に気づかずに大きな怪我を負ったり、病気が重症になってもわからないといった問題が起こるのです。先天性無痛症と言う生まれたときから痛みを全く感じない人が世界に数人います。痛みがないと危険を回避することができず、成長すると手が短くなっていたり、関節がおかしくなって支えがないと立てなくなったりする状態になります。
痛みは原始的なシステムで、脊椎動物のもっとも原始的な祖先に近いナメクジウオという生物も痛みを感じて逃避行動をとります。
 生体は痛みを感じるシステムと逆に痛みを抑えるシステムの2つをもっています。例えば交通事故で怪我をした時に痛みを感じない人や、戦場で負傷した兵士の中には痛みを感じない状態になっている人もいます。痛みを抑えるシステムは、次に示すように、ゲートコントロール説といって痛いところの周辺をさすったり息をふきかけることで痛みを緩和するシステム、また、下行性抑制といって体の中に無害なモルヒネ様物質であるβ-エンドルフィンを出して痛みを緩和するシステム、GABAニューロンという神経を使って痛みを緩和するシステムがあります。
 鍼灸治療は体の中で痛みを抑えるGABAニューロンやβ-エンドルフィンに作用して痛みを緩和しているのではないかと推測され、実際に鍼治療によりGABAニューロンを使って痛みを緩和する研究をしていることをお話しいただきました。



13:00~13:50 疼痛疾患の基礎・臨床、診断と治療
「腰痛に対する鍼治療の検討」

(公社)生体制御学会研究部疼痛疾患班班長
河瀬 美之 先生

今回は、腰痛と不定愁訴の関係についての説明があり、健康チェック表やVAS、RDQなどの質問票を用いて多施設での症例集積研究についてスライドを用いて詳細な説明がありました。


14:00~14:50
疼痛疾患に対する症例報告及び症例検討

脉診研究鍼和会会長    
前川勝治  先生

今回は、鍼灸の保険治療の適応疾患である神経痛・リウマチ・頚腕症候群・五十肩・腰痛症・頚椎捻挫後遺症についての症状の解説や、鍼治療の経過についての説明がありました。



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投稿者 東洋医学研究所

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