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コラム

2013年6月 1日 土曜日

万物は揺らいでいる 心拍変動と自律神経1 東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸院 院長  山田 篤

はじめに
 私達は今、師匠の黒野保三先生の発案で、鍼刺激により心臓自律神経がどのように反応するのかを、研究し検討しています。その結果のいくつかは既に黒野先生を筆頭に論文にされていまして、今後も報告は増えていくことでしょう。
 さて、心臓自律神経の反応の捉え方に、心拍のゆらぎから解析する方法があります。心拍のゆらぎから何故自律神経の反応がわかるかということは、今後説明する機会があると思いますが、今回はそもそもゆらぎとは何か?ということから考えてみたいと思います。

そもそもゆらぎとは?
 ゆらぎの意味を大辞泉で調べましたら、次のように2つありました。
(1)ゆらぐこと。動揺すること。
(2)ある量の平均値は巨視的には一定であっても、微視的には平均値と小さなずれがあること。また、そのずれ。
 (1)の意味はわかります。今回問題にしているのは(2)の方でして、少しわかりにくいので、地球の軌道運動で例えてみましょう。
 地球は太陽の周りを365日かけて1周します。しかし、365日では完全には太陽の周りを1周することはできず、差がでます。なぜかというと、安定しているようで実は予測のできない微妙な速さの変化が絶えずあるからです。この差を修正するために閏年があり、さらに細かく秒単位での修正がなされています。
 このように一定の動きをしているようにみえても、実は不規則な変化を絶えずしています。この変化がゆらぎといえます。 
 
そもそも何故ゆらぐのか?
 一見すると完全にゆらぎがない方が理解し易く、ある意味純粋な状態の方がよい事柄が多いと思うことはあります。しかし大概のことにはゆらぎがあります。何故でしょうか?
 私なりに次の3つの理由を考えてみました。
(1)ゆらいでいるからこそ安定傾向になれる
(2)急な変化に対応するため
(3)万物が進化、発展するため
 (1)人間で例えてみます。私たち人間が生きていくには、代謝や免疫、血液の流れからホルモンなど様々な要素が影響して絶えず一定の状態に保つ(恒常性)ように無意識に制御されています。また、外界からの刺激にも絶えず変化しますので、それに対応しないといけません。それぞれの要素を完全に一定にすると融通が利かず、対応しきれず、恒常性は破綻してしまうので、絶えず変化が求められます。その変化がゆらぎとして現れます。
 (2)例えば走る時に、心拍は最初は遅くなり、それから徐々に速くなり、走る速さに応じた心拍数になります。これは、一瞬で心臓の動きを速くさせると体に負担がかかりすぎてダメージが出てしまうため、対応できる体の準備時間が必要だからです。そのために、ONかOFFではなく、常に心拍の速さがゆらいでいないと、このような対応ができません。
 (3)宇宙の初めのビックバンの瞬間にゆらぎがあったと言われています。ゆらいでいるから、常に変化があって対応ができ、時として爆発的な進化や進歩発展すると思われます。


おわりに
 生物は、生きていることそのものがゆらぎであり、体の中ではゆらぎが生きていくうえで不可欠な役割を果たしています。その不可欠な役割、ゆらぎを発生させているのが自律神経です。
 その自律神経は、鍼刺激の治効メカニズムに関与していると考えられていまして、鍼刺激によって自律神経活動がどのように変化するのかを捉えることが大事になります。
  その捉える方法の一つに心拍のゆらぎを解析する方法があります。心拍のゆらぎは実は自律神経の影響から発生しているため、この性質を利用して自律神経機能の評価が可能となるのです。
 次回はその心拍のゆらぎと自律神経について紹介させて頂きます。

参考文献
・ 武者利光.ゆらぎの発想.1998.日本放送出版協会.

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