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コラム

2013年9月 1日 日曜日

第62回(公社)全日本鍼灸学会学術大会(九州大会)に参加して 東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸療院 院長 皆川 宗徳

平成25年9月1日号

 
平成25年6月7日(金)より6月9日(日)の3日間にわたり第62回(社)全日本鍼灸学会学術大会がアクロス福岡で開催されました。この学術大会で、東洋医学研究所®グループの一員として「自律神経 心拍変動」のセッションで一般口演の発表の機会を頂きました東洋医学研究所®所長 黒野保三先生に心より感謝申し上げます。
今回、発表をさせて頂きました「心拍変動解析・胃電図による鍼刺激に対する自律神経反応の評価」と題した研究は、「鍼刺激の自律神経に及ぼす影響」をテーマに、5年前から黒野保三先生と、名古屋市立大学大学院医学研究科医学・医療教育学分野教授の早野順一郎先生との共同研究の研究結果であります。
臨床鍼灸の現場において、鍼治療により胃や腸の運動が活発になる、よく眠れるようになる等といった摩訶不思議と思われる現象は数多くみられます。黒野保三先生は、これらの現象は、鍼刺激により自律神経の中の副交感神経活動が有意に増加するのではないかという仮説を立てておられます。
第27回生体制御学会学術集会シンポジウム「医療の水際での鍼灸診療」において、我々は「鍼灸院における睡眠に対する鍼治療の実態調査」で、初回鍼治療日に主訴の内容に関わらず1回の鍼治療で63%の人がいつもよりよく眠れたと回答していると報告させて頂きました。このように、患者さんの睡眠調査において鍼治療によりよく眠れるという割合を客観的に示すことができました。
また、黒野保三先生は鍼刺激により副交感神経活動が有意に増加するという仮説を証明するために、自律神経活動の客観的評価研究を開始され、その結果を論文に発表されています。ここで、2つの論文をご紹介させて頂きます。
黒野保三先生の論文「ダン中(CV17)への鍼刺激は心拍変動の心臓迷走神経成分を増加させるが、中庭(CV16)への刺激では増加しない。」が、2011年、国際誌オートノミックニューロサイエンス誌161巻(1-2)号に掲載されました。
 また、論文「心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価―腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価―」が、2012年、日本自律神経学会が発行している雑誌、自律神経49巻4号に掲載されました。
この2つの論文は、「筋膜上圧刺激」による自律神経反応の基礎的研究を心拍変動解析を用いて検証した結果、副交感神経活動を有意に増加させたという世界で初めての研究結果であります。

私は東洋医学研究所®の平成24年4月1日号のコラム「海外における鍼刺激の考え方について」の中で書かせて頂きましたが、海外での鍼刺激の方法では、副交感神経活動を有意に増加させることができません。黒野保三先生が提唱されました「筋膜上圧刺激」の鍼刺激は、副交感神経活動を有意に増加させることができることから、海外での鍼刺激の考え方を根底から変えるものであります。

この2つの論文をベースにして、現在も研究が進んでおり、その研究結果を第62回(公社)全日本鍼灸学会学術大会(九州大会)において、発表の機会を頂きました。同じセッションで他の研究機関で行われている自律神経の研究発表とを比較しましても、研究の質が高く、世界に向け発信できる研究を行っていることが再確認できました。
今回、学術大会で研究報告をさせて頂きましたが、研究の基本は、臨床鍼灸の現場で得られる現象を正しく捉えることと、この現象を実証医学的に証明するための基礎・臨床研究をどのように計画し進めていくのかという研究の方法論を、黒野保三先生の研究業績を紐解くことによって考えることができるようにならなければと痛感しました。
現在、世界において自律神経機能評価研究が多方面から検証されている中、この基礎研究の流れに遅れることがないよう、黒野保三先生のご指導を頂きながら、今後も鍼治療のメカニズム解明のため、自律神経の研究を進めてまいりたいと思います。

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