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コラム

2013年12月 1日 日曜日

知って防ごう動脈硬化6 東洋医学研究所®グループ 伸誠鍼灸院 院長 加納 俊弘

TVなどのメディアで取り上げられ、多くの皆さんがご存知のことと思いますが、冠状動脈(以下冠動脈)とは、主に心臓に酸素と栄養を与えるための心臓に3本ある動脈のことです。
心臓は体全体の1/10の酸素を消費しており、そのうち太い冠動脈で1/3、検査の画像でも見えない細い冠動脈で2/3もの酸素が消費されているそうです。
この冠動脈が痙攣し、虚血状態となり、痛みを主体とする種々の発作的症状を呈することを狭心症といいます。また虚血状態がひどくなり、心筋が壊死し、最悪の場合、死に至るものを心筋梗塞といいます。
この恐ろしい心筋梗塞を防ぐには、狭心症の予防、早期発見および治療が何より大切なことであります。

狭心症の種類
労作性狭心症

動脈硬化などによって冠動脈の内径が狭くなり、主に労作(動作・運動)が一定以上になると、狭心症発作を起こします(再現性がある)。

安静時狭心症(冠攣縮性狭心症)
一見、冠動脈に動脈硬化などの病変は見られないものの、冠動脈が一時的に痙攣を起こして極度に狭くなり、狭心症発作を起こします。比較的安静時や就寝中にもおこります。

不安定狭心症
胸痛などの発作が突発的、または不定期に起こり、胸痛の強さも発作ごとに異なります。
心筋梗塞に進行しやすく危険な狭心症、急性冠症候群とも呼ばれます。

微小循環狭心症
心臓内の微小血管狭窄・攣縮による虚血に伴う発作症状であり、更年期の女性に多く(10人に1人)、血管拡張作用のあるエストロゲンの減少により引き起こされることがわかってきました。 
生命予後は比較的良好でありますが、アメリカのデータでは4~6%は病態が悪化するとのことです。発作が5分から半日位と幅広く、広範囲な胸痛、圧迫感、動悸、ひどい場合は失神に至るため、患者さんの生活の質は低下します。

無痛性狭心症(無症候性心筋虚血)
糖尿病などにより、知覚神経にダメージを受けているため、冠動脈痙攣を起こしていても痛みが感じられず、心筋梗塞にまで進行してしまうケースも多く、非常に厄介な病態です。
気持ちが悪いなどの愁訴の他、水分貯留により、息苦しい、咳が止まらないなどの症状を伴うこともあります。

狭心症の一般的な症状の多くは、胸痛(締め付けられる痛み)と息切れですが、連関痛といわれる痛み症状は喉や歯、背中や肩など色々であり、男女差も大きく存在します。
一般的に動脈硬化の原因は、バランスの悪い食生活、運動不足、喫煙などの生活習慣、高血圧、糖尿病、遺伝因子や老化であることはいうまでもありません。
専門医でさえも、狭心症の発見は80%であるといいますから、お医者様任せにせず、健康診断はもとより、自分の体質や生活環境を積極的に改善し、健康な生活習慣を身につけることも大切だと思います。
私が貴重な経験をさせてもらった患者さんに、左肩の外傷で受診され、鍼治療継続中、原因の不明な右肩の鈍痛と違和感を訴えられ、念のためにすぐに循環器専門医を紹介したところ、冠動脈の2本が75%、1本が80%狭窄しているのが見つかり、手術を受け、事なきを得たという大変幸運な方がみえます。
この患者さんの父親は心筋梗塞で死亡されており、本人も血圧は正常値でしたが、肥満があり、血糖がやや高めでした。
私がこの患者さんを循環器専門医に速やかに紹介できたのは、当ウエブサイトの黒野保三先生が創立された(公社)生体制御学会の、研究部の循環器疾患班と情報評価班に長年お世話になり、色々な基礎・臨床・診断・症例や実験など、また、黒野保三先生の貴重な論文を勉強させていただいている賜物と感謝いたしております。

参考資料
・日本心臓財団 http://www.jhf.or.jp/check/
・性差から見た女性の循環器疾患診療              メディカルビュー社
・動脈硬化予防 Vol.4  No.1                  メディカルビュー社
・Kurono, Y., Minagawa, M., Ishigami, T., Yamada, A., Kakamu,T,. Hayano,J., 2011. Acupuncture to Danzhong but not to Zhongting increases the cardiac vagal component of heart rate variability. Autonomic Neuroscience: Basic and Clinical.161,116-120
・黒野保三ほか.心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価-腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価-.自律神経雑誌.2012;49(4):251-256

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