活動内容

2014年3月 6日 木曜日

(公社)生体制御学会第269回定例講習会に参加しました。

(公社)生体制御学会第269回定例講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)

平成26年3月2日(日)(公社)生体制御学会第269回定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加してきました。

9:30~10:20  基礎生理学
「心拍変動解析について(2)」

名古屋市立大学大学院医学研究科 医学・医療教育学分野研究生
(公社)生体制御学会経理副部長 
山田 篤 先生 

今回は、心拍変動解析の基礎、鍼刺激と自律神経について最新の研究を教えていただきました。
「現在、自律神経の変動をみる方法に心拍変動解析というものがあります。これは、体にかける負担がない非侵襲的なのが利点の一つになります。
心臓の働きは一拍一拍の拍動リズムをみることでわかります。交感神経が働くと心拍数は早くなり、逆に副交感神経が働くと心拍数はゆっくりになります。この心拍のリズムは心臓の洞結節というところで調節しており、この洞結節を調節しているのが自律神経になります。
心拍のリズムは心電図で確認することができ、心電図で得られた心臓の一拍一拍のリズムを解析することでHF(High Frequency:副交感神経活動の指標)とLF(Low Frequency:交感神経と副交感神経活動の指標)をみることができます。実際に副交感神経を遮断するアトロピンを投与するとHF成分もほぼ消失したことから裏付けのある指標ということができます。
この指標を使って、師匠の黒野保三先生は2011年にオートノミックニューロサイエンス誌に「ダン中(CV17)への鍼刺激は心拍変動の心臓迷走神経成分を増加させるが、中庭(CV16)への刺激では増加しない」を報告しました。これは、ダン中穴に鍼刺激をすると副交感神経活動が高まるが、ダン中穴の近くの中庭穴に鍼刺激をしても副交感神経活動は高まらず、経穴によって体におきる反応が違うことを示された研究です。
2013年には皆川宗徳先生が体幹と四肢に鍼刺激をおこなうと自律神経活動はどうなるのかを報告しました。内容は、内関穴(手首)、脾兪穴(背中)、中脘穴(腹部)、次髎穴(腰)、足三里穴(足)に鍼刺激をおこなうと自律神経活動はどうなるのかを調べた結果、心拍数は中脘穴のみ減少、副交感神経活動は中脘穴が亢進、交感神経活動はどの経穴でも変化がありませんでした。
中脘穴に鍼刺激をすると副交感神経活動が高まることは確認できました。では、どのくらい副交感神経活動の亢進は続くのでしょうか。
今度は30分までのばしてデータをとったところ、鍼刺激30分後も副交感神経活動が亢進していることがわかりました。
今後、さらに自律神経と鍼治療の関係について研究することが大切であります。」とご説明くださいました。

10:30~12:00 痛みの基礎 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
「鎮静と鎮痛の神経メカニズム」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
自然科学研究機構生理学研究所 神経シグナル研究部門准教授
古江 秀昌 先生                     

今回は鎮静と鎮痛のメカニズムについて教えていただきました。
「痛みと聞くと嫌なイメージをいだかれると思います。しかし、痛みはなくてもいいものでしょうか?
痛みというのは大切なもので、その刺激が危険であることを教えてくれます。
実際に無痛症という元々痛みを感じない人がいるのですが、痛みを感じないため、火傷は絶えず、指はどんどん短くなり、関節は変形をしていってしまうのです。
17世紀にデカルトは痛み刺激が加わるとなんらかの経路を通って痛みが自覚されるという痛みの経路の概念をはじめて唱えました。
痛みの種類は3つあり、手を思いっきり叩いたときなどの機械刺激、熱刺激、化学物質による刺激があります。そして、痛みを伝える神経はAδ線維とC線維があります。Aδ線維は有髄神経といって痛み刺激が早く脳に伝わり、C線維は無髄神経で痛み刺激が比較的ゆっくり伝わります。
化学物質による痛みは、ブラジキニン、セロトニン、サブスタンスP、ATP、ロイコトリエンなどの化学物質によるもので、末梢神経終末部でこれらが分泌されることで怪我をしなくても痛みが出現したりします。
痛みが起きることによってTRPV1の閾値が低下すると、いつもは痛みが起こらない弱い刺激でも痛覚過敏が起こるようになって痛みを感じるようになります。
すべての痛みは脊髄視床路を通って脳まで信号を伝えます。ここの痛みの経路の特徴により、例えば脊髄の右半分が切断されると反対側の左に起こる痛みは伝わらず、右で起こる痛みは伝わります。しかし、触覚は逆で左の触覚は感じて、右の触覚は感じないという痛みと触覚が逆になる現象があり、これをブラウンセカール症候群といいます。
このように痛みの特性を知ることが大切であります。」とご説明くださいました。


13:00~13:50 疼痛疾患の基礎・臨床、診断と治療
「頚肩腕痛に対する徒手検査について」

(公社)生体制御学会研究部疼痛疾患班班長
河瀬 美之 先生

今回は、「頚肩腕痛に対する徒手検査」について、「頸肩腕痛に対する徒手検査記録表」に沿って、疼痛疾患班班員の指導のもと、班に分かれて徒手検査の際の手順や注意点などについて実技を交えての説明がありました。

 

実技風景

14:00~14:50
疼痛疾患に対する症例報告
「寒邪と疼痛」
愛知漢方鍼医会代表
高橋 清吾 先生
「寒邪と疼痛」と題して、冷えと痛みの関連についての解説と東洋医学的な視点から臨床の経験を踏まえて報告がありました。


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投稿者 東洋医学研究所

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