活動内容

2015年10月 8日 木曜日

(公社)生体制御学会第277回定例講習会に参加してきました

平成27年10月4日(日)(公社)生体制御学会第277回定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加してきました。

(公社)生体制御学会第277回定例講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
 
9:30~10:20 基礎生理学
生理学トピックス
「平滑筋について4」
名古屋市立大学大学院医学研究科細胞生理学研究員
(公社)生体制御学会教育部長
福田裕康先生

今日は平滑筋について詳しく教えていただきました。
「平滑筋の学会に日本平滑筋学会があります。学会の理念は、平滑筋は消化器、循環器、泌尿生殖器など、多様な臓器に存在しているのみならず、発現しているタンパク質や刺激に対する反応性も異なり、実に多様性に富んでいます。このように、多様性に富んだ平滑筋を研究対象として、基礎、臨床を問わず一緒に取り組むというおもしろい学会です。
血管は心臓から送り出される血液を通す管ですが、単なる血液を通すホースではありません。血管がちゃんと働かないと、いくら心臓が頑張っても血液は全身に流れません。血管は自分で働き出すことはありませんが、エネルギーを使わずに血液を全身に分配する経済的な臓器になります。
中腔臓器、これは胃や腸、膀胱など中が空洞になっている臓器ですが、中腔臓器の静脈は動くことがわかってきました。なぜ動く必要があるのでしょうか。中腔臓器に物をパンパンに入れた時、例えば食べ過ぎて胃がパンパンに膨れあがったときに血管がつぶれて駄目になっては生きていくことができません。動脈は平滑筋が厚く、しっかりしていますが、静脈は動脈に比べてしっかりしていないので、動くことで血管が潰れるのを回避しているのではないかと考えられています。
最近では、モルモット脛骨細動脈におけるアセチルコリンとサブスタンスPにおける抑制反応と題して研究をしています。」という主旨のお話を、動画を用いて詳しく説明していただきました。


10:30~12:00 基礎生理学
「神経科学の基礎3」 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学生理学講座教授  
岩瀬 敏 先生

今回は12の脳神経の機能を理解する目的で、いくつかの脳神経について詳しくお話ししてくださいました。
「脳神経は一言で言うと嗅覚、味覚、視覚、顔筋、眼球などの運動を司る神経です。
神経の分類は、中枢神経と末梢神経があります。末梢神経の定義は、脳と脊髄から出る神経のことで、末梢神経には脳神経と脊髄神経があります。脳神経には大きく分けて3つの働きがあり、①運動性、眼を動かしたり、顔面の筋肉を動かす、舌を動かしたりする働き、➁感覚性、聴く、味を感じる、嗅ぐなどの感覚の働き、③運動性と感覚性の2つの働きを併せ持った働きをする神経があります。例えば下顎神経は、咬筋や側頭筋の咀嚼筋の運動を司り、舌の前3分の2の感覚を司ります。
第Ⅰ脳神経は嗅覚神経です。文字の通り鼻で匂いを嗅ぐことを司る神経で、原始的な感覚になります。嗅覚の定義は空気中の化学物質を受容器で受け取る感覚になります。
第Ⅱ脳神経は視神経です。視覚はヒトの情報の90%を占めると言われます。脳までの経路は、視神経→視交叉→視索→外側膝状体→視放線→視覚中枢と脳まで情報が上がっていき、とても重要になります。近くを見る時は寄り目になり、瞳孔が小さくなり、水晶体が厚くなります。逆に遠くを見る時は両目が外側に開き、水晶体が薄くなります。目を動かす神経は動眼神経、上斜筋を動かす滑車神経、外直筋を動かす外転神経が司ります。第Ⅶ脳神経である顔面神経は、顔の筋肉を動かし、味覚の一部も司ります。味覚は甘味、酸味、苦味、塩味、旨味があります。唐辛子やわさびを感じる辛味は別の経路で感じるので、甘味などの味覚がなくなっても辛味だけは感じるということも起こります。」ということを教えていただきました。


            
13:00~13:50 循環器疾患の基礎・臨床、診断と治療
循環器の基礎・臨床、診断と治療
「血圧測定の意義3」
(公社)生体制御学会研究部循環器疾患班副班長 
加納俊弘 先生 

今回は、血圧測定の意義と題して、両側や四肢での測定などの血圧測定方法でみられる特徴や正しい測定方法について説明して頂きました。
また、血圧の分類や日内変動・年内変動(冬が高く、夏が低い)などについて、臨床経験をもとに、注意点や重要性についても教えていただきました。
        

14:00~14:50 循環器疾患に対する症例報告及び症例検討
「動脈硬化症について」
三陰三陽塾鍼和会塾長     
前川勝治先生

今回は「動脈硬化について」と題して、動脈硬化の種類や症状、原因についての解説と、東洋医学的な視点から臨床の経験を踏まえて報告がありました。


15:10~16:00
鍼灸学校学生向け企画 婦人科疾患の基礎と臨床
「不妊のための鍼灸 卵巣機能について」
明生鍼灸院副院長
木津 正義 先生

今回は卵巣を中心に教えていただきました。
「まず、前回のおさらいを簡単にしますと、妊娠に至るには男性は、造精、精子を輸送、貯蔵、射精、卵管に届く働きが必要になります。女性では、卵胞発育、排卵、ホルモン分泌などの働きが必要になります。
一般的な不妊治療としてまずスクリーニングを行って、不妊の原因があるかどうかを検査します。原因がはっきりとしていればその原因を治療します。原因がはっきりせずに不妊の方も多くいますので、その場合はまずタイミング療法を行います。このタイミング療法を6~12ヶ月続けてみて、妊娠に至らなければ次の手段として人工授精を行います。その後、6~12ヶ月続けてみてまだ妊娠に至らなければ体外授精を行います。
人工授精と体外授精の違いはなんでしょうか。人工授精は排卵の時期に合わせて精子を子宮に送り込むことを人工的に行います。その必要がある場合は、頸管粘液が少ない場合があります。膣はPH4前後と酸性ですので、頸管粘液を分泌することで中性に近づけて精子を死滅させずに通す必要があります。この頸管粘液が少ないと酸性のままなので精子がうまくたどりつくことができません。また、精子が少ない、運動性が悪い場合も人工的に送り込むことで妊娠する助けをします。体外授精は文字の如く、体の外で授精をさせて、体に戻して妊娠させます。排卵は1回に1つですが、排卵する少し前は10個くらいあります。その10個の中から1つが排卵される訳ですが、排卵誘発剤でその10個を平均的に成長させて10個卵子を取り出します。シャーレの中で精子と出会わせて授精させて、子宮に戻します。シャーレの中でも授精しない場合は、卵子の中に1つの精子を人工的に入れて授精させ、子宮に戻します。
我々の研究では、不妊症の患者に陰部神経鍼通電を行うことで18例中12例において採卵結果が良くなりました。このように不妊症に対しての鍼灸治療効果の研究を続けています。」いう主旨のお話をいただきました。


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投稿者 東洋医学研究所

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