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コラム

2016年4月 1日 金曜日

骨の強さを考える 東洋医学研究所®グループ 福田鍼灸院 院長 福田 裕康 平成28年4月1日号

骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の予防と治療ガイドライン2015年版によると、「わが国における骨粗鬆症の患者は年々増加しており、その数は1300万人と推定されている。骨粗鬆症では骨折が生じやすく、その対策が医療のみならず社会的にも重要な課題である」と述べられています。
そもそも骨粗鬆症の原因は、二つに分けられます。一つは、おもに加齢によって引き起こされる原発性骨粗鬆症と呼ばれるものです。もう一つは、病気や薬の影響で二次的におこるもので続発性骨粗鬆症と呼ばれています。
今回は、原発性骨粗鬆症について考えていきたいと思います。

原発性骨粗鬆症の原因は加齢です。では骨は年齢とともにどのように変わっていくのでしょう。
体の中ではたえず古い骨は破壊されて、新しい骨が作られます。これを骨の新陳代謝といいますが、この骨の新陳代謝のバランスが崩れ、古い骨の破壊が進んでいき、新しい骨の形成が追い付かなくなると骨は弱くなり、スカスカな骨になります。この骨が充実しているか、スカスカであるのかを表す言葉が、骨密度です。そして、骨密度が高いほど骨量があるということになります。  
年齢による骨量の変化は20歳ぐらいで一番多くなり、40歳半ばまではほぼ一定ですが、その後、だんだんと低くなっていきます。これは、男性、女性ともに当てはまりますが、女性は50歳前後から急速に低下していきます。その大きな理由は女性らしい体をつくったり、排卵をコントロールするホルモンであるエストロゲンという女性ホルモンが骨量の変化と同じように50歳前後から急速に減ってくることによります。この急速な減少により、20歳でみられた骨量が70%以下になると骨折リスクが急激に高くなるわけです。


骨粗鬆症の予防において重要なことは、まず第一に成長期に骨量を十分に増加させて高い最大骨量を獲得することにあります。これができれば、骨量が減少しても通常の骨量の70%以上を保てるわけです。しかしながら、現状ではこれを達成できている人が少ないため社会的問題になってきています。
では、ライフサイクルに沿った骨粗鬆症の発症および骨折予防とはどういったものでしょう?
先ほど述べたように、若年期には日常生活の中で、運動や栄養からしっかりとした高い骨密度を獲得し、閉経周辺期においては、骨密度の減少を抑制していかなければなりません。日常生活はもちろんのこと薬物療法も時としては選択肢に入ってきます。また、老年期においては、なにより骨折を抑制しなければなりません。これも日常生活の工夫が必要となってきています。

それでは、骨代謝を調節し、骨の健康を保っているのは、どこでしょうか?女性ホルモンに代表されるホルモンによってこの骨代謝は調整されているのはわかると思いますが、それだけでしょうか?
実は神経系が調節していることが徐々にわかってきています。特に、自律神経の中の交感神経が骨の形成を抑制することが知られてきました。また神経によって骨をつくる量を決めているなら、神経によって骨形成を促進するものもあるのではないかといわれてきました。そして、その代表が感覚神経であることが現在わかってきました。この感覚神経が骨の内部にまではりめぐらされていることが、正常な骨の形成に必要であるということです。
現在、我々は、骨を覆っている骨膜の血流状態について研究しています。この研究から骨膜の血流状態を維持している神経の働きがわかりました。骨膜の血管は骨の中に入っていくわけですが、その血管が縮まったり広がったりして血のめぐりを決めます。
具体的には自律神経の一つである交感神経が興奮すると血管が縮まり、感覚神経の一つであるサブスタンスPをもつ神経が興奮すると血管が広がることがわかりました。そこで、骨をつくる神経の役割と比べてみますと、骨膜の血管を縮める神経と骨の形成を抑制に働かせる神経は交感神経であり、骨膜の血管を広げる神経と骨の形成を促進する神経は感覚神経である可能性がでてきました。このように骨の強さを保つことにも自律神経が関与しているようです。
 
東洋医学研究所®では、自律神経を介した研究を通して、鍼治療の理論に迫っています。この骨を調節する機能にもその可能性が示され、鍼治療による効果も証明される段階になってきました。

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