糖尿病通信15 食後の強烈な眠気

○食後は眠くなります
おなかがいっぱいになると眠くなるのは、皆さんよく経験することだと思います。
原因として、食べたものを消化吸収するために胃腸に血液が集まることで脳に行く血液量が減少するため眠たくなります。また、食後は血糖が高くなりますので、しばらく体のだるさや眠気が起きます。可能ならば昼寝をしてすっきりしたいところですが、眠気を耐えようとすれば耐えられます。
しかし、時として食後に耐え難い強烈な眠気に襲われることはありませんか?
もしかしたら、それは低血糖が原因かも・・・というのが今回のお話です。

○低血糖とは?
高血糖を改善させるのが糖尿病の治療です。食事療法や運動療法、血糖を下げる薬やインスリン等を使って血糖を下げますが、何らかの原因で血糖が下がり過ぎる場合があります。これを低血糖と呼びます。糖尿病でない人でも場合によっては低血糖になることもあります。

○食後の強烈な眠気の原因は?
冒頭で述べましたが、食後に眠たくなるのは生理現象です。しかし、何をしても耐え難い強烈な眠気に襲われたとき、反応性低血糖を起こしている場合があります。
反応性低血糖とは、糖質を摂取した後に急激に血糖が上昇して、その後急激に下がることです。急激に血糖が上昇するため、インスリンも急激な上昇に反応するため過剰に分泌されますが、上昇後、今度はインスリンが効き過ぎて必要以上に血糖を下げてしまい低血糖を起こし、耐え難い眠気などの症状が現れます。

○食後の血糖値は緩やかに・・・
では、反応性低血糖を起こさないようにするにはどうしたら良いのでしょうか?
対策としては急激に血糖を上げない食べ物を食べ、急激に血糖を上げさせない食べ方をすることです。
急激に血糖を上げる食べ物は「糖質」です。清涼飲料や菓子類などの加工食品に含まれるブドウ糖果糖液糖は砂糖よりも急激に血糖を上昇させます。精製された米やパンも急激に上昇させますが、未精製で食物繊維が多く含まれる玄米や全粒粉パンなどは血糖の上昇を緩やかにさせます。
また、野菜をたくさん食べることはもちろんのこと、肉や魚、乳製品も糖質と比べて血糖値は緩やかに上昇しますので大事です。
食べ方は、野菜などの食物繊維→タンパク質・脂質→糖質の順番で食べることで急激な血糖値の上昇を抑えられます。
他には、腹八分目にしたり、体調管理、適度な運動で基礎代謝を上げることも大事です。
頻繁に食後の強烈な眠気がある人は、食事の方法など生活習慣を見直しては如何でしょう。

         (文責:山田 篤)