活動内容

2016年7月 7日 木曜日

生体制御学会第281回定例講習会に参加してきました

平成28年7月3日(日)(公社)生体制御学会第281回定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加してきました。

(公社)生体制御学会第281回定例講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)

9:30~10:20 睡眠の基礎と臨床 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
「睡眠の臨床1 不眠症」  
独立行政法人国立名古屋医療センター神経内科

岡田  久 先生
今回は、不眠症について教えて頂きました。
「不眠とは、毎晩の睡眠の長短に関わらず、患者自身が睡眠に対する不安感を訴え、身体的・社会的に支障がある状態をいいます。一般診療では、まず、快眠であるか、快食であるか、快便であるかを聞くほど睡眠とは大切なものです。黄帝内経では、聖人は既病は治せず、未病を治すとあるように、不眠においても病気になる前に治療することが大切になります。
睡眠時無呼吸症候群では、夜間突然死が2.61倍、高血圧1.34倍、脳梗塞3.3倍となります。睡眠と癌の関係は、東北大学が2万2千人を対象に前立腺癌発症率を研究し、長く眠れる方が発症の確率が低くなることを報告しています。
不眠の治療では、薬に至る前提として、睡眠衛生指導や認知行動療法が重要になります。睡眠衛生指導とは、良い睡眠をとるためには何をすればいいか、になります。概日リズムでのアプローチは、寝る時間、起きる時間を一定にする、昼間に明るい光をあびる、運動の習慣をつけるなどです。寝室では、寝室を暗く、静かにする、適度な温湿度にする、テレビ、パソコン、スマホなどの携帯を置かないことが重要です。寝る前の行動では、リラックスをする、お風呂に入る、飲み物をとりすぎない、心配事があれば、書いておき、考えないようにすることが重要です。寝た後の行動は、途中で起きても無理に寝ようと努力しない、時計を見ない、朝になったら寝床を離れることが重要で、これらを患者さんに合わせて的確な指導をすることが重要となります。」というお話をいただきました。


10:30~12:00 神経科学の基礎6  (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
「自律神経機能について」
愛知医科大学医学部生理学講座教授
岩瀬  敏 先生

今回は、自律神経の基礎について教えて頂きました。
「自律神経とは自らを律する神経で、意識には昇らずに働く神経です。1732年にウィンスローがはじめて提唱し、1900年頃にJ.N.ラングレーによって自律神経の概念が確立されました。1850年頃には実験生理学の祖であるクロード・ベルナールがホメオスタシスを提唱しています。1950年頃にウルフによってプロスタグランジン、ノルアドレナリンが発見されました。
自律神経は交感神経と副交感神経の2つあり、交感神経は闘争か逃走のときに働く神経です。副交感神経はくう・寝る・休む、つまり休憩や回復に働く神経になります。副交感神経の中に迷走神経と仙髄神経があり、副交感神経活動の75%が迷走神経になります。迷走神経の支配領域は硬膜、耳介、上咽頭、肺、心臓、腎臓、胃、小腸の横行結腸の脾曲までを支配し、残りの小腸の横行結腸の脾曲より遠位の結腸、直腸、腎臓、膀胱、前立腺、生殖器は仙髄系が支配しています。
カテコールアミンの受容体はαとβがあり、αは末梢血管に多く、α1は血管収縮、α2は弛緩に働きます。βはβ1が心臓に多く、β2が他の臓器に多く、β3はここ20年に見つかったもので褐色脂肪に多いという特徴があります。」というお話をいただきました。


 

13:00~13:50  循環器疾患の基礎・臨床、診断と治療
「血管機能検査について2」
(公社)生体制御学会研究部循環器疾患班副班長 
加納 俊弘 先生

今回は、前回の復習として血管の構造や動脈硬化の種類やリスク因子、血管のつまりの原因となる不安定プラークについて、また冠攣縮や虚血性心疾患、脳梗塞など病態についてスライドを用いて詳細な報告がありました。また、心筋梗塞の既往があり、内膜剥離術(CEA)に至った症例について、臨床経験をもとに教えていただきました。

 

14:00~14:50 婦人科疾患に対する症例報告及び症例検討
経絡治療学会東海支部支部長  
加賀 敏朗 先生

今回は「婦人科疾患に対する症例報告及び症例報告」と題して、経絡治療の基礎と、不妊症の症例について東洋医学的な視点から臨床の経験を踏まえてスライドを用いて詳細な報告がありました。



15:10~16:00 鍼灸学校学生向け企画 婦人科疾患の基礎と臨床
「各論1 婦人科の基礎」
明生鍼灸院副院長
(公社)生体制御学会会員  
木津 正義 先生

今回は「妊娠について」と「排卵について」教えていただきました。
「妊娠するためには、必要なことやものはたくさんあります。有効な多数の精子、卵巣の中で卵胞が育つこと、卵胞から卵子が出て黄体ホルモンが出ること、卵管内で受精が始まること、運ばれた胚が子宮内で着床すること、といった様々なことが重なることで妊娠ができます。どこかでトラブルが起きたら妊娠はできません。卵巣は卵子の貯蔵庫。精巣は精子の製造工場であり、精巣はどんどん新しい精子を作り出すのに対し、卵巣は卵子を貯蔵して排卵していきます。
つまり高齢になると、貯蔵している卵胞の数が減っていき排卵できなくなります。これが高齢になって不妊率が上がる理由です。
また年齢が上がると、妊娠率が下がり、流産率が上がります。これは加齢により染色体の減数分裂の際に染色体のトラブルが起こり、通常よりも染色体の分裂が早く起こりバラバラになってしまいます。
しかし加齢による妊娠率は下がるが、体内の環境によって染色体の分裂の様子は変わりやすいとのことです。
つまり高齢による卵胞の減少に鍼治療は難しいかもしれないがが、染色体の異常などは鍼によって体内環境を変えることで、不妊症への治療になるかもしれません」というお話をいただきました。


 

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投稿者 東洋医学研究所

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