糖尿病通信32 糖と合成甘味料 

○同じ糖の名が付いても・・・
「糖質」「糖類」「糖分」。巷ではよく聞く言葉です。しかし、どれも糖という名はつきますが、同じものなのか違うものなのか・・・・。何を指しているのかがわかりにくく何だかややこしいですので、まずは簡単に説明しましょう。

糖類:単糖類や二糖類。単糖類は糖の最小単位でブドウ糖(グルコース)や果糖など。二糖類は単糖類が2つ付いたもので砂糖や乳糖、麦芽糖のことです。
糖質:糖類のほかに、多糖類(単糖類が多くつながったもの:例えばでん粉)、グリコーゲン、糖アルコール(キシリトールなど)で構成されています。
糖分:実は明確な定義はありません。使う状況によって意味合いが変わります。
 
つまり、糖の単位が小さいものを糖類。糖類と合わせて多糖類や糖アルコールを含めてくくったのが糖質です。炭水化物は糖質+食物繊維。
糖類や糖質について詳しくは近いうちのコラムで紹介します。また、糖分は曖昧な言葉ですので、厳密な意味で糖を話すときは使わないよう注意しましょう。

○糖類、糖質でもないのに甘い?
ところで、糖というと「甘いもの」をまずイメージすると思います。「甘いもの」を食べ過ぎるとカロリーオーバーや血糖値が高くなりがちですが、同じ甘い商品なのに「カロリーゼロ」「カロリーオフ」版がよくあります。
前々回から持続血糖測定器を使用して、私自身で色々試したことを載せていますが、今回はその3、コーラ vs トクホコーラです。
使用したのはコーラ(100mlあたりエネルギー:45kcal、炭水化物:11.3g、食物繊維:0g)とトクホコーラ(100mlあたり、エネルギー:0kcal、炭水化物:1.1g、食物繊維:1.1g、糖類:0g)を300mlづつ飲んで血糖値の推移を比べてみました。
結果はグラフの通りです。コーラは急激に上昇していますが、トクホコーラには変化がありません。

糖類や糖質(多糖類)は血糖値を上昇させます。コーラは果糖ぶどう糖液糖や砂糖という吸収しやすい糖類を使用しているため、急激に上昇させてしまいます。
一方、トクホコーラは合成甘味料を使用しています。ここで言いたいのは、そもそも糖を使用していない場合は血糖値を上昇させないということです。
単純にコーラが飲みたいのに血糖値の上昇が気になる方はゼロカロリーのコーラやトクホコーラをおすすめします。但し、合成甘味料は人為的に化学合成された甘味料ですので、ほどほどにしましょう。         


文責:山田篤