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コラム

2021年4月 1日 木曜日

今、大切なのは免疫力を高めること 東洋医学研究所®グループ  井島鍼灸院 院長 井島 晴彦 令和3年4月1日号

はじめに
新型コロナウイルスの流行は、未だ収束する目処が立っていません。感染防止と経済対策のどちらを優先するかについては、専門家の間でも意見が分かれていますし、政府の対策も行ったり来たりが続いています。
そんな中、私達個人個人にできる対策の中で、特に必要なことは重症化を防ぐための行動をとることです。万が一、新型コロナウイルス感染症に罹ったとしても無症状や軽症で済ませるために大切なことは、日頃から免疫力を高めることを念頭において生活することです。
そこで今回は、免疫力を高めるための方法論が詰まった小林弘幸著「免疫力が10割」の中で、最も重要と思われる部分を紹介させて頂きます。

免疫力向上の基礎は腸内環境の改善にあり!
免疫力を高めるカギを握る最重要ポイントが「腸内環境」です。腸は食べ物から栄養を吸収し、血液に乗せて全身の細胞へ送り出す器官です。しかし腸には食べ物と一緒にたくさんのウイルスなどの病原菌も運ばれてきます。
腸を守らずにいたら、食べ物の栄養と一緒にウイルスも全身に送ってしまうため、免疫細胞が腸の守りをガチガチに固めているのです。
さらに、わたしたちの腸内には約1000種類、約100兆個もの腸内細菌が住みついています。もし、腸内細菌だけを取り出せたなら、その重さは約1キロにもなります。腸壁を顕微鏡で見ると、まるで一面の花畑のように腸内細菌が種類ごとに寄り集まって見えることから、その群生する様子を「腸内フローラ」とも呼びます。
この腸内細菌は、免疫細胞の分化を調節し、神経伝達ホルモンの生成に関与するなど、免疫力の活性化に影響を与えていると考えられています。
したがって、善玉菌を多く含む味噌や、納豆、漬物などの発酵食品を摂取し、さらに、善玉菌のエサになる大豆やゴボウなどに含まれるオリゴ糖や、食物繊維を摂取することにより腸内環境を整えることは、感染症のみならず、あらゆる生活習慣病や基礎疾患を予防することにつながります。

自律神経のバランスが腸内環境と脳の好循環を生み出す
腸内環境が健全であるためには、もう一つ、切っても切れないファクターがあります。
自律神経は身体中に張り巡らされている末梢神経の一種で、内臓の働きや、血管の収縮・拡張、温度調節、呼吸など、生命維持に必要なあらゆる体の働きをコントロールしています。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」がバランスを取って働いています。腸の働きでは、交感神経が優位のとき蠕動運動は停滞し、副交感神経が優位のときに活発になります。自律神経を本来のバランスに整えてあげることが、腸内環境の改善につながります。しかし、自律神経のバランスは睡眠不足や不健康な生活、ストレスなどによって簡単に乱れます。
したがって、朝はカーテンを開けて朝日を浴びる、コップ1杯の水で腸を目覚めさせ、昼は鏡の前でニッコリ笑顔を作る、深呼吸で交感神経にストップをかける、夜は眠る3時間前に食事を済ませる、眠る1時間前にはスマホを手放すなどの生活習慣を身に着けることが重要です。

おわりに
本書では、新型コロナウイルスに関わる免疫の仕組みから、重症化のメカニズム、免疫力を強化する生活習慣メソッドについて詳しく紹介されていました。腸内環境を改善し、自律神経を整えることが、新型コロナウイルス感染症をはじめ、あらゆる病気から身を守る免疫力を備えるための重要な手段であることがわかりました。
そして、自律神経の調整といえば、東洋医学研究所®黒野保三所長が長年の研究によって、鍼治療が有効であることを報告されています。さらに、黒野保三所長は鍼治療が免疫力そのものの強化に役立ち、心理的なストレスから生じる不定愁訴に対しても効果のあることを報告されています。
是非、生体の統合的制御機構の活性化を目的とした生体制御療法の鍼治療(鍼と超音波の併用治療)を受療されることをお勧めいたします。

引用・参考文献
・小林弘幸:免疫力が10割.プレジデント社.2020
・Kurono Y, Minagawa M, Ishigami T, Yamada A, Kakamu T, Hayano J.Acupuncture to Danzhong but not to Zhongting increases the cardiac vagal component of heart rate variability. AutonNeurosci. 2011; 161. 116-20.
・黒野保三、各務壽紀、皆川宗徳、石神龍代、山田 篤、早野順一郎:心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価―腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価―.自律神経. 2012; 49: 251-6.
・Minagawa M, Kurono Y,Ishigami T,Yamada A,Kakamu T, Hayano J.Site-specific organ-selective effect of epifacial acupuncture on cardiac and gastric autonomic function.AutonNeurosci.179(1-2).151-154:2013
・皆川宗徳、黒野保三、石神龍代、山田 篤、各務壽紀、早野順一郎:心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価―腹部鍼刺激の経穴特異性の検討―.自律神経. 2015; 52(2): 145-6151
・黒野保三:長生き健康「鍼」.現代書林.2008:94-6

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