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コラム

2021年5月 1日 土曜日

鍼治療は睡眠中の血糖値に影響を与えるか? 東洋医学研究所®グループ  二葉鍼灸院 院長 山田 篤 令和3年5月1日号

〇糖尿病の血糖コントロールは難しい
人間の主なエネルギーはブドウ糖で、血液中の糖の量を示すのが血糖値です。血糖値が変動する要因は、血糖値を下げるインスリンや血糖値を上げるグルカゴンなどのホルモン、自律神経機能、食事や運動などの生活習慣など様々なものがあります。血糖値の変動は健常人なら正常範囲(70-110mg/dl 食後上限140mg/dlが目安)に維持されますが、糖尿病になると血糖値を安定して維持することは困難になります。
糖尿病の方は、睡眠中に高血糖や低血糖を起こしたりします。高血糖が続けば糖尿病は悪化し、低血糖は命に危険を及ぼすこともある重症低血糖になることもあります。また、血糖コントロールが不良になると睡眠状態が悪くなるという報告1)もあり、睡眠中の血糖値を安定して維持することが重要になります。

〇血糖コントロールが良好でも睡眠中の血糖値が安定するとは限らない?
睡眠中の血糖値(当院に通院している1型糖尿病の患者様)のデータを図1(縦軸:血糖値 横軸:時間)に示します。この患者様のHbA1c(過去1~2か月間の平均血糖値を反映します)は8.0%前後で血糖コントロールが比較的良好な状態であるにも関わらず、血糖値は正常範囲に収まらず、高い値を示したり低い値を示したりしてばらつきがあります。


〇鍼治療が睡眠中の血糖値の変動に影響を与える?
鍼治療が睡眠中の血糖値の変動に対して影響を与えているのかどうかを確認しました。この患者様のデータから鍼治療を受療した日の睡眠中の血糖値と、他の日の睡眠中の血糖値を1時間ごとに平均して比較した結果を図2に示します。

 

鍼治療を受療した日の睡眠中の血糖値は他の日と比べて低下していますが、下がり過ぎてはいません。また、睡眠中の血糖値は他の日と比べてばらつきが小さくなっている(グラフのマーカーから上下に伸びている線がばらつきを示す。ばらつきが小さいほど平均値付近に集まっている)ことがわかります。
つまり、鍼治療を受療した日の睡眠中の血糖値が、他の日と比べて高くもなく低くもなく安定して推移していることがわかります。

〇鍼治療が血糖コントロールを改善する
今回は1症例のみですので根拠としては弱いですが、鍼治療が睡眠中の血糖値に良い影響を与えている可能性があります。また、東洋医学研究所®・東洋医学研究所®グループでは鍼治療を継続すると血糖コントロールは良好になることを報告していますので、その裏付けの一つになるかと思います。
糖尿病で苦労されている方、血糖コントロールなどもう少し改善したい方、もちろん糖尿病以外でも苦労されている方、是非、東洋医学研究所®黒野保三所長の研究された生体の統合的制御機構の活性化を目的とした生体制御療法の鍼治療(鍼と超音波の併用治療)を受療され、皆様のより良い健康管理にお役立てください。

文献
1)Yoda K, Inaba M, Hamamoto K, Yoda M, Tsuda A, et al. (2015) Association between Poor Glycemic Control, Impaired Sleep Quality, and Increased Arterial Thickening in Type 2 Diabetic Patients. PLOS ONE 10(4): e0122521. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0122521

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