活動内容

2022年11月10日 木曜日

令和4年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和4年11月6日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

(公社)生体制御学会第6回Web講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)

9:00~10:30
基礎生理学3
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生

本日は体性感覚について御講義頂きました。
「体性感覚とは、視覚や聴覚といった特殊感覚と異なり、皮膚、筋肉、腱、関節、内臓の壁そのものに含まれる皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚のことです。体性感覚は視床で処理され、対側の大脳半球に送られる他、自律神経などにも影響を与えます。
受容器として、パチニ小体、マイスナー小体、メルケル小体、ルフィニ小体などがあります。触覚では、パチニ小体、マイスナー小体は素早く反応し、振動などによく反応する特徴があります。メルケル小体は、押している速度をよく捉え、ルフィニ小体は押している感覚を需要するという特徴があります。
識別感覚は複合感覚とも呼ばれ、単独の受容器に由来する感覚ではなく、複数の感覚情報が脳で統合された結果生じる感覚で、2点識別感覚、立体認知、皮膚書字感覚などがあります。」という内容の御講義を頂きました。



10:40~12:10
「情動が変容する疾患」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生

本日は薬に頼らない、うつ病などに対する新しい治療法について御講義頂きました。
「うつ病は1960年代から長い間、モノアミン仮説というものがあり、モノアミンという物質が不足することがうつ病の原因と考えられてきました。
しかし、当初からモノアミンだけでは説明できないものがあり、モノアミンは重要な物質であるが、原因はこれだけではないことも考えられていました。最近では「うつ病」ではなく、「うつ症候群」と言われるようになってきています。
fMRIでうつ病の方は脳の前頭葉の活性が低いことが判明しました。前頭葉のDLPFCという場所が特に重要で、そこに磁気刺激を与えることによりうつ病を治療する方法もあります。
また、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理療法)という 外傷的な出来事を考えながら眼球を左右に動かして治療する方法もあります。EMDRの眼球運動は睡眠のレム睡眠と同じような動きで、REM睡眠は記憶の整理、書き換えを行っています。EMDRは嫌な思い出を書き直している治療法と考えられています。」という内容の御講義を頂きました。

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2022年10月 7日 金曜日

お知らせ 令和4年度(公社)生体制御学会第2回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和4年10月2日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第2回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

(公社)生体制御学会第6回Web講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)

9:00~10:30
基礎生理学2
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生

今日は脳神経の基礎を主に御講義頂きました。
「第Ⅴ脳神経である三叉神経は一番太い神経であり、主に顔面の知覚を司っています。その中の下顎神経は、咬筋と側頭筋の動きを支配しています。
第Ⅵ脳神経は顔面神経になります。一言で言えば顔の表情筋を支配します。また、味覚、涙腺、唾液腺を支配しています。
顔面神経麻痺の症状として、額にしわがよらない、まぶたが閉じきれない、鼻にしわがよらない、口角をひっぱれないの4つの症状がでてきます。
 第Ⅸ脳神経は舌咽神経になります。舌咽神経の役割は嚥下反射(のみ込み)の支配、上咽頭の感覚を中枢に伝える、頸動脈からの血圧情報を中枢に伝える、舌後ろ3分の1の味覚感覚を中枢に伝えます。
第Ⅹ脳神経は迷走神経です。迷走神経の支配領域は広く、下咽頭から結腸の脾曲(左上腹部)までを支配し、また、内蔵の副交感神経を支配します。
第Ⅺ脳神経は副神経です。副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋、喉頭の筋肉を支配する運動神経になります。」と御講義頂きました。

10:40~12:10
「情動中枢と情動回路」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生

今日は感情について御講義頂きました。
「感情とは、快・不快や喜怒哀楽・愛憎などの多彩な心理反応のことです。脳科学的には①その当人しかわからない主観的な側面と、感情が中長期的にそれほど強くなく持続する状態(気分)と、②外部から観察可能な側面(情動)があります。
情動は生存に必須な基本的脳機能であり、情動が発生した結果、感情や気分といった認知活動が生じます。
情動は自分自身の生存にとって好ましいか好ましくないかを判断するためのメカニズムになります。好ましいことは、快の情動(嬉しさ、楽しさ、満足)を発生し、種の保存、個の保存にとって都合が良く、好ましくないことは、不快の情動(怒り、恐怖、悲しみ、不安)を発生し、種の保存、個の保存にとって都合が悪くなります。
種の保存や個の保存は生命の大原則であり、生物が生き残るために必要な原理になります。
では、情動はどこから生じるのでしょうか。
「悲しいから泣く」のでしょうか、「泣くから悲しい」のでしょうか。「悲しいから泣く説」は1927年にキャノンによって中枢起源説。「泣くから悲しい説」は1885年にジェームズによって情動の末梢起源説として提唱されています。この2つはどちらも矛盾するところがあり、心理学者のスタンレーとジェロームは情動二要因説といって、情動表出は①知覚された情報と、②自信を取り巻く状況についての情報や既存の知識という2つの要因によって生じることを提唱しています。」と御講義頂きました。

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2022年9月15日 木曜日

「黒野保三先生を偲ぶ会」盛大に開催 東洋医学研究所® 所長 橋本 髙史

令和3年9月27日に92歳で亡くなられた前所長の黒野保三先生の偲ぶ会が以下の日程で開催されました。

日時:令和4年8月28日(日)午前11時~午後3時
追悼講演:午前11時~午前11時40分
黒野保三先生を偲ぶ会:午後1時~午後3時
会場:名鉄グランドホテル11階「柏の間」

ご講演の前に大村秀章愛知県知事より「故黒野先生は、生涯を通じて鍼灸医学研究の発展にご尽力されました。生体制御学会の皆様におかれましては、先生の志を継いでいただき、保健医療の向上に貢献くださいますようご期待申し上げます」とのご挨拶を頂きました。黒野先生は、2017年に大村知事より愛知県知事表彰(生体制御学功労者表彰)を授与されております。


大村秀章 愛知県知事
 
黒野保三先生追悼講演では、古くから親交のあった明治国際医療大学学長の矢野忠先生から「黒野保三先生と鍼灸医学」と題してご講演頂きました。東洋医学と鍼灸医学について、黒野保三先生の理想・展望、社団法人全日本鍼灸学会設立についての経緯等、黒野保三先生との思い出についてお話頂きました。
 

矢野 忠 先生
 
その後、「黒野保三先生を偲ぶ会」が開催されました。(公社)生体制御学会での活動を通じてのご縁でありました、河村たかし名古屋市長にご挨拶を頂きました。「新型コロナウイルスに対しては西洋医学や薬だけではなく、体を温める事や鍼治療も効果があるのではないか?とお話しくださり、黒野先生が進めていた生体制御学を深めて頂けたら喜ばしいし、名古屋市としても応援したい」とのお言葉を頂きました。
また、古くから親交のあった元トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章一郎ご夫妻、トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章男様からお悔やみを頂きました。


河村たかし名古屋市長
 
その後、奥様やご家族の指名献花の後、出席者全員の献花が行われ、献杯へと移りました。
12名の来賓の先生方のご挨拶を頂きました。どの先生方も黒野先生との思い出話を聞かせてくださり、黒野先生のお人柄が偲ばれるものでした。
多くの先生方が集まられた中で、黒野先生は常々「学会・業団・学校の三本柱が大事だ」とお話しくださいました。愛知県で言うならば(公社)生体制御学会・(一社)愛知県鍼灸マッサージ師会・中和医療専門学校や学校法人専門学校名古屋鍼灸学校、名古屋医健スポーツ専門学校などの鍼灸学校にあたります。また、黒野先生は「臨床・研究・教育が大事である」とおっしゃられており、鍼治療の現場と基礎研究に基づいた鍼灸医学の基礎研究・臨床試験によって鍼灸診療を行ない多くの研究を積み重ねられ、明日の鍼灸界を担うに足る弟子の養成によって、多くの開業鍼灸師を輩出されました。このことは(公社)生体制御学会会長であり、今回の「黒野保三先生を偲ぶ会」発起人代表でもある皆川宗徳先生をはじめとした多くの弟子を育てられてことによって研究が積み重ねられたこと、発起人の多くが弟子による開催であること、今後の鍼灸界発展のために学会・業団・学校が一致団結することの重要性につながるものと考えます。今回の偲ぶ会にも各鍼灸学校の先生方や行団の先生方も出席されておられました。これまでの黒野先生の親交の深さを今更ながら感じました。



会場風景

最後に黒野先生の奥様からご挨拶がありました。「主人は常々『私は皆に良くしてもらい幸せ者だ』と話しており、主人は今も会場のどこかにいて「やはり私は幸せ者だ」と思っていることでしょう」最後に「主人に関わりのあった全ての方に感謝します」との心温まるご挨拶を頂きました。
 
私も発起人の一人として準備のお手伝いをさせて頂きました。発起人の先生方と一緒に仕事をしていく中で、一つの目標に対して同じ方向に向かっていく、一致団結できることの重要性を黒野先生から改めて教わった気がします。今回の偲ぶ会を通して非常に実りのある経験ができました。
黒野先生には感謝してもしきれません。これからも黒野先生の教えを胸に秘めて頑張ってまいります。


黒野保三先生のご家族と黒野保三先生を偲ぶ会発起人一同
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2022年7月 7日 木曜日

令和4年度(公社)生体制御学会第1回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和4年7月3日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第1回Web講習会講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

(公社)生体制御学会第4回Web講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)
9:00~10:30
基礎生理学1
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生

今日は脳神経について御講義頂きました。
「頭蓋骨の人類文化学では、頭蓋骨は死の象徴とされています。
 脳と脊髄から出る神経を末梢神経と言い、末梢神経には脳神経と脊髄神経があります。脳神経は12対、脊髄神経には、頸神経8対、胸神経12対、腰神経5対、仙骨神経5対、尾骨神経1対の計31対あります。
第Ⅰ脳神経は嗅神経で嗅覚を司ります。嗅覚は特に記憶と情動に関連します。人の安全や危険を察知することに重要な機能であり、焼ける匂い、敵の匂い、食物の匂い、腐敗臭などを嗅ぎ分けます。
第Ⅱ脳神経は視神経となり、人が感じる情報の90%を占めると言われています。近くを見るときは寄り眼になる動き(輻輳(ふくそう)、瞳孔が小さくなる、水晶体が厚くなるといった3つの調節が行われます。外眼筋の支配神経は、動眼神経がほとんどであり、その他に上斜筋が滑車神経、外直筋は外転神経の支配域になります。」と御講義頂きました。



10:40~12:10
「情動形成に関わる神経伝達物質と薬物」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生

今日は感情について御講義頂きました。
「生命の大原則とは生物が生き残るために必要な原理になります。ヒトとしての種の保存、個人としての個の保存があります。
感情、情動とは自分自身の生存にとって好ましいか、好ましくないかを判断するためのメカニズムになります。
好ましいという快の情動(嬉しさ、楽しさ、満足)が発生する現象は、種や個の保存にとって都合の良いことであり、好ましくないという不快の情動(怒り、恐怖、悲しみ)は、種や個の保存にとって都合が悪い現象になります。
情動形成に重要な主な神経伝達物質として、アミノ酸性(グルタミン酸、GABAなど)、アミン性(ドーパミン、ノルアドレナリンなど)、ペプチド性(エンケファリン、エンドルフィンなど)、脂質の成分であるアセチルコリンがあり、それぞれ、存在する量の多少、応答性の遅速などの性質の違いをもっており、適切な情動形成ができるように働いています。」と御講義頂きました。

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2022年3月10日 木曜日

(公社)生体制御学会第4回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました

令和4年3月6日(日)(公社)生体制御学会第3回Web講習会講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。

(公社)生体制御学会第4回Web講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)

9:00~10:30
薬による脳疾患の治療は難しい ―血液脳関門と脳標的化技術― 
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座       
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生

今日は脳と薬について御講義頂きました。
「薬は血液に乗って作用するため、大きな問題点が2つあります。薬が到達しない場所があることと、ほぼ全身に広がるため、いらない場所に作用して副作用になることです。
薬が到達しない場所の一つとして脳があり、今まで脳に関する薬は効きが悪いとされてきました。
なぜ脳に薬が到達しないかというと、他の体の場所と違い一般的な血液が流れないような構造になっています。これを血液脳関門といいます。
しかし、ミクログリアは脳に入ることができ、脳移行シグナル(脳への通行手形)をもっています。
そこを研究することで、ビオチンをくっつけると、脳内へ入れることがわかりました。これを応用すると、今まで脳まで到達しなかった薬を脳へ運ぶことが可能になり、脳に関する病気の薬が飛躍的に良く効く可能性があります。
まだ、効果とコストの問題で実用まで至っていませんが、この技術が薬に組み込めるようになると脳の病気を治療できる薬がどんどん出てくると思います。」と御講義頂きました。



 
10:40~12:10
基礎生理学4 「視床下部機能と自律神経について」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生

今日は脳からでる物質について御講義頂きました。
「睡眠に関係する物質として、GABA、プロスタグランジン、アデノシン、セロトニンがあります。逆に覚醒に関係する物質として、ドパミン、アセチルコリン、ヒスタミン、オレキシンなどがあります。
メラトニンは体内時計のリズムを作り出す物質として知られており、オレキシンは睡眠と覚醒のスイッチに関係する物質として知られています。
覚醒中に蓄積したアデノシンが睡眠を促し、カフェインはアデノシン受容体の拮抗なので覚醒を促します。
例えば、楽観主義と悲観主義がありますが、これは脳の側坐核と扁桃体が関係します。コップにまだ半分あると考える楽観主義の方は側坐核がよく働き、コップにもう半分しかないと考える悲観主義の方は扁桃体がよく働きます。
レプチンは満腹の時に出る物質で、グレリンは空腹のときに出る物質で、レプチンは単なるエネルギーの貯蔵庫とみなされ、肥満の天敵と考えられてきましたが、近年の研究により、レプチンは脳に作用して接触を抑制し、エネルギー消費を促進していることがわかってきています。
グレリンは空腹になると分泌されて脳に働きかけることで、食べたいという食欲を増進させます。」と御講義頂きました。

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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

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