活動内容
2023年3月 9日 木曜日
お知らせ 令和4年度(公社)生体制御学会第5回Web講習会に参加しました
令和5年3月5日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第5回Web講習会講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
9:00~10:30
基礎生理学5
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
今日は脳の機能について主に御講義頂きました。
「下脳の領域は1904年にブロードマンの脳地図が有名で、大脳皮質を52に分類しています。ホムンクルスという有名なものがあり、脳領域が大きいところほど部位を大きくしてあり、口と手が大きく、口と手が脳の大部分を使っていることがわかります。
頭頂葉、後頭葉、側頭葉はインプット、情報を処理する機能を主に司っています。前頭葉は、アウトプットであり、情報を発信する機能を主に司っているという特徴があります。
フィネアス・ゲージという人は、元々勤勉で真面目な性格でしたが、事故で前頭前野に障害をもってしまいました。障害により、意思決定や感情の調節ができなくなり、周りからは事故以前の誠実なゲージ氏とはまるで別人になってしまいました。前頭前野は人間を人間らしくする機能を司っていることがわかっています。」と御講義頂きました。
10:40~12:10
情動形成の新しい考え方―構成主義的情動理論―
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
今日は情動について御講義頂きました。
「情動とは、喜び、驚き、悲しみ、嫌悪、恐れ、怒りのことで、この6つが基本情動となります。
古典的情動理論を前回まで4回にわたってやってきました。古典的情動理論は基本的に3つの考え方があり、悲しいから泣くキャノンの中枢起源説、泣くから悲しいと感じるジェームズの情動の末梢起源説、スタンレーとジェロームの情動二要因説。情動二要因説は、知覚された情報と今までの生きてきた情報の2つをもって情動が動くという説です。
この3つの説だけでは説明のつかないことがあり、最近では新しい考え方である構成主義的情動理論が言われています。
構成主義とは「知るということは自分の中に意味を構成すること」であり、自分の意識と、過去の出来事、現実で起こっている現象の3つが関連しあって情動を起こします。」と御講義頂きました。
9:00~10:30
基礎生理学5
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
今日は脳の機能について主に御講義頂きました。
「下脳の領域は1904年にブロードマンの脳地図が有名で、大脳皮質を52に分類しています。ホムンクルスという有名なものがあり、脳領域が大きいところほど部位を大きくしてあり、口と手が大きく、口と手が脳の大部分を使っていることがわかります。
頭頂葉、後頭葉、側頭葉はインプット、情報を処理する機能を主に司っています。前頭葉は、アウトプットであり、情報を発信する機能を主に司っているという特徴があります。
フィネアス・ゲージという人は、元々勤勉で真面目な性格でしたが、事故で前頭前野に障害をもってしまいました。障害により、意思決定や感情の調節ができなくなり、周りからは事故以前の誠実なゲージ氏とはまるで別人になってしまいました。前頭前野は人間を人間らしくする機能を司っていることがわかっています。」と御講義頂きました。

10:40~12:10
情動形成の新しい考え方―構成主義的情動理論―
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
今日は情動について御講義頂きました。
「情動とは、喜び、驚き、悲しみ、嫌悪、恐れ、怒りのことで、この6つが基本情動となります。
古典的情動理論を前回まで4回にわたってやってきました。古典的情動理論は基本的に3つの考え方があり、悲しいから泣くキャノンの中枢起源説、泣くから悲しいと感じるジェームズの情動の末梢起源説、スタンレーとジェロームの情動二要因説。情動二要因説は、知覚された情報と今までの生きてきた情報の2つをもって情動が動くという説です。
この3つの説だけでは説明のつかないことがあり、最近では新しい考え方である構成主義的情動理論が言われています。
構成主義とは「知るということは自分の中に意味を構成すること」であり、自分の意識と、過去の出来事、現実で起こっている現象の3つが関連しあって情動を起こします。」と御講義頂きました。

投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL
2023年2月 9日 木曜日
令和4年度(公社)生体制御学会第4回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました
令和5年2月5日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第4回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
9:00~10:30
基礎生理学4
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
本日は主に下肢について御講義頂きました。
「下肢は大腿と下腿にわけられ、大腿は大腿四頭筋、大腿二頭筋、内転筋群、下腿は前脛骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋、長腓骨筋などの筋肉があります。
中殿筋は足を外に上げ、大殿筋は足を後ろに上げる、大腿四頭筋は足を伸ばす、ハムストリングスは足を曲げる、前脛骨筋はつま先を挙げる、下腿三頭筋はつま先を下げる作用があります。
大腿神経は、第2・3・4腰神経の腹側から分岐する神経であり、第4腰神経から分岐するものが最も大きく、第2腰神経から分岐するものが非常に小さいという特徴があります。
坐骨神経は多くの動物において同一個体中で最大の直径と長さをもつ末梢神経になります。ヒトの場合、腰仙骨神経叢からはじまり、総腓骨神経と脛骨神経に分かれて終わります。支配筋は半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋、大内転筋からなるハムストリングスになります。」と御講義頂きました。

基礎生理学4
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
本日は主に下肢について御講義頂きました。
「下肢は大腿と下腿にわけられ、大腿は大腿四頭筋、大腿二頭筋、内転筋群、下腿は前脛骨筋、腓腹筋、ヒラメ筋、長腓骨筋などの筋肉があります。
中殿筋は足を外に上げ、大殿筋は足を後ろに上げる、大腿四頭筋は足を伸ばす、ハムストリングスは足を曲げる、前脛骨筋はつま先を挙げる、下腿三頭筋はつま先を下げる作用があります。
大腿神経は、第2・3・4腰神経の腹側から分岐する神経であり、第4腰神経から分岐するものが最も大きく、第2腰神経から分岐するものが非常に小さいという特徴があります。
坐骨神経は多くの動物において同一個体中で最大の直径と長さをもつ末梢神経になります。ヒトの場合、腰仙骨神経叢からはじまり、総腓骨神経と脛骨神経に分かれて終わります。支配筋は半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋、大内転筋からなるハムストリングスになります。」と御講義頂きました。

10:40~12:10
「ストレスのメカニズムと対処法」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
本日は、ストレスと対処法について御講義頂きました。
「ストレス反応はその人の考え(主観)によって左右されます。例えばこんな実験があります。ジェットコースターが嫌いな人が乗ると心拍数が150以上に上がったりします。乗る前からどんどん心拍数が上がっていき、乗っている時に恐怖で心拍数がさらに上がります。逆にジェットコースターが好きな人が乗ると心拍数が上がるどころか、乗っている時では逆に下がってリラックス状態になります。
ストレスはイコール悪いものと考えられがちですが、良い面もたくさんあります。人間がストレスを感じるようになった歴史は深く、肉食獣などから身を守るためと言われています。恐怖に出会ったとき(トラや狼などにでくわす)、逃げるか、戦うかのどちらかを選択しますが、同時に体は怖い、戦おう、逃げようとすぐに動けるように臨戦態勢をとってくれています。ストレスにより一瞬で行動できるように体が反応し準備するのです。
ストレスは短期的にはこのように良い面がありますが、ストレスを長期に受けているとうつ病をはじめ、様々な病気を引き起こす原因と言われています。
ストレスはどうでもいいことにはストレスを感じない、自分にとって大切なことが脅かされたときに生じるという特徴があります。
不安を感じるとストレスを感じますが、興奮もストレスと似た生体反応になります。
ロープアスレチックが苦手な人に、スーパーマンのように胸をはり「私はワクワクしている」と自分の脳が勘違いしてくれるまで言葉を繰り返します。そうすると、恐怖感が少なくロープアスレチックができるようになります。
このように、ストレスは考え方次第でパワーになるのです。
ストレスをポジティブにとらえる3つのステップとして、
① ストレスを感じたら、まずそれを認識する。またどんな反応がでているのかに注意する。
② ストレス反応がおきたのは、自分にとって大切なものが脅かされているせいだと認識して、そのストレスを受け入れる。その大切なものとはなにかを考える。
③ ストレス反応を抑え込んだり、対処することをせず、利用する。」
と御講義頂きました。
「ストレスのメカニズムと対処法」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
本日は、ストレスと対処法について御講義頂きました。
「ストレス反応はその人の考え(主観)によって左右されます。例えばこんな実験があります。ジェットコースターが嫌いな人が乗ると心拍数が150以上に上がったりします。乗る前からどんどん心拍数が上がっていき、乗っている時に恐怖で心拍数がさらに上がります。逆にジェットコースターが好きな人が乗ると心拍数が上がるどころか、乗っている時では逆に下がってリラックス状態になります。
ストレスはイコール悪いものと考えられがちですが、良い面もたくさんあります。人間がストレスを感じるようになった歴史は深く、肉食獣などから身を守るためと言われています。恐怖に出会ったとき(トラや狼などにでくわす)、逃げるか、戦うかのどちらかを選択しますが、同時に体は怖い、戦おう、逃げようとすぐに動けるように臨戦態勢をとってくれています。ストレスにより一瞬で行動できるように体が反応し準備するのです。
ストレスは短期的にはこのように良い面がありますが、ストレスを長期に受けているとうつ病をはじめ、様々な病気を引き起こす原因と言われています。
ストレスはどうでもいいことにはストレスを感じない、自分にとって大切なことが脅かされたときに生じるという特徴があります。
不安を感じるとストレスを感じますが、興奮もストレスと似た生体反応になります。
ロープアスレチックが苦手な人に、スーパーマンのように胸をはり「私はワクワクしている」と自分の脳が勘違いしてくれるまで言葉を繰り返します。そうすると、恐怖感が少なくロープアスレチックができるようになります。
このように、ストレスは考え方次第でパワーになるのです。
ストレスをポジティブにとらえる3つのステップとして、
① ストレスを感じたら、まずそれを認識する。またどんな反応がでているのかに注意する。
② ストレス反応がおきたのは、自分にとって大切なものが脅かされているせいだと認識して、そのストレスを受け入れる。その大切なものとはなにかを考える。
③ ストレス反応を抑え込んだり、対処することをせず、利用する。」
と御講義頂きました。

投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL
2022年11月10日 木曜日
令和4年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました
令和4年11月6日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第3回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
9:00~10:30
基礎生理学3
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
本日は体性感覚について御講義頂きました。
「体性感覚とは、視覚や聴覚といった特殊感覚と異なり、皮膚、筋肉、腱、関節、内臓の壁そのものに含まれる皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚のことです。体性感覚は視床で処理され、対側の大脳半球に送られる他、自律神経などにも影響を与えます。
受容器として、パチニ小体、マイスナー小体、メルケル小体、ルフィニ小体などがあります。触覚では、パチニ小体、マイスナー小体は素早く反応し、振動などによく反応する特徴があります。メルケル小体は、押している速度をよく捉え、ルフィニ小体は押している感覚を需要するという特徴があります。
識別感覚は複合感覚とも呼ばれ、単独の受容器に由来する感覚ではなく、複数の感覚情報が脳で統合された結果生じる感覚で、2点識別感覚、立体認知、皮膚書字感覚などがあります。」という内容の御講義を頂きました。
10:40~12:10
「情動が変容する疾患」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
本日は薬に頼らない、うつ病などに対する新しい治療法について御講義頂きました。
「うつ病は1960年代から長い間、モノアミン仮説というものがあり、モノアミンという物質が不足することがうつ病の原因と考えられてきました。
しかし、当初からモノアミンだけでは説明できないものがあり、モノアミンは重要な物質であるが、原因はこれだけではないことも考えられていました。最近では「うつ病」ではなく、「うつ症候群」と言われるようになってきています。
fMRIでうつ病の方は脳の前頭葉の活性が低いことが判明しました。前頭葉のDLPFCという場所が特に重要で、そこに磁気刺激を与えることによりうつ病を治療する方法もあります。
また、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理療法)という 外傷的な出来事を考えながら眼球を左右に動かして治療する方法もあります。EMDRの眼球運動は睡眠のレム睡眠と同じような動きで、REM睡眠は記憶の整理、書き換えを行っています。EMDRは嫌な思い出を書き直している治療法と考えられています。」という内容の御講義を頂きました。
(公社)生体制御学会第6回Web講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)
9:00~10:30
基礎生理学3
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
本日は体性感覚について御講義頂きました。
「体性感覚とは、視覚や聴覚といった特殊感覚と異なり、皮膚、筋肉、腱、関節、内臓の壁そのものに含まれる皮膚感覚、深部感覚、内臓感覚のことです。体性感覚は視床で処理され、対側の大脳半球に送られる他、自律神経などにも影響を与えます。
受容器として、パチニ小体、マイスナー小体、メルケル小体、ルフィニ小体などがあります。触覚では、パチニ小体、マイスナー小体は素早く反応し、振動などによく反応する特徴があります。メルケル小体は、押している速度をよく捉え、ルフィニ小体は押している感覚を需要するという特徴があります。
識別感覚は複合感覚とも呼ばれ、単独の受容器に由来する感覚ではなく、複数の感覚情報が脳で統合された結果生じる感覚で、2点識別感覚、立体認知、皮膚書字感覚などがあります。」という内容の御講義を頂きました。

10:40~12:10
「情動が変容する疾患」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
本日は薬に頼らない、うつ病などに対する新しい治療法について御講義頂きました。
「うつ病は1960年代から長い間、モノアミン仮説というものがあり、モノアミンという物質が不足することがうつ病の原因と考えられてきました。
しかし、当初からモノアミンだけでは説明できないものがあり、モノアミンは重要な物質であるが、原因はこれだけではないことも考えられていました。最近では「うつ病」ではなく、「うつ症候群」と言われるようになってきています。
fMRIでうつ病の方は脳の前頭葉の活性が低いことが判明しました。前頭葉のDLPFCという場所が特に重要で、そこに磁気刺激を与えることによりうつ病を治療する方法もあります。
また、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理療法)という 外傷的な出来事を考えながら眼球を左右に動かして治療する方法もあります。EMDRの眼球運動は睡眠のレム睡眠と同じような動きで、REM睡眠は記憶の整理、書き換えを行っています。EMDRは嫌な思い出を書き直している治療法と考えられています。」という内容の御講義を頂きました。

投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL
2022年10月 7日 金曜日
お知らせ 令和4年度(公社)生体制御学会第2回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました
令和4年10月2日(日)に令和4年度(公社)生体制御学会第2回Web講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加しました。
9:00~10:30
基礎生理学2
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
今日は脳神経の基礎を主に御講義頂きました。
「第Ⅴ脳神経である三叉神経は一番太い神経であり、主に顔面の知覚を司っています。その中の下顎神経は、咬筋と側頭筋の動きを支配しています。
第Ⅵ脳神経は顔面神経になります。一言で言えば顔の表情筋を支配します。また、味覚、涙腺、唾液腺を支配しています。
顔面神経麻痺の症状として、額にしわがよらない、まぶたが閉じきれない、鼻にしわがよらない、口角をひっぱれないの4つの症状がでてきます。
第Ⅸ脳神経は舌咽神経になります。舌咽神経の役割は嚥下反射(のみ込み)の支配、上咽頭の感覚を中枢に伝える、頸動脈からの血圧情報を中枢に伝える、舌後ろ3分の1の味覚感覚を中枢に伝えます。
第Ⅹ脳神経は迷走神経です。迷走神経の支配領域は広く、下咽頭から結腸の脾曲(左上腹部)までを支配し、また、内蔵の副交感神経を支配します。
第Ⅺ脳神経は副神経です。副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋、喉頭の筋肉を支配する運動神経になります。」と御講義頂きました。
10:40~12:10
「情動中枢と情動回路」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
今日は感情について御講義頂きました。
「感情とは、快・不快や喜怒哀楽・愛憎などの多彩な心理反応のことです。脳科学的には①その当人しかわからない主観的な側面と、感情が中長期的にそれほど強くなく持続する状態(気分)と、②外部から観察可能な側面(情動)があります。
情動は生存に必須な基本的脳機能であり、情動が発生した結果、感情や気分といった認知活動が生じます。
情動は自分自身の生存にとって好ましいか好ましくないかを判断するためのメカニズムになります。好ましいことは、快の情動(嬉しさ、楽しさ、満足)を発生し、種の保存、個の保存にとって都合が良く、好ましくないことは、不快の情動(怒り、恐怖、悲しみ、不安)を発生し、種の保存、個の保存にとって都合が悪くなります。
種の保存や個の保存は生命の大原則であり、生物が生き残るために必要な原理になります。
では、情動はどこから生じるのでしょうか。
「悲しいから泣く」のでしょうか、「泣くから悲しい」のでしょうか。「悲しいから泣く説」は1927年にキャノンによって中枢起源説。「泣くから悲しい説」は1885年にジェームズによって情動の末梢起源説として提唱されています。この2つはどちらも矛盾するところがあり、心理学者のスタンレーとジェロームは情動二要因説といって、情動表出は①知覚された情報と、②自信を取り巻く状況についての情報や既存の知識という2つの要因によって生じることを提唱しています。」と御講義頂きました。
(公社)生体制御学会第6回Web講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)
(愛知県鍼灸生涯研修会)
(Zoomによるオンライン配信)
9:00~10:30
基礎生理学2
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
愛知医科大学客員教授(神経内科)
岩瀬 敏 先生
今日は脳神経の基礎を主に御講義頂きました。
「第Ⅴ脳神経である三叉神経は一番太い神経であり、主に顔面の知覚を司っています。その中の下顎神経は、咬筋と側頭筋の動きを支配しています。
第Ⅵ脳神経は顔面神経になります。一言で言えば顔の表情筋を支配します。また、味覚、涙腺、唾液腺を支配しています。
顔面神経麻痺の症状として、額にしわがよらない、まぶたが閉じきれない、鼻にしわがよらない、口角をひっぱれないの4つの症状がでてきます。
第Ⅸ脳神経は舌咽神経になります。舌咽神経の役割は嚥下反射(のみ込み)の支配、上咽頭の感覚を中枢に伝える、頸動脈からの血圧情報を中枢に伝える、舌後ろ3分の1の味覚感覚を中枢に伝えます。
第Ⅹ脳神経は迷走神経です。迷走神経の支配領域は広く、下咽頭から結腸の脾曲(左上腹部)までを支配し、また、内蔵の副交感神経を支配します。
第Ⅺ脳神経は副神経です。副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋、喉頭の筋肉を支配する運動神経になります。」と御講義頂きました。
10:40~12:10
「情動中枢と情動回路」
(公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
名古屋大学環境医学研究所生体適応・防御研究部門脳機能分野教授
澤田 誠 先生
今日は感情について御講義頂きました。
「感情とは、快・不快や喜怒哀楽・愛憎などの多彩な心理反応のことです。脳科学的には①その当人しかわからない主観的な側面と、感情が中長期的にそれほど強くなく持続する状態(気分)と、②外部から観察可能な側面(情動)があります。
情動は生存に必須な基本的脳機能であり、情動が発生した結果、感情や気分といった認知活動が生じます。
情動は自分自身の生存にとって好ましいか好ましくないかを判断するためのメカニズムになります。好ましいことは、快の情動(嬉しさ、楽しさ、満足)を発生し、種の保存、個の保存にとって都合が良く、好ましくないことは、不快の情動(怒り、恐怖、悲しみ、不安)を発生し、種の保存、個の保存にとって都合が悪くなります。
種の保存や個の保存は生命の大原則であり、生物が生き残るために必要な原理になります。
では、情動はどこから生じるのでしょうか。
「悲しいから泣く」のでしょうか、「泣くから悲しい」のでしょうか。「悲しいから泣く説」は1927年にキャノンによって中枢起源説。「泣くから悲しい説」は1885年にジェームズによって情動の末梢起源説として提唱されています。この2つはどちらも矛盾するところがあり、心理学者のスタンレーとジェロームは情動二要因説といって、情動表出は①知覚された情報と、②自信を取り巻く状況についての情報や既存の知識という2つの要因によって生じることを提唱しています。」と御講義頂きました。

投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL
2022年9月15日 木曜日
「黒野保三先生を偲ぶ会」盛大に開催 東洋医学研究所® 所長 橋本 髙史
令和3年9月27日に92歳で亡くなられた前所長の黒野保三先生の偲ぶ会が以下の日程で開催されました。
日時:令和4年8月28日(日)午前11時~午後3時
追悼講演:午前11時~午前11時40分
黒野保三先生を偲ぶ会:午後1時~午後3時
会場:名鉄グランドホテル11階「柏の間」
ご講演の前に大村秀章愛知県知事より「故黒野先生は、生涯を通じて鍼灸医学研究の発展にご尽力されました。生体制御学会の皆様におかれましては、先生の志を継いでいただき、保健医療の向上に貢献くださいますようご期待申し上げます」とのご挨拶を頂きました。黒野先生は、2017年に大村知事より愛知県知事表彰(生体制御学功労者表彰)を授与されております。

大村秀章 愛知県知事

矢野 忠 先生
また、古くから親交のあった元トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章一郎ご夫妻、トヨタ自動車代表取締役社長の豊田章男様からお悔やみを頂きました。

河村たかし名古屋市長
12名の来賓の先生方のご挨拶を頂きました。どの先生方も黒野先生との思い出話を聞かせてくださり、黒野先生のお人柄が偲ばれるものでした。
多くの先生方が集まられた中で、黒野先生は常々「学会・業団・学校の三本柱が大事だ」とお話しくださいました。愛知県で言うならば(公社)生体制御学会・(一社)愛知県鍼灸マッサージ師会・中和医療専門学校や学校法人専門学校名古屋鍼灸学校、名古屋医健スポーツ専門学校などの鍼灸学校にあたります。また、黒野先生は「臨床・研究・教育が大事である」とおっしゃられており、鍼治療の現場と基礎研究に基づいた鍼灸医学の基礎研究・臨床試験によって鍼灸診療を行ない多くの研究を積み重ねられ、明日の鍼灸界を担うに足る弟子の養成によって、多くの開業鍼灸師を輩出されました。このことは(公社)生体制御学会会長であり、今回の「黒野保三先生を偲ぶ会」発起人代表でもある皆川宗徳先生をはじめとした多くの弟子を育てられてことによって研究が積み重ねられたこと、発起人の多くが弟子による開催であること、今後の鍼灸界発展のために学会・業団・学校が一致団結することの重要性につながるものと考えます。今回の偲ぶ会にも各鍼灸学校の先生方や行団の先生方も出席されておられました。これまでの黒野先生の親交の深さを今更ながら感じました。

会場風景
最後に黒野先生の奥様からご挨拶がありました。「主人は常々『私は皆に良くしてもらい幸せ者だ』と話しており、主人は今も会場のどこかにいて「やはり私は幸せ者だ」と思っていることでしょう」最後に「主人に関わりのあった全ての方に感謝します」との心温まるご挨拶を頂きました。
私も発起人の一人として準備のお手伝いをさせて頂きました。発起人の先生方と一緒に仕事をしていく中で、一つの目標に対して同じ方向に向かっていく、一致団結できることの重要性を黒野先生から改めて教わった気がします。今回の偲ぶ会を通して非常に実りのある経験ができました。
黒野先生には感謝してもしきれません。これからも黒野先生の教えを胸に秘めて頑張ってまいります。
黒野先生には感謝してもしきれません。これからも黒野先生の教えを胸に秘めて頑張ってまいります。

黒野保三先生のご家族と黒野保三先生を偲ぶ会発起人一同
投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL