活動内容

2019年2月 7日 木曜日

(公社)生体制御学会第293回定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加してきました

平成31年2月3日(日)(公社)生体制御学会第293回定例講習会(愛知県鍼灸生涯研修会)に参加してきました。

(公社)生体制御学会第293回定例講習会
(愛知県鍼灸生涯研修会)

 
9:30~10:20
糖尿病の基礎と臨床  (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座
社会医療法人八千代病院 内分泌代謝内科部長
藤井 徹 先生 

今日は糖尿病の基礎について御講義頂きました。
「年々、平均寿命は伸びてきています。しかし、健康寿命はあまりのびていません。健康寿命を伸ばす大きな要因として、動脈硬化を予防することがあります。動脈硬化の一番大きな危険因子は高コレステロール、いわゆる悪玉コレステロールで、次いで血圧、肥満、少し関与するものに尿酸があります。これらの背景にはインシュリン抵抗性など、血糖と大きく関与しています。日本糖尿病学会では、30年後には糖尿病を半分以下にすることを目標としています。
糖尿病の3大合併症に神経症、腎症、網膜症があります。これらが発症しないように高血糖を下げる必要がありますが、逆に下げすぎてしまうと低血糖になってしまうので気をつけなければいけません。糖尿病治療の目標は、高血糖に起因する代謝異常を改善することに加え、糖尿病に特徴的な合併症、および糖尿病に併発しやすい合併症などの増悪を防ぎ、健康人と変わらない生活の質(QOL)を保ち、健康人と変わらない寿命を全うすることにあります。「よく生きる」ためには、1.きちんと食べよう:美味しく楽しく食べる、必要なエネルギ-量は必ず確保する、偏らない、食べ過ぎないこと、2.よく身体を動かそう:1時間に1度は必ず立ち上がる、1日に2度は屋外に出て新鮮な空気を吸うことが大切となります。」と御講義頂きました。


10:30~12:00
基礎生理学 (公社)全日本鍼灸学会認定指定研修C講座 
愛知医科大学医学部生理学講座教授
岩瀬 敏 先生

今日も前回に引き続き、脳神経の基礎について御講義頂きました。

「第Ⅸ脳神経は舌咽神経になります。舌咽神経の役割には嚥下反射(のみ込み)の支配、上咽頭の感覚を中枢に伝える、頸動脈からの血圧情報を中枢に伝える、舌後ろ3分の1の味覚感覚を中枢に伝えることがあります。誤嚥性肺炎を防ぐ3つの要点は、早食いをしない、すすらない、咀嚼と嚥下を分離することです。すするという行為は非常に危険です。肺に空気を吸い込みながら、食道に食べ物を入れることになるので、誤嚥性肺炎になりやすくなります。咀嚼と嚥下を分離することはすなわち、良く噛んで、噛む行為が終わってから飲み込むことで誤嚥性肺炎を予防することができます。
第Ⅹ脳神経は迷走神経です。迷走神経の支配領域は広く、下咽頭から結腸の脾曲(左上腹部)までを支配し、また、内臓の副交感神経を支配します。
第Ⅺ脳神経は副神経です。副神経は胸鎖乳突筋と僧帽筋、喉頭の筋肉を支配する運動神経になります。
第Ⅻ脳神経は舌下神経です。舌下神経は舌の運動、特にあっかんべーをするときに舌を動かす神経になります。舌下神経麻痺になると、あっかんべーをすると麻痺側に舌が寄り、このことが重要になります。」と御講義頂きました。

13:00~13:50  
生活習慣病の基礎・臨床、診断と治療 
(公社)生体制御学会研究部生活習慣病斑班長
(公社)生体制御学会理事
山田 篤 先生

今回は「糖尿病について8」と題して御講義頂きました。
前回までの復習で、糖尿病治療の目標について、特に日常生活(QOL)の維持と健康な人と変わらない寿命の確保についてや、運動療法の目的や効果、運動の強度(有酸素運動やレジスタンス運動について)お話された後、薬物について詳しい御説明がありました。また、食事療法による治療が必要な時についてや、
飲み薬の種類(SGLT2阻害薬、DPP-4阻害薬、速効型インスリン分泌促進薬、スルホニル尿素薬など)や特徴、作用について、正しい服用と治療を続けるためにはどうすればよいかを、スライドを用いて詳細に御講義頂きました。



14:00~14:50 生活習慣病に対する症例報告及び症例検討
「糖尿病に対する鍼治療の検討」
(公社)生体制御学会研究部生活習慣病班班長
山田  篤 先生

今回は「糖尿病に対する鍼治療の一症例について」と題して、糖尿病についての復習をしながら HbA1cは6%台と問題はないものの易疲労感、根気がないと訴え、転倒し骨折したことにより体重増加も気になっていた症例に対し鍼治療を施したところ、血糖降下剤の量を減らしてもHbA1cは安定しており、体のだるさや疲れやすさといった自覚症状が改善された症例についてスライドを用いて詳細な報告がありました。



15:10~16:00 鍼灸学校学生向け企画 スポーツ傷害に対する鍼治療
「スポーツ傷害治療に必要な鍼先感覚part2」
早川治療院 院長
早川 和浩 先生

 今回はスポーツ鍼の基本についてご講義頂きました。
「私の経験上の話になりますが、スポーツ時の怪我での鍼治療の際、怪我の直後に痛む部位を刺します。その際には腱や筋肉、靭帯や骨などの部位に鍼先を当てます。そうすることによって治りが早くなり、競技復帰への回復も早くなります。 
私の治療としては、皮膚から5ミリほど刺し、筋膜に刺し表面の緊張をほぐします。そして損傷部位まで鍼を刺し、その後損傷部の周辺まで治療します。血管を拡張させ損傷部位の血流を改善させることを目的に治療しています。
また、スポーツ鍼の適応症例として、筋肉痛や肉離れ、打撲、捻挫や靭帯損傷、炎症があります。筋肉痛を挙げていますが、肉離れにつながることもあり、未然に防げると考えていますので適応症例に入れてみました。」と経験談から御講義頂き、その後、早川先生の実技を交えながら教えて頂きました。


16:10~17:00 
名古屋市立大学睡眠医療センター認定 睡眠育成士認定講座(4)
「睡眠の基礎と臨床」      
名古屋市立大学睡眠医療センター・臨床検査技師
安東カヨコ  バールドワジ先生

今回は、主に厚生労働省健康局作成による「健康づくりのための睡眠指針2014」についてご講義頂きました。
「健康づくりのための睡眠指針2014には以下の12箇条があります。

1.良い睡眠で、からだもこころも健康に。
2.適度な運動、しっかり朝食、ねむりとめざめのメリハリを。
3.良い睡眠は、生活習慣病予防につながります。
4.睡眠による休養感は、こころの健康に重要です。
5.年齢や季節に応じて、昼間の眠気に困らない程度の睡眠を。
6.良い睡眠のためには、環境づくりも重要です。
7.若年世代は夜更かしを避けて、体内時計のリズムを保つ。
8.勤労世代の疲労回復・能率アップに、毎日十分な睡眠を。
9.熟年世代は朝晩メリハリ、ひるまに適度な運動で良い睡眠。
10.眠くなってから寝床に入り、起きる時刻は遅らせない。
11.いつもと違う睡眠には、要注意。
12.眠れない、その苦しみをかかえずに、専門家に相談を。
     
適度な運動や寝室環境、規則正しい食生活や就寝前の水分の摂り方など、睡眠を深くとるためには有酸素運動が有効であること、就寝時の音の対策や遮光カーテンの使用、空腹過ぎない様にすることや夜中のお手洗いに行く回数のことも考えて水分摂取をしすぎないことも重要です。また、飲酒は一時的には寝つきは良くなりますが、徐々に効果が弱まり、夜中に目が覚めやすくなりますし、深い睡眠も減ってしまいます。考え事なども翌日にします。
睡眠時間が取れない理由として若年層は寝床にiPadやスマホを持ち込むことが挙げられます。中高年層になりますと、社会的ストレスを抱え睡眠リズムが狂う方が増えます。また、寝酒の習慣性や運動不足が挙げられます。高齢者になると入眠障害や中途覚醒、早朝覚醒が多くなります。
対策としては、眠れない苦しみを抱えずに専門家に相談することです。眠れないことが『体や心の病』につながることも考えられます。一人で悩まずに医師に相談することも大切です。また、早い時間(夜7時から10時まで)は入眠禁止ゾーンと言い、この時間に眠ると早い時間に目が覚めてしまいます。ですので、10時以降の睡眠のほうが眠りやすいと思います。睡眠は自分でコントロールすることも大切です」と御講義頂きました。



このマークのついている先生は東洋医学研究所®グループに所属しています。
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL