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コラム

2011年2月 1日 火曜日

健康維持 東洋医学研究所®グループ弥富鍼灸院 院長 服部 輝男

平成23年2月1日号


 いよいよ本格的な寒さが襲来するシーズンとなりましたが、健康管理は万全でしょうか。

 寒い季節に症状が悪化すると言われる神経痛(肋間神経痛、坐骨神経痛など)やリウマチ等のように痛みを伴う疾患と脳卒中や心筋梗塞のように直接生命に関わるような疾患の増えることが考えられます。
 今回はこれらの疾患の中で直接生命に関わるような重篤な疾患である脳卒中について考えてみたいと思います。

 直接生命に関わる重篤な疾患である脳卒中について、富山大学付属病院神経内科教授田中耕太郎先生1)は、「日本人の脳卒中死亡率は、1970年代を境に急激に低下し、現在は悪性腫瘍、心疾患に続いて3番目になっています。しかし、疾患が社会に与える影響は死亡率だけでは測れず、重要な点は、脳卒中による後遺症を抱えた患者さんが非常に多いことです。実際に有病率でみると、脳卒中は依然として悪性腫瘍よりも高く、第1位を占めています。つまり、脳卒中の急性期の治療が進歩することで死亡率は低下したものの、一方で、後遺症によって介護を必要とする方、あるいは長期入院や外来通院をしている方が非常に多く、これが大きな社会問題になっているのです。」と報告されています。
 従いまして、脳卒中や心筋梗塞に罹患しないようにする、つまり予防することが最善の方法ではないかと考えられます。

 では、どうすればよいのでしょうか?
 自分自身でできる最も基本で、簡便に行うことができ、大きな効果の期待ができる検査が血圧測定であると思います。脳卒中や心筋梗塞は、長期にわたる高血圧が大きな要因の一つとなり、血管障害を促進させ、ついに脳卒中や心筋梗塞に至ると考えられています。
 そこで、毎日血圧測定を行い、至適血圧に保つことで危険因子を取り除き、健康な生活を営むことが重要であると思われます(平成18年7月1日号「血圧測定の重要性」参照)。

引用文献
1) https://medical.nikkeibp.co.jp/leaf/mem/pub/special/att/hcp/rensai/
   201012/517528.html
参考文献
1)一目でわかる血管障害:上原譽志夫、斉藤郁男、久代登志男、中村文隆
  著.1995.メディカル・サイエンス・インターナショナル.
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2011年2月 1日 火曜日

知って防ごう動脈硬化-あなたは大丈夫?大動脈瘤- 東洋医学研究所®グループ伸誠鍼灸院 院長 加納 俊弘

平成23年3月1日号


 先日某TV局において大動脈瘤についての放送がありました。
 その内容によると大動脈瘤を知らずにもつ人が推定16万人~26万人いること、大動脈瘤が破裂すると3人に2人は死亡する恐ろしい病気であること、一度動脈瘤ができると元に戻ることはなく、毎年3~4mmずつ巨大化し腹部で5cm以上胸部で6cm以上で破裂の危険が高まることなどが放送されていました。
 大動脈瘤のリスクファクターは高血圧・糖尿病・喫煙など動脈硬化を進展させるものが主な原因ですが、男性、閉経後の女性(女性ホルモンによる血管保護作用が弱くなる)が注意する必要があるようです。
 また動脈瘤を発症した人の中に血圧が107/70mmHgとまったく正常血圧の方がいたことには驚かされました。

大動脈瘤の発症する病理は
 血管内膜から血管中膜に侵入したコレステロールなどの異物をマクロファージが捕食してくれますが食べ過ぎたマクロファージは血管内に戻れずそれが溜まって血管内腔を狭くしていくのが普通の動脈におこる動脈硬化(図1:粥状動脈硬化)であるのに対し、大動脈においては東北大学医工学研究科佐藤正明教授の研究によると血管壁に侵入したコレステロールなどの異物をマクロファージが捕食するところまでは普通の動脈と同じですが、大動脈は弾性線維が発達し伸縮しておりその刺激によりマクロファージが周りの組織を攻撃し炎症を起こしてしまいます。炎症を起こした組織内は酸素不足となり、その結果マクロファージはMMT(マトリックスメタルプロテアーゼ) という酵素を放出します。
図1:粥状(アテローム)動脈硬化

 この酵素は大動脈の弾力性を保持するのに重要な弾性線維を破壊して血管壁を薄くしてしまい血管内圧によって動脈瘤ができてしまうことが解ってきました(図2)。

 
①                                      ②
③                                      ④
図2
 
 大動脈瘤が発症してしまった場合の治療は患部を人工血管に置き換える手術と、ステントグラフトと呼ばれる一種の人工血管を、患部の血管の中に挿入する手術があります。
 大動脈瘤のうち3/4が腹部にできる腹部大動脈瘤で腹部超音波検査で発見でき、1/4が胸部にできる胸部大動脈瘤であり、レントゲンにて発見することができます。
  デンマークの研究では、これらの検査によって緊急手術は1/4、発症による死亡は1/3に激減することが報告されています。
 また以前ご紹介した中心血圧 (大動脈の血圧・central aortic blood pressure:平成21年9月1月号コラム参照)が大動脈瘤を発症・進行させる大きなリスクファクターであることも紹介されています。
 先にご紹介した血圧が正常血圧であっても動脈瘤が発症してしまった方は動脈硬化の進展とともに中心血圧が高血圧であったことが推察されます。

 中心血圧を計測する機器は普及しておらず今のところ上腕血圧測定で


最高血圧-最低血圧 = 60mmHg以上
が注意する必要がある値のようです。

 この中心血圧の上昇は体のスムーズな血流を阻害し、脳血管・心血管・腎臓などにダメージを与えることが報告され、認知症や心不全、腎臓機能の劣化など様々な障害を引き起こすことが循環器の臨床研究により解明されてきました。
 今後は従来の上腕血圧の管理とともに中心血圧に着目した予防・治療が重要です。

参考資料
・日経メディカルオンライン:British Medical Journal誌電子版2005年3月9日
・AIの基礎と臨床:メディカルビュー社
・NHK「ためしてガッテン」
  http://cgi4.nhk.or.jp/gatten/archive/program.cgi?p_id=P20101215
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