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コラム

2018年12月20日 木曜日

平成30年のコラム

東洋医学研究所®コラムバックナンバー

平成30年1月号
チュージング・ワイズリー「賢明な選択」 東洋医学研究所® 所長 黒野保三

2月号
笑門来福10 東洋医学研究所®グループ みずの鍼灸療院 院長 水野 高広

3月号
糖の種類によって吸収時間は違う 東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸院 院長 山田 篤

4月号
ステロイド外用が誘発するかゆみ 東洋医学研究所®外部主任 中村 覚

5月号
「からだが硬い」を改善しよう 東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸療院  院長 河瀬 美之

6月号
睡眠の質を高め認知症を予防しよう 東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸療院 院長 皆川宗徳

7月号
関連痛について -脳は「内臓の痛み」を「皮膚・筋肉の痛み」と勘違いする-  東洋医学研究所®グループ 二葉はり治療院 院長 甲田久士

8月号
上半身肥満(内臓肥満)が引き起こす心疾患とその予防 東洋医学研究所®グループ 伸誠鍼灸院 院長 加納 俊弘

9月号
デトックスと免疫力 東洋医学研究所®グループ 海沼鍼灸院 院長 海沼 英祐

10月号
運動による疲労(1)ー乳酸に関することー 東洋医学研究所®グループ 二葉鍼灸療院 院長 田中 良和

11月号
40代から始める認知症予防 東洋医学研究所®グループ いちえ鍼療院 院長 内藤 真次

12月号
アレルギーマーチについて   東洋医学研究所® グループ 主任 橋本 高史
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2018年12月 1日 土曜日

アレルギーマーチについて 東洋医学研究所® 主任 橋本 高史 平成30年12月1日号

はじめに
近年ますます増加傾向にあるアレルギー疾患は、幼少期においても例外でなく、低年齢児にも及んでいます。最も低年齢で起こりやすいとされる食物アレルギーやアトピー性皮膚炎、その後に起こる上気道のアレルギー疾患であるアレルギー性鼻炎や下気道のアレルギー疾患である気管支喘息へと年齢を重ねるにつれ標的器官を変えて、もしくは合併して起こります。
今回は、アトピー素因を持って生まれた子供が成長と共に臓器・病態を変えながら様々なアレルギー疾患を発症していく「アレルギーマーチ」についてお話させて頂きます。

アレルギーマーチ
アレルギーマーチとはアトピー素因のある小児にアレルギー疾患が次から次へと発症してしまい、年齢とともに、症状が変化していくことを言います。
実際には、親から遺伝によってアレルギーになりやすい体質を受け継いだ子どもが、食物アレルギーから発症し、アトピー性皮膚炎や湿疹→気管支喘息→アレルギー性鼻炎や結膜炎と、乳児期から学童期へと年齢とともに疾患が変化していく様子を行進(マーチ)に例えて呼んだものです(図)。
最近ではアレルギー疾患発症の低年齢化とアレルギーマーチとしての疾患発症順序が変化してきているとの報告も見られますが、アレルギーマーチが提唱され始めた時代からは少々変わってきているようです。また、アトピー性皮膚炎や小児喘息寛解後の成人での再燃の増加、アレルギー性鼻炎の発症の低年齢化などもみられ、アレルギー性鼻炎についてみれば、様式図では発症は10歳前後になっているものの、最近は喘息の発症に先行することも少なくない状況です。


   
図 アレルギーマーチの模式図

アレルギーマーチの原因
アレルギー疾患は、遺伝因子と環境因子が複雑にからみあい発症していくものです。
遺伝因子には親御さんがアレルギー体質であることと、子供の成長による要因があります。生まれたばかりの子供は、免疫系や臓器が未発達であり、成長に応じて影響を受けるアレルゲンも変化していきます。そのため、アレルギーの症状も次々変化していくのです。
また、環境因子は外部からの影響のことを指し、食物やハウスダストなどのアレルゲンへの接触、大気汚染、ウイルス感染などがあります。成長すると子供の行動範囲が広がること、食事内容が変化することによって、接触するアレルゲンも多くなります。

アレルギーマーチの対策
遺伝的に発症リスクの高い小児は、アレルギー疾患の予防のために、ダニ・ほこりなどのアレルゲンを除去するための環境整備や、手洗い・うがいといったセルフケア、基礎体力をつけるべく運動を心がけて下さい。また健康的な食生活を心がけること、しっかりと睡眠をとることも重要です。
しかし、アレルギー疾患の発症にはさまざまな要因があり、生活の中からそのすべてをとり除くことは非常に困難です。またアレルギー疾患の発症には小児自身の要因も関係していることから、アレルゲンの除去は必ずしも発症予防につながるわけではありません。アレルギー疾患の発症にできるだけ早く気づくことと、適切な治療と管理により症状をコントロールしていくことが重要です。
また一方では、心身が大きく変化することで、成長によってアレルギー疾患が自然寛解することもあります。

アレルギー疾患と小児に対する鍼治療
東洋医学研究所Ⓡでは、小児のアレルギー疾患に対する鍼治療の有効性を検討しました。
昭和56年5月~平成15年10月の22年間に東洋医学研究所Ⓡ・東洋医学研究所Ⓡグループに来院し小児鍼を受けた8歳以下の患者のうち、アレルギー症状のあった38例を対象としました。追跡調査の結果、アトピー性皮膚炎や小児喘息、アレルギー性鼻炎などの症状の改善(改善率86.8%)が認められました。このことから小児鍼はアレルギー疾患の愁訴に有効な治療法であることが明らかになりました。
アレルギー症状が次々と発症してしまうアレルギーマーチにおいて、その流れを食い止めることができれば発症予防や進展阻止につながるのではないかと考えます。

おわりに
今回はアレルギーマーチについてお話させて頂きました。次回はアレルギーマーチの起点である食物アレルギーについて掘り下げてお話していきたいと思います。
子供さんには、体力をつけるために、散歩など体を動かすことや手洗い・うがいなどのセルフケア、そしてアレルギーのある子供さんには「小児鍼」での治療によってアレルギーマーチを断ち切ることや予防が大切であると考えます。
東洋医学研究所Ⓡおよび東洋医学研究所Ⓡグループの生体制御療法の鍼治療にて全身を調整することは症状の軽減や緩和、寛解に効果があります。アレルギー疾患でお悩みの子供さんに、鍼治療をおすすめします。

引用参考文献
・荒川浩一.アレルギーマーチを断つ.医薬ジャーナル社.2016
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