研究業績
2017年8月 1日 火曜日
研究業績 東洋医学研究所
東洋医学研究所®で患者さんに行っている治療は、実証医学的検討並びに基礎的実験のデータ(文献のページを参照)を踏まえて治療を行っています。
当研究所では、病気の治療はもとより、健康管理を目的に鍼治療を行っており、その中心となるのが生体制御療法(黒野式全身調整基本穴の使用)です。
また、鍼治療と超音波の併用によって鍼治療の効果が高まることを証明し、臨床に応用しております。
文献一覧はこちら
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東洋医学研究所Ⓡにおける生体制御療法の考え方とは?
生体制御療法としての黒野式全身調整基本穴
・・・使用経穴は如何にして決められたか?
超音波と鍼の併用治療
・・・超音波を併用することの意義とは?
生体制御療法を使用した鍼治療の研究1
・・・不定愁訴症候群に対する鍼治療
・・・健康チェック表とは
生体制御療法を使用した鍼治療の研究2
・・・慢性肝機能障害に対する鍼治療
生体制御療法を使用した鍼治療の研究3
・・・糖尿病に対する鍼治療
生体制御療法を使用した鍼治療の研究4
・・・高血圧に対する鍼治療
生体制御療法を使用した鍼治療の研究5
・・・未病治に対する鍼治療
局所療法としての鍼治療の研究
・・・疼痛疾患に対する鍼治療
当研究所では、病気の治療はもとより、健康管理を目的に鍼治療を行っており、その中心となるのが生体制御療法(黒野式全身調整基本穴の使用)です。
また、鍼治療と超音波の併用によって鍼治療の効果が高まることを証明し、臨床に応用しております。
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・・・使用経穴は如何にして決められたか?

・・・超音波を併用することの意義とは?

・・・不定愁訴症候群に対する鍼治療
・・・健康チェック表とは

・・・慢性肝機能障害に対する鍼治療

・・・糖尿病に対する鍼治療

・・・高血圧に対する鍼治療

・・・未病治に対する鍼治療

・・・疼痛疾患に対する鍼治療
2013年1月26日 土曜日
東洋医学研究所Ⓡ黒野保三所長の研究が自律神経雑誌に原著論文として掲載されました。
日本自律神経学会雑誌の自律神経49巻4号に東洋医学研究所Ⓡ黒野保三所長の研究が原著論文として掲載されました。
腹部の経穴に鍼刺激(筋膜上圧刺激)を行うことによって心臓迷走神経の亢進を証明した世界で初めての論文になります。
※日本自律神経学会ホームページから雑誌の詳細がご覧になれます。
抄録:鍼治療は機能性胃腸炎をはじめとする消化器症状の治療法として使用している。鍼の治効メカニズムを研究する上で鍼刺激に対する自律神経反応を調べることは重要である。そこで、腹部鍼刺激に対する自律神経反応の客観的評価が可能が否かを、心拍変動(heart rate variability:HRV)解析を用いて検討した。12名の被験者に対して、筋膜上圧刺激による腹部鍼刺激を行い、鍼刺激前後の心拍変動の変化を調べたところ、鍼刺激前後で心拍数は減少(p=0.0002)し、心臓迷走神経活動の指標であるHF成分は増加し(p=0.0007)、心臓迷走神経と交感神経活動の指標であるLF成分は増加した(p=0.0005)。交感神経の指標であるLF/HFは有意な変化を示さなかった。HRV解析により腹部鍼刺激に対する自律神経反応を客観的に評価できること、および同刺激により心臓迷走神経活動が亢進することが証明された。
キーワード:鍼、筋膜上圧刺激、心拍変動、自律神経、心臓迷走神経
黒野保三,各務壽紀,皆川宗徳,石神龍代,山田篤,早野順一郎.心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価-腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価-.自律神経雑誌.2012;49(4):251-256
腹部の経穴に鍼刺激(筋膜上圧刺激)を行うことによって心臓迷走神経の亢進を証明した世界で初めての論文になります。
※日本自律神経学会ホームページから雑誌の詳細がご覧になれます。
抄録:鍼治療は機能性胃腸炎をはじめとする消化器症状の治療法として使用している。鍼の治効メカニズムを研究する上で鍼刺激に対する自律神経反応を調べることは重要である。そこで、腹部鍼刺激に対する自律神経反応の客観的評価が可能が否かを、心拍変動(heart rate variability:HRV)解析を用いて検討した。12名の被験者に対して、筋膜上圧刺激による腹部鍼刺激を行い、鍼刺激前後の心拍変動の変化を調べたところ、鍼刺激前後で心拍数は減少(p=0.0002)し、心臓迷走神経活動の指標であるHF成分は増加し(p=0.0007)、心臓迷走神経と交感神経活動の指標であるLF成分は増加した(p=0.0005)。交感神経の指標であるLF/HFは有意な変化を示さなかった。HRV解析により腹部鍼刺激に対する自律神経反応を客観的に評価できること、および同刺激により心臓迷走神経活動が亢進することが証明された。
キーワード:鍼、筋膜上圧刺激、心拍変動、自律神経、心臓迷走神経
黒野保三,各務壽紀,皆川宗徳,石神龍代,山田篤,早野順一郎.心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価-腹部鍼刺激に対する自律神経反応の評価-.自律神経雑誌.2012;49(4):251-256
2012年10月26日 金曜日
文献一覧
著書 | |||
1 | 黒野保三 | 慢性肝機能障害の鍼治療 |
(社)全日本鍼灸学会 研究部 慢性肝機能障害班編(1985) |
2 | 黒野保三 | 鍼灸医学概論 | 東洋医学研究R(1990) |
3 | 黒野保三 | 鍼灸医学概論<改訂増補> | (株)エフエー出版(1996) |
4 | 黒野保三 | 臨床鍼灸医学 | (株)エフエー出版(2001) |
5 | 黒野保三 | 長生き健康「鍼」 | (株) 現代書林(2008) |
執筆 | |||
6 | 黒野保三ほか | 鍼灸臨床の科学 | 医歯薬出版(2000) |
総説 論説 |
|||
7 | 黒野保三 |
鍼灸医学の現況と 今後のあり方 |
自律神経雑誌23(23);137-139.(1976) |
8 | 黒野保三 | 鍼灸医学の将来への展望-共通の土俵で真の鍼灸医学を- | CHINESE MEDICINE1(2);116-118 .(1978) |
9 |
黒野保三 平松由江 |
超音波と鍼の併用治療の考察 | 月刊新医療8(5);33-35 .(1981) |
10 | 黒野保三 | 経穴に対する主観的考察 | 医道の日本 通巻500;340-344 .(1986) |
11 | 黒野保三 | 東洋哲学思想について(その1) | 東洋医学とペインクリニック17(1);20-22 .(1987) |
12 | 黒野保三 | 東洋哲学思想について(その2) | 東洋医学とペインクリニック17(3);26-30 .(1987) |
13 | 黒野保三 | 東洋哲学思想について(その3) | 東洋医学とペインクリニック18(2);64-66 .(1988) |
14 |
黒野保三 皆川宗徳 |
鍼治療効果をあげる条件に ついての基礎的研究と考察 |
東北鍼灸学会雑誌第29回16(1995) |
15 | 黒野保三 | 臨床鍼灸医学の実証医学的研究について | 東鍼研進歩集 平成6年度版;8-13.(1995) |
16 | 黒野保三 | 鍼灸診療と人間形成 | 東鍼研進歩集 平成7年度版;8-17.(1996) |
17 | 黒野保三 | 鍼灸診療と人間形成-鍼灸医学・鍼灸診療と鍼灸医師- | 東鍼研進歩集 平成8年度版;8-21(1997) |
18 | 黒野保三 | 鍼灸診療と人間形成(3) | 東鍼研進歩集 平成9年度版;8-16(1998) |
19 | 黒野保三 | 鍼灸診療と人間形成(4) | 東鍼研進歩集 平成10年度版;8-18(1999) |
20 |
黒野保三 石神龍代 皆川宗徳 甲田久士 福田裕康 山田鑑照 |
経穴の実証医学的研究 の試み |
医道の日本59(1);59-72 .(2000) |
21 | 黒野保三 | 臨床鍼灸医学研究 | 東鍼研進歩集 平成11年度版;8-12.(2000) |
22 | 黒野保三 | 21世紀の幕開けにちなんで | 愛知地方会設立30周年史;4-5 .(2001) |
23 | 黒野保三 | 新しい鍼灸医療理論 | 東鍼研進歩集 平成12年度版;8-10.(2001) |
24 | 黒野保三 | 臨床鍼灸医学研究-古典を学び研究することとは- | 東鍼研進歩集 平成13年度版;8-16.(2002) |
25 | 黒野保三 | 臨床鍼灸医学研究-新しい鍼灸医学理論と太極療法- | 東鍼研進歩集 平成14年度版;8-17.(2003) |
26 | 黒野保三 | 臨床鍼灸医学研究-脳と心と鍼灸医学- | 東鍼研進歩集 平成15年度版;8-16.(2004) |
27 | 黒野保三 | 鍼灸医学・鍼灸診療 | 東鍼研進歩集 平成16年度版;8-15.(2005) |
原著 | |||
28 | 黒野保三 |
超音波と鍼の併用による 鎮痛効果について |
自律神経雑誌20(3);74-78.(1973) |
29 |
黒野保三 福手正教 |
サーモグラフィによる 腹部皮膚温の変化について |
自律神経雑誌21(3);59-69.(1974) |
30 |
伊藤嘉紀 黒野保三 只木英子 熊澤孝朗 |
人体皮膚知覚に及ぼす ハリ麻酔の影響 |
日本生理学誌37;291.(1975) |
31 |
渡仲三 黒野保三 鳥沢和義 金井美晴 馬渕良生 堀田康明 |
薬物肝障害に対する鍼治療の効果についての実験的・電子顕微鏡的研究(第1報) | 日本解剖学会雑誌52(2)(中部地方会);188.(1977) |
32 |
渡仲三 馬渕良生 堀田康明 金井美晴 黒野保三 |
アロキサン膵島傷害に対するハリの効果についての超微形態学的研究 | 日本内分泌学会雑誌54(4);425.(1978) |
33 |
渡仲三 黒野保三 金井美晴 馬渕良生 堀田康明Yonetaro Hida |
FINE STRUCTURAL ANALYSIS OF ACUPUNCTURE MECHANISM IN TREEATMENT OF MOUSE LIVER INJURY CAUSED BY CARBON TETRACHLORIDE | 日本臨床電顕学会誌11(5・6);493-494 .(1979) |
34 |
黒野保三 渡仲三 山本正彦 松本美富士 |
鍼刺激の人体免疫系に及ぼす影響(その1) | 日本鍼灸治療学会誌29(2);22-27.(1980) |
35
|
松本美富士 山本正彦 渡仲三 黒野保三 |
針刺激の生体免疫系 におよぼす影響(その2) |
自律神経雑誌27(1);235-238.(1980) |
36
|
黒野保三 石神龍代 河合雅人 平松由江 |
慢性肝障害に対する |
自律神経雑誌27(2・3);322-327.(1980) |
37
|
渡仲三 黒野保三 |
実験肝傷害に対する針の効果 | 現代東洋医学1(1);22-31.(1980) |
38
|
黒野保三 石神龍代 河合雅人 平松由江 蟹江勝 渡仲三 |
慢性肝障害に対する |
自律神経雑誌27(4);390-393.(1980) |
39
|
黒野保三 石神龍代 長谷川泰洋堀田健 |
脈波の分析と 東洋医学との対応 |
全日本鍼灸学会雑誌31(4);359-363.(1982) |
40 |
黒野保三 平松由江 松本美富士 渡仲三 |
針刺激のヒト免疫反応系に 与える影響(Ⅲ) |
全日本鍼灸学会雑誌33(1);12-17.(1983) |
黒野保三 松本美富士 渡仲三 石神龍代 平松由江 |
鍼刺激のヒト免疫系に与える影響、特にリンパ球比率と機能の変化について | 医道の日本43(10);26-33.(1984) | |
石神龍代 黒野保三 山田 耕 堀田健 |
脈波の分析と東洋医学 との対応(その2) |
全日本鍼灸学会雑誌33(3);266-271.(1984) | |
黒野保三 石神龍代 渡仲三 松本美富士 |
鍼刺激のヒト免疫反応系 に与える影響(Ⅳ) |
全日本鍼灸学会雑誌34(1);23-27.(1984) | |
黒野保三 | 黒野式全身調整基本穴について | 全日本鍼灸学会雑誌34(3,4);252-256.(1985) | |
黒野保三 石神龍代 渡仲三 松本美富士 |
鍼刺激のヒト免疫反応系 に与える影響(Ⅴ) |
全日本鍼灸学会雑誌36(2);95-101.(1986) | |
黒野保三 |
慢性肝障害に対する 鍼治療の検討(その3) |
全日本鍼灸学会雑誌36(3);178-182.(1986) | |
47
|
黒野保三 |
慢性肝障害に対する 鍼治療の検討 |
東洋医学とペインクリニック16(2);73-77.(1986) |
河瀬美之 石神龍代 山田耕 黒野保三 |
高血圧患者に対する 鍼治療の検討(予報) |
全日本鍼灸学会雑誌37(1);50-57.(1987) | |
黒野保三 石神龍代 渡仲三 松本美富士 |
鍼刺激のヒト免疫反応系 に与える影響(Ⅵ) -β-endorphinと細胞性免疫能の検討- |
全日本鍼灸学会雑誌38(4);386-391.(1988) | |
黒野保三 石神龍代 皆川宗徳 |
不定愁訴症候群に対する 鍼灸治療の検討 -健康チェック表の作成について- |
全日本鍼灸学会雑誌 42(4);285-299.(1992) | |
石神龍代 黒野保三 絹田章 冨田靖延 林尚臣 渡仲三 松本美富士 |
慢性疲労症候群に対する 鍼治療の検討 |
全日本鍼灸学会雑誌 44(3);238-243.(1994) | |
河瀬美之 石神龍代 山田耕 服部輝男 黒野保三 |
高血圧患者に対する 鍼治療の検討 |
全日本鍼灸学会雑誌 44(3);261-265.(1994) | |
53
|
皆川宗徳 石神龍代 黒野保三 |
「脉差診」と「五行の色体表」 との関連性について |
全日本鍼灸学会雑誌 44(4);333-338.(1994) |
54
|
石神龍代 |
更年期障害と 鍼灸治療の評価法 |
鍼灸OSAKA10(4);326-330 .(1994) |
55
|
黒野保三 石神龍代 皆川宗徳 |
不定愁訴症候群に対する 鍼灸治療の検討 |
東洋医学とペインクリニック25(1・2);28-39.(1995) |
56
|
皆川宗徳 黒野保三 |
鍼灸診療の客観化 -AMIを指標とした経絡の変動について- |
東北鍼灸学会雑誌第29回(16)(1995) |
57
|
皆川宗徳、黒野保三 | 鍼灸診療の客観化-AMIを指標とした経絡の変動について- | 経絡治療 第百二十二号(1995) |
安藤由紀 石神龍代 皆川宗徳 黒野保三 |
不定愁訴に対する 鍼治療の検討 -新患 703名の健康チェック表の分析- |
全日本鍼灸学会雑誌 46(1);18-22.(1996) | |
狩野義広 安藤由紀 皆川宗徳 石神龍代 黒野保三 |
不定愁訴に対する 鍼治療の検討 -健康チェック表による 不定愁訴指数の推移分析- |
全日本鍼灸学会雑誌 46(1) ;23-30.(1996) | |
石神龍代 皆川宗徳 狩野義広 黒野保三 |
不定愁訴に対する 鍼治療の検討 |
全日本鍼灸学会雑誌 46(1);31-36. (1996) | |
中村弘典 黒野保三 石神龍代 皆川宗徳 鈴木光 |
ストレプトゾトシン糖尿病ラットに対する鍼治療の効果(1) | 全日本鍼灸学会雑誌 46(2);80-84 . (1996) | |
皆川宗徳 石神龍代 田中法一 中村弘典 河瀬美之 服部輝男 絹田章 平松英敬 甲田久士 田中良和 福田裕康 中村亜子 井澤友幸 井島晴彦 中村高行 黒野保三 |
排尿障害に対する封筒法 による臨床比較試験 -中極穴の有効性について- |
全日本鍼灸学会雑誌 49(3);383-391.(1999) | |
63
|
黒野保三 石神龍代 皆川宗徳 甲田久士 福田裕康 山田鑑照 |
経穴の実証医学的研究 の試み |
医道の日本59(1);59-72.(2000) |
河瀬美之 石神龍代、 中村弘典 服部輝男、 田中法一 絹田章 平松英敬 皆川宗徳 黒野保三 |
高血圧に対する足三里穴刺鍼の有効性について-封筒法による臨床比較試験- | 全日本鍼灸学会雑誌 50(2);185-189.(2000) | |
皆川宗徳 石神龍代 中村弘典 山田耕 河瀬美之 服部輝男 絹田 章 狩野義広 丸山善己 黒野保三 |
鍼灸診療の客観化 -AMIを指標とした本治法による経絡機能の変動について- |
全日本鍼灸学会雑誌51(2);165-169.(2001) | |
66
|
石神龍代 黒野保三 |
睡眠障害に対する鍼治療 | 鍼灸OSAKA 22(3);191-215.(2006) |
67
|
郭哲次 近藤哲哉 石神龍代 福田文彦 奥村裕一 房前素徳 (オブザーバー) |
不眠へのアプローチ | 鍼灸OSAKA 22(3);225-228.(2006) |
河瀬美之 石神龍代 中村弘典 服部輝男 皆川宗徳 甲田久士 井島晴彦 加納俊弘、 絹田 章 校條由紀 黒野保三 |
腰痛に対する鍼治療 -偽鍼を対照群に用いた 多施設ランダム化比較試験- (中央管理システム) |
全日本鍼灸学会雑誌 56(2);140-149.(2006) | |
69 |
Kurono, Y., Minagawa, M., Ishigami,T., Yamada, A., Kakamu,T,. Hayano,J., |
Acupuncture to Danzhong but not to Zhongting increases the cardiac vagal component of heart rate variability. |
Autonomic Neuroscience: Basic and Clinical. 161,116-120(2011) |
70 |
黒野保三, 各務壽紀, 皆川宗徳, 石神龍代, 山田篤, 早野順一郎 |
心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価 -腹部鍼刺激の経穴特異性の検討- |
自律神経.49(1):251-256.2012 |
71 |
Minagawa, M., Kurono, Y., Ishigami,T., Yamada, A., Kakamu,T,. Akai,R Hayano,J., |
Site-specific organ-selective effect of epifascial acupuncture on cardiac and gastric autonomic function |
Autonomic Neuroscience: Basic and Clinical. 179(1-2),151-154(2013) |
72 |
皆川宗徳, 黒野保三, 石神龍代, 山田篤, 各務壽紀, 早野順一郎 |
心拍変動解析による鍼刺激に対する自律神経反応の評価 | 自律神経.52(2):145-151.2015 |
73 |
石神龍代, 黒野保三, 皆川宗徳, 山田篤, 各務壽紀, 早野順一郎 |
黒野式全身調整基本穴への鍼治療(筋膜上圧刺激)による睡眠の質の改善効果 -OSA睡眠調査票MA版を用いた自覚的な睡眠の質の評価- |
全日本鍼灸学会雑誌 66(1);24-32.(2016) |
74 |
井島晴彦, 石神龍代, 中村覚, 橋本高史, 角田洋平, 角村幸治, 黒野保三 |
黒野式全身調整基本穴への鍼治療(筋膜上圧刺激)に よる花粉症症状・QOLの改善効果 -日本アレルギー性鼻炎標準QOL調査票を用いた5年間の症例集積-- |
全日本鍼灸学会雑誌 66(4);290-299.(2016) |
75 |
角村幸治, 石神龍代, 平松英敬, 中村覚, 各務壽紀, 赤石望, 高山加奈子, 渡辺かおり, 黒野保三 |
気象の変化と不定愁訴について | 全日本鍼灸学会雑誌 67(4);307-315.(2017) |
報告 | |||
76
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黒野保三 | 中華医学会代表団訪日の記録 | 自律神経雑誌20(3);74-78.(1973) |
77
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渡仲三 堀田康明 馬渕良生 黒野保三 |
同一切片内同一細胞要素三段観察法(光顕・透過電顕・走査電顕)によって得られた膵島の超微形態 | 第25回日本内分泌学会西部部会総会講演抄録集;161.(1977) |
78
|
渡仲三 鳥沢和義 花田美晴 馬渕良生 黒野保三 |
薬物肝傷害に対する ハリの効果についての 超微形熊学的研究 |
東洋医学研究財団昭和52年度年次報告;36.(1977) |
79
|
山本正彦 松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
針治療の生態免疫系 におよぼす効果 |
東洋医学研究財団昭和53年度年次報告;24-25(1978) |
80
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
針刺激の生態免疫系に与える効果、特に末梢リンパ球subsetsの変動について | 東洋医学研究財団昭和54年度年次報告;39-42(1979) |
81
|
長谷川泰洋 堀田健 黒野保三 佐藤磐男 |
脈波の定量的分析-コンピューターによる周波数解析- | 東洋医学研究財団昭和54年度年次報告22-25(1979) |
82
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渡仲三 堀田康明 馬渕良生 金井美晴 黒野保三 |
2.3の実験条件下における肝臓の"phagocyte-fat-storing cell complex"について | 日本解剖学会第39回中部地方会予稿集;259-260.(1980) |
83
|
黒野保三 | 社団法人全日本鍼灸学会設立の経緯と概要 | 自律神経雑誌27(1);167-168.(1980) |
84
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
鍼治療の作用機作解明に関する研究、特にヒト免疫系に与える効果 | 東洋医学研究財団昭和57年度年次報告;88-91.(1982) |
85
|
渡仲三 馬渕良生 堀田康明 黒野保三 石神龍代 中村弘典 山田耕 |
実験的腎傷害に対する ハリの効果についての 超微形態学的研究 |
東洋医学研究財団昭和57年度年次報告;75-82.(1982) |
86
|
中村弘典 渡仲三 黒野保三 |
糖尿病に対する 鍼治療の症例報告(Ⅰ) |
全日本鍼灸学会雑誌33(2);196-200.(1983) |
87
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
鍼治療の作用機序の解明に 関する研究、 特にヒト免疫反応系への影響 |
東洋医学研究財団昭和58年度年次報告;76-79.(1983) |
88
|
渡仲三 馬渕良生 堀田康明 黒田保三 |
塩化第二水銀による腎障害とハリ治療の効果についての超微形態学的研究 | 第89回日本解剖学会総会予稿集;529.(1984) |
89
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
鍼治療の作用機序の解明に 関する研究、ヒト免疫反応系 への影響 |
東洋医学研究財団昭和59年度年次報告;51-57 .(1984) |
黒野保三 | 四分画と脈診の対応に関する客観的考察 | 全日本鍼灸学会雑誌33(4);420-426(1984) | |
91
|
中村弘典 黒野保三 渡仲三 |
糖尿病に対する鍼治療 の症例報告(Ⅱ) |
全日本鍼灸学会雑誌34(3,4);257-262.(1985) |
92
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
鍼治療の作用機序解明に関する研究、ヒト免疫系への影響 | 東洋医学研究財団昭和61年度年次報告;51-55(1986) |
93
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
鍼治療のヒト免疫機能に与える効果、特にInterleukin2、Interleukin2レセプター反応系からの検討 | 東洋医学研究財団昭和62年度年次報告;46-48(1987) |
94
|
石神龍代 | 不定愁訴に対する鍼治療の検討 | 経絡治療 第九十四号;84-85(1988) |
95
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
鍼治療の作用機序の解明、 ヒト免疫系への影響、特に免疫学的生体防御系への影響 |
東洋医学研究財団昭和63年度年次報告;40-43.(1988) |
96
|
石神龍代 山田耕 河瀬美之 黒野保三 |
膝痛に対する鍼治療の検討 | 経絡治療 第九十八号;113-119.(1989) |
97
|
石神龍代 山田耕、 河瀬美之 黒野保三 |
不定愁訴に対する 鍼治療の検討(2) |
経絡治療 第九十八号;108-113.(1989) |
98
|
渡仲三 馬渕良生 豊田勝良 黒野保三 石神龍代 中村弘典 山田耕 河瀬美之 山川成彦 丸山善巳 八木一男 |
膵臓組織の老化に対するハリの効果の超微形態学的研究 | 東洋医学研究財団平成元年度年次報告;32-40.(1989) |
99
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
鍼治療の作用機序の解明、 ヒト免疫系への影響、特にNeuro-Immune Systemからの検討 |
東洋医学研究財団平成元年度年次報告;41-45.(1989) |
100
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
鍼治療の作用機序の解明、 ヒト免疫系への影響 |
東洋医学研究財団平成2年度年次報告;75-79.(1990) |
101
|
河瀬美之 |
高血圧症を伴う不定愁訴に 対する鍼治療の検討 |
経絡治療 第百十号;108-116.(1992) |
102
|
松本美富士 渡仲三 黒野保三 |
慢性疲労症候群の鍼灸治療効果の検討(基礎的検討) | 東洋医学研究財団平成4年度年次報告;65-69.(1992) |
103
|
中村弘典 | 糖尿病に対する鍼治療の一症例 | 経絡治療 第百十四号;107-110.(1993) |
松本美富士 黒野保三 渡仲三 |
慢性疲労症候群の鍼治療に 関する研究 |
東洋医学研究財団平成5年度年次報告;64-68.(1993) | |
福田裕康 黒野保三 |
不定愁訴に対する鍼治療 | 全日本鍼灸学会雑誌 44(3);266-271.(1994) | |
田中良和 黒野保三 |
不定愁訴に対する鍼治療 の1症例 |
全日本鍼灸学会雑誌 44(3);272-277.(1994) | |
中村弘典 黒野保三 |
糖尿病に対する鍼治療 の1症例 |
全日本鍼灸学会雑誌 44(3);278-282 .(1994) | |
108
|
絹田章 |
不定愁訴に対する鍼治療 の1症例の検討 |
全日本鍼灸学会雑誌 44(4);347- 351 . (1994) |
松本美富士 黒野保三 渡仲三 |
鍼刺激の作用機序解明に関する研究、循環動態の変動に対する血管内皮由来弛緩性因子の検討(その基礎的研究) | 東洋医学研究財団平成7年度年次報告;27-29.(1995) | |
110
|
絹田章 |
不定愁訴に対する 鍼治療の1症例 特にうつ状態性愁訴に対して |
全日本鍼灸学会雑誌 46(2);96-101 . (1996) |
黒野保三 | 鍼供養と鍼灸診療の心得 | 広島県鍼灸師会会報20;49-52.(1997) | |
中村亜子 石神龍代 皆川宗徳 黒野保三 |
不定愁訴に対する鍼治療 の1症例 |
全日本鍼灸学会雑誌 48(4);395-401. (1998) | |
井島晴彦 黒野保三 |
体温調節機能の異常に対する鍼治療の検討 | 全日本鍼灸学会雑誌 49(2);293-297. (1999) | |
絹田章 中村弘典 皆川宗徳 黒野保三 |
糖尿病に対する鍼治療 の1症例 |
全日本鍼灸学会雑誌 49(2);299-304. (1999) | |
115
|
中村弘典 絹田章 黒野保三 |
糖尿病に対する 鍼治療の1症例 -インスリン療法による 低血糖状態患者- |
全日本鍼灸学会雑誌 49(2);305-310. (1999) |
黒野保三 | 不眠に対する鍼灸治療の検討 | Traditional Acupuncture Optimize(TAO)鍼灸療法13;20-24.(1999) | |
河瀬美之 黒野保三 |
肩関節痛に対する 鍼治療の1症例 -高血圧症を伴った 不定愁訴の検討- |
全日本鍼灸学会雑誌 49(3);405-410.(1999) | |
石神龍代 黒野保三 |
続発性月経困難症に対する 鍼治療の一症例 |
全日本鍼灸学会雑誌 50(3);457-461.(2000) | |
山田篤 中村弘典 水野高広 黒野保三 |
糖尿病に対する 鍼治療の1症例 |
全日本鍼灸学会雑誌51(2);170-174.(2001) | |
120
|
山田篤 中村弘典 黒野保三 |
糖尿病に対する鍼 治療の1症例 |
全日本鍼灸学会雑誌52(1);49-55.(2002) |
石神龍代 皆川宗徳 福田裕康 井島晴彦 近藤利夫 黒野保三 |
睡眠障害に伴う 不定愁訴に対する鍼治療 |
全日本鍼灸学会雑誌 56(5);793-801.(2006) | |
122 |
角村幸治 石神龍代 井島晴彦 中村弘典 河瀬美之 甲田久士 狩野義広 皆川宗徳 黒野保三 |
かぜ症候群の予防に 対する鍼治療の有効性 |
全日本鍼灸学会雑誌59(4);416-420.(2009) |
シンポジウム | |||
123
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渡仲三 黒野保三 石神龍代 平松由江 中村弘典 馬淵良生 堀田康明 石榑克範 |
経穴の実在の有無証明のための実験的、形態学的研究 | 全日本鍼灸学会雑誌31(4);310-314.(1982) |
124
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渡仲三 黒野保三 石神龍代 平松由江 中村弘典 馬淵良生 堀田康明 |
薬物性肝障害に対するハリの予防的効果についての実験的超微形態学的研究 | 全日本鍼灸学会雑誌31(4);315-322.(1982) |
125
|
黒野保三、平松由江、 石神龍代、渡仲三 |
無徴侯・有訴群に対する鍼治療の治験 | 全日本鍼灸学会雑誌31(4);328-334.(1982) |
渡仲三 馬渕良生 黒野保三 堀田康明 石神龍代 中村弘典 山田耕 |
二,三の実験的疾患に対するハリの効果についての形態学的研究 | 全日本鍼灸学会雑誌33(2);125-133.(1983) | |
127 |
黒野保三 石神龍代 中村弘典 山田耕 河瀬美之 狩野義広 馬渕良生 渡仲三 |
生体の防御機構と鍼灸医学 | 全日本鍼灸学会雑誌41(1);234-244.(1991) |
ワークショップ | |||
128
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黒野保三 |
鍼灸研究ワーキング・グループアンケート結果 ‐慢性肝機能障害- |
全日本鍼灸学会雑誌31(4);416-417.(1982) |
129
|
黒野保三 | 慢性肝機能障害の模擬治療室 | 全日本鍼灸学会雑誌33(1);92-93.(1983) |
130
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黒野保三 | 慢性肝機能障害班経過報告 | 全日本鍼灸学会雑誌34(2);103.(1984) |
131
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黒野保三、石神龍代、 岡田静治郎 |
慢性肝機能障害に対する鍼治療の検討 | 全日本鍼灸学会雑誌34(2);104-109.(1984) |
132
|
石神龍代、岡田静治郎、 黒野保三 |
慢性肝機能障害に対するカルテの考察 | 全日本鍼灸学会雑誌34(2);110-119.(1984) |
133
|
黒野保三 | ワークショップを振り返って | 全日本鍼灸学会雑誌34(2);142.(1984) |
134
|
黒野保三 | 慢性肝機能障害班ワークショップ | 全日本鍼灸学会雑誌36(3);190.(1986) |
135
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黒野保三 石神龍代 |
不定愁訴に対する 鍼灸療法の検討 |
全日本鍼灸学会雑誌37(4);233-240.(1987) |
136
|
黒野保三 石神龍代 |
不定愁訴に対する鍼灸治療 | 全日本鍼灸学会雑誌 38(1);161.(1988) |
137
|
黒野保三 石神龍代 中村弘典 山田耕 鈴木裕明 |
不定愁訴に対する 統一カルテの検討 |
全日本鍼灸学会雑誌 38(4);491-496.(1988) |
138
|
黒野保三 石神龍代 |
不定愁訴に対する鍼灸治療 | 全日本鍼灸学会雑誌 39(1);182.(1989) |
139
|
黒野保三 | 不定愁訴に対する鍼灸治療 | 全日本鍼灸学会雑誌40(1);171.(1990) |
140
|
黒野保三 石神龍代 |
不定愁訴班のまとめ | 全日本鍼灸学会雑誌41(1);13.(1991) |
141
|
黒野保三 石神龍代 |
不定愁訴に対する鍼灸治療 | 全日本鍼灸学会雑誌 42(1);11.(1992) |
142
|
黒野保三 石神龍代 |
不定愁訴に対する鍼治療の検討 | 全日本鍼灸学会雑誌 45(1);121-2.(1995) |
143
|
黒野保三 | 不定愁訴班ワークショップの概要 | 全日本鍼灸学会雑誌 46(3);42.(1996) |
144 |
黒野保三 石神龍代 班員一同 |
不定愁訴に対する鍼治療の 実証医学的検討 |
全日本鍼灸学会雑誌 47(1);15.(1997) |
受賞論文
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|||
145
|
渡仲三 黒野保三 |
明治東洋医学院20周年記念授賞論文 第二席 『実験的肝傷害に対するハリの効果についての超微形態学的研究』 |
明治東洋医学院20周年記念授賞論文集;1-23.(1978) |
146
|
黒野保三 松本美富士 渡仲三 石神龍代 平松由江 |
第9回代田賞『奨励賞』 『鍼刺激のヒト免疫系に与える影響、特にリンパ球比率と機能の変化について』 |
医道の日本43(10);26-32.(1984) |
147
|
黒野保三 石神龍代 皆川宗徳 |
第17回代田賞『奨励賞』 『不定愁訴症候群に対する鍼灸治療の検討』 |
医道の日本52(10);128-129(1993) |
148 |
石神龍代 黒野保三 絹田章 冨田靖延 林尚臣 渡仲三 松本美富士 |
第1回『高木賞』 『慢性疲労症侯群に対する鍼治療の検討』 |
全日本鍼灸学会雑誌 44(3);238-243.(1994) |
特集 | |||
149
|
松本美富士 黒野保三 |
線維筋痛症の鍼治療の自験例による検討と本邦の実態 | 医道の日本64(2);31-34.(2005) |
150
|
河瀬美之 石神龍代 |
高血圧に対する鍼治療の検討 | 医道の日本64(4);33-41.(2005 |
2012年8月17日 金曜日
生体制御療法を使用した鍼治療の研究1・・・健康チェック表とは
1)不定愁訴症候群に対する鍼灸治療の検討
近年、社会構成が複雑多岐になり、現代はストレス社会ともいわれるようになってきました。そして、いわゆる不定愁訴を訴える人が多くなり、これらの人々が鍼灸院を訪れるケースが増加しつつあります。
しかし、いわゆる不定愁訴を訴える患者に対する鍼灸治療の有効性を定量的に見出すことは非常に困難であるのが現状であります。
そこで、黒野は
①鍼灸院を訪れる不定愁訴症候群患者が増加していること
②鍼灸師が独自に研究ができること
③鍼灸師は誰でも研究活動に参加できること
④治療に関しては近代医学の盲点であり、鍼灸治療が最も得意とする分野であること
⑤病理学的徴候の有無にかかわらず不定愁訴を有する患者が多数いること
を踏まえて、不定愁訴症候群に対する鍼灸治療の有効性を実証医学的に見出す目的で、昭和61年10月26日、(社)全日本鍼灸学会研究委員会に不定愁訴班を新設し、研究活動を開始しました。
2)健康チェック表について
この健康チェック表を作成するにあたり、最初に、黒野等は、現在広く使用されている健康調査表の検討から研究を始めました。
CMI(コーネル大学健康調査表)に着目し、不定愁訴症候群患者に対し、生体制御療法としての鍼灸治療の有効性を客観的に見出すことを試みましたが、①患者の中にCMI記載中、50項目前後で記載を中止するものや、後半の記載がかなり曖昧であること(初回と次回の記載にかけ離れた記載がなされている)、②項目数が多く患者の負担が大きく、記載された結果が不安定である、③類似の項目が多くある等の問題に気づき、それらを改善し鍼灸診療の現場で重症度判定と効果判定ができ、鍼灸診療の効果を定量的に見出せる健康チェック表(記載項目50項目を限度とする)を作成することにしました。
表1にあります調査表を総合的に検討し、健康チェック表を作成しました。この健康チェック表の項目のうち1~12までが自律神経失調性項目、13~24までが神経症性項目、25~36までがうつ状態性項目、37~50までがその他の不定愁訴項目に分類できるように作成しました。
作成した健康チェック表は各質問に対して、常に症状がある場合には2点、時々症状がある場合には1点を記入していただきます。したがって、満点が100点となります。この健康チェック表に記載された点数の合計点を不定愁訴指数ということにしました。
この健康チェック表は、再現性・妥当性・各項目別の相関関係・項目数の必要性について医学統計学を行って検討した結果、いずれにおいても妥当であることが明らかとなったものであります。
<表1>
3)重症度判定基準
健康人と思われる人の不定愁訴を調べる目的で、全国の鍼灸学校学生700名に三ヶ月間健康チェック表の記載を依頼しました。三ヶ月間、健康チェック表の記載を完了した459名を対象に健康チェック表の点数を調べました結果、健康人においても5.4点の愁訴を有することがわかりました。したがって、重症度判定の下限点数は6点以上と定める必要が生じました。
症例集積で51点以上の症例は9例みられましたが、そのうち7例が関西労災式うつ状態調査表の判定で、うつ病に相当する患者でありました関係から、50点を上限とし、51点以上は不定愁訴症候群から除外することとしました。
<表2>
4)効果判定基準
効果判定は1クールを7回の鍼灸治療と定め、3クール終了後に判定しました。
効果判定基準は、著効・有効・比較的有効・やや有効・無効の五種類に分類しました。
症例集積で51点以上の症例は9例みられましたが、そのうち7例が関西労災式うつ状態調査表の判定で、うつ病に相当する患者でありました関係から、50点を上限とし、51点以上は不定愁訴症候群から除外することとしました。
<表3>
健康チェック表、重症度判定基準、効果判定基準を使用して、多くの研究を積み重ね生体制御療法の有効性を(社)全日本鍼灸学会および世界鍼灸学会連合会学術大会に報告してきました。
以上のことにより、この健康チェック表を用いることによって、患者の状態を把握する一手段を提供できたのみでなく、鍼灸診療の効果を定量的に見出す指標となりえたことから、東洋医学研究所ョでは、すべての患者さんに対してスクリーニングの指標することを決めました。
近年、社会構成が複雑多岐になり、現代はストレス社会ともいわれるようになってきました。そして、いわゆる不定愁訴を訴える人が多くなり、これらの人々が鍼灸院を訪れるケースが増加しつつあります。
しかし、いわゆる不定愁訴を訴える患者に対する鍼灸治療の有効性を定量的に見出すことは非常に困難であるのが現状であります。
そこで、黒野は
①鍼灸院を訪れる不定愁訴症候群患者が増加していること
②鍼灸師が独自に研究ができること
③鍼灸師は誰でも研究活動に参加できること
④治療に関しては近代医学の盲点であり、鍼灸治療が最も得意とする分野であること
⑤病理学的徴候の有無にかかわらず不定愁訴を有する患者が多数いること
を踏まえて、不定愁訴症候群に対する鍼灸治療の有効性を実証医学的に見出す目的で、昭和61年10月26日、(社)全日本鍼灸学会研究委員会に不定愁訴班を新設し、研究活動を開始しました。
2)健康チェック表について
この健康チェック表を作成するにあたり、最初に、黒野等は、現在広く使用されている健康調査表の検討から研究を始めました。
CMI(コーネル大学健康調査表)に着目し、不定愁訴症候群患者に対し、生体制御療法としての鍼灸治療の有効性を客観的に見出すことを試みましたが、①患者の中にCMI記載中、50項目前後で記載を中止するものや、後半の記載がかなり曖昧であること(初回と次回の記載にかけ離れた記載がなされている)、②項目数が多く患者の負担が大きく、記載された結果が不安定である、③類似の項目が多くある等の問題に気づき、それらを改善し鍼灸診療の現場で重症度判定と効果判定ができ、鍼灸診療の効果を定量的に見出せる健康チェック表(記載項目50項目を限度とする)を作成することにしました。
表1にあります調査表を総合的に検討し、健康チェック表を作成しました。この健康チェック表の項目のうち1~12までが自律神経失調性項目、13~24までが神経症性項目、25~36までがうつ状態性項目、37~50までがその他の不定愁訴項目に分類できるように作成しました。
作成した健康チェック表は各質問に対して、常に症状がある場合には2点、時々症状がある場合には1点を記入していただきます。したがって、満点が100点となります。この健康チェック表に記載された点数の合計点を不定愁訴指数ということにしました。
この健康チェック表は、再現性・妥当性・各項目別の相関関係・項目数の必要性について医学統計学を行って検討した結果、いずれにおいても妥当であることが明らかとなったものであります。
<表1>
1.無徴候.有訴群患者の自覚症状 | ・・・ | 43項目 |
2.CMIの精神症状の質問項目 | ・・・ | 56項目 |
3.CMI阿部変法・自律神経失調性愁訴とした質問項目 | ・・・ | 43項目 |
4.CMI阿部変法・精神性愁訴とした質問項目 | ・・・ | 51項目 |
5.CMI馬島変法・身体症状に関する質問項目 | ・・・ | 49項目 |
6.CMI馬島変法・精神症状に関する質問項目 | ・・・ | 51項目 |
7.関西労西災式うつ状態調査表 | ・・・ | 30項目 |
8. SRQ-D(抑うつ尺度) | ・・・ | 18項目 |
9. SDS(自己評価式抑うつ尺度) | ・・・ | 20項目 |
合 計 | 361項目 |
3)重症度判定基準
健康人と思われる人の不定愁訴を調べる目的で、全国の鍼灸学校学生700名に三ヶ月間健康チェック表の記載を依頼しました。三ヶ月間、健康チェック表の記載を完了した459名を対象に健康チェック表の点数を調べました結果、健康人においても5.4点の愁訴を有することがわかりました。したがって、重症度判定の下限点数は6点以上と定める必要が生じました。
症例集積で51点以上の症例は9例みられましたが、そのうち7例が関西労災式うつ状態調査表の判定で、うつ病に相当する患者でありました関係から、50点を上限とし、51点以上は不定愁訴症候群から除外することとしました。
<表2>
軽 症 | (6~15点以下) |
中等症 | (16~30点) |
重 症 | (31~50点) |
4)効果判定基準
効果判定は1クールを7回の鍼灸治療と定め、3クール終了後に判定しました。
効果判定基準は、著効・有効・比較的有効・やや有効・無効の五種類に分類しました。
症例集積で51点以上の症例は9例みられましたが、そのうち7例が関西労災式うつ状態調査表の判定で、うつ病に相当する患者でありました関係から、50点を上限とし、51点以上は不定愁訴症候群から除外することとしました。
<表3>
著効 | 不定愁訴指数減少率が70%以上のもの、及び1クール以内で、不定愁訴指数減少率が40%以上のもの |
有効 | 不定愁訴指数減少率が40%以上70%未満のもの、及び1クール以内で、不定愁訴指数減少率が20%以上40%未満のもの |
比較的有効 | 不定愁訴指数減少率が20%以上40%未満のもの |
やや有効 | 不定愁訴指数減少率が10%以上20%未満のもの |
無効 | 不定愁訴指数減少率が10%未満、及び不定愁訴指数が不変のもの |
健康チェック表、重症度判定基準、効果判定基準を使用して、多くの研究を積み重ね生体制御療法の有効性を(社)全日本鍼灸学会および世界鍼灸学会連合会学術大会に報告してきました。
以上のことにより、この健康チェック表を用いることによって、患者の状態を把握する一手段を提供できたのみでなく、鍼灸診療の効果を定量的に見出す指標となりえたことから、東洋医学研究所ョでは、すべての患者さんに対してスクリーニングの指標することを決めました。
2012年8月17日 金曜日
局所療法としての鍼治療の研究・・・疼痛疾患に対する鍼治療
鍼治療では生体制御療法と並び局所療法も有効な治療法であります。特に症状に対する局所療法は疼痛疾患(痛みを伴う疾患)に多用されるもので、1回の鍼治療で効果をあげる事ができる場合もあります。現在、臨床で簡便に測定・評価する痛みのスケールには様々なものがありますが、これはあくまでも個人的で主観的な感覚をスケールに表現するものであるため、痛みの程度を正確に測定するには大変難しいものがあります。
先に述べた鍼と超音波の併用治療の文献では痛みの程度を測定していませんでした。30年以上前の文献としては効果判定があり、大変優れたものでありました。そこで現在、腰痛に対する鍼治療の実証医学的研究の試みに取り組んでおり、ここでは痛みの程度を評価するスケールとしてVAS(Visual Analogue Scale)と腰痛の程度を評価するスケールとして日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準(JOAスコア)を使用して検討していますので途中ですが紹介します。
平成12年5月より平成13年7月の期間に東洋医学研究所ョと東洋医学研究所ョグループの7治療院に来院した初診患者のうち、主訴が腰痛であった患者41例を対象とした。この患者に対し鍼治療(局所療法:腎兪と委中の低周波痛電置鍼術)を行いVASとJOAスコアを使用して経過を観察し、初診時と最終治療終了時との差を医学統計処理を行い検討しました。
その結果JOAスコアによる重症度判定では初診時に軽症13例(32%)、中等症25例(61%)、重症3例(7%)であったものが、最終時には軽症28例(78%)、中等症8例(22%)、重症0例となりました。また、効果判定では著効5例(12%)、有効15例(37%)、やや有効18例(44%)、無効3例(7%)となり、やや有効以上を効果ありとすると93%に効果があったことがわかります。JOAスコア点数の推移では初診時平均17.9点であったものが最終時には22.8点となり、有意な改善が認められました。VASにおいても初診時治療前と初診時治療後では有意な差が認められました。また、初診時治療前と最終時治療前でも有意な差が認められました。
痛みを伴う疾患は多数あり、その中で最も多いものが腰痛であります。今回は腰痛に対する鍼治療の有効性を実証医学研究に基づいた手法により検討し、その有効性を見い出すことができました。
今後は膝痛や頚肩腕痛等の運動器疾患はもちろんのこと、内科系からくる痛みについての検討も含めて行う予定であります。
先に述べた鍼と超音波の併用治療の文献では痛みの程度を測定していませんでした。30年以上前の文献としては効果判定があり、大変優れたものでありました。そこで現在、腰痛に対する鍼治療の実証医学的研究の試みに取り組んでおり、ここでは痛みの程度を評価するスケールとしてVAS(Visual Analogue Scale)と腰痛の程度を評価するスケールとして日本整形外科学会腰痛疾患治療成績判定基準(JOAスコア)を使用して検討していますので途中ですが紹介します。
平成12年5月より平成13年7月の期間に東洋医学研究所ョと東洋医学研究所ョグループの7治療院に来院した初診患者のうち、主訴が腰痛であった患者41例を対象とした。この患者に対し鍼治療(局所療法:腎兪と委中の低周波痛電置鍼術)を行いVASとJOAスコアを使用して経過を観察し、初診時と最終治療終了時との差を医学統計処理を行い検討しました。
その結果JOAスコアによる重症度判定では初診時に軽症13例(32%)、中等症25例(61%)、重症3例(7%)であったものが、最終時には軽症28例(78%)、中等症8例(22%)、重症0例となりました。また、効果判定では著効5例(12%)、有効15例(37%)、やや有効18例(44%)、無効3例(7%)となり、やや有効以上を効果ありとすると93%に効果があったことがわかります。JOAスコア点数の推移では初診時平均17.9点であったものが最終時には22.8点となり、有意な改善が認められました。VASにおいても初診時治療前と初診時治療後では有意な差が認められました。また、初診時治療前と最終時治療前でも有意な差が認められました。
痛みを伴う疾患は多数あり、その中で最も多いものが腰痛であります。今回は腰痛に対する鍼治療の有効性を実証医学研究に基づいた手法により検討し、その有効性を見い出すことができました。
今後は膝痛や頚肩腕痛等の運動器疾患はもちろんのこと、内科系からくる痛みについての検討も含めて行う予定であります。