糖尿病通信

2017年6月 1日 木曜日

糖尿病通信26 難消化性デキストリン

○難消化性デキストリン?
コンビニエンスストアの目立つ場所に置いてある、特定保健用食品や機能性表示食品と表示されている飲料水。最近ではお茶や黒いソーダ水など種類が増え、各社効能を謳って販売されています。
その飲料の原材料に「難消化性デキストリン」が含まれていることが多いです。難しい横文字で特別なものと思われますが、単に「食物繊維みたいなもの」です。
そこで今回は、「難消化性デキストリン」を含めた「食物繊維」のお話です。
                
○炭水化物=糖質+食物繊維
最近の栄養成分表示は、食品によっては少し書き方が変わってきています。以前は「糖質○g」でした。最近ではまず「炭水化物○g」、そこから枝分かれして「糖質○g、食物繊維○g」と書かれています。
分ける理由として考えられるのは、糖質が血糖値を上げるため、血糖コントロールや体重に関係すること、もう一つはわざわざ「食物繊維」が入っていますよ、ということを強調したいためと思われます。

○水溶性食物繊維に注目!
食物繊維は大きく分けて2種類があります。
一つ目は不溶性食物繊維。効能は胃や腸で水分を吸収して大きくふくらみ、腸を刺激して便通を良くします。
もう一つは水溶性食物繊維。効能は食後中性脂肪の上昇抑制、整腸作用、食後血糖値の上昇抑制など注目されていますが、不足気味になりやすいです。
そこで特に水溶性食物繊維不足を補う目的で作られたのが「難消化性デキストリン」です。
 
○本当に効果があるの?
上記のことから各社とも「食物繊維」=「難消化性デキストリン」が含まれていることを示し、「食事から摂取した脂肪の吸収を抑えて、食後の血中中性脂肪の上昇をおだやかにする」と効能をアピールしています。各社のホームページをみても、難消化性デキストリン入りの飲料と入っていない飲料を比較して、血中中性脂肪の上昇が抑えられていることを示しています。ただし、抑えられているだけでそれ以上のことは示されていません。これをどう理解するか。個人的には効能はある(個人差あり)が過度に期待しない方がよいと考えています。
次回は上手な利用法を紹介します。
       

 (文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年5月 1日 月曜日

糖尿病通信25 糖尿病の臓器といえば?

○肝臓の調子はいかがですか?
糖尿病と関連する臓器は?というとまずはインスリンを分泌する膵臓を思い浮かべますが、血糖値をコントロールするという意味においては肝臓はとても大事な働きをしています。
そこで今回は、3月、4月の観送迎会という名目の飲み会で傷めたであろう糖尿病の司令塔、肝臓についてのお話です。

○肝腎要の臓器
肝臓の働きは大きく分けて3つあります。
食べた物をエネルギーに変える代謝、体に取り入れた物が影響をおよぼさないようにする解毒、肝臓でつくられた老廃物を流す胆汁の生成・分泌です。

○糖の流れの中の肝臓
肝臓の視点から糖に対しての働きを見てみます。
血糖値が高くなると血中インスリン濃度が高くなります。ほとんどの細胞がブドウ糖を取り込んでエネルギー源としますが、肝臓はブドウ糖を取り込んで蓄えます。
血糖値が下がると血中インスリン濃度が下がります。すると肝臓は貯めておいたブドウ糖を放出します。
つまり、ブドウ糖を肝臓の倉庫から出し入れして血糖値を一定にコントロールしている司令塔的な臓器なのです。

○感じるのはインスリン?血糖?
ところで、肝臓は血糖値の高い低いを何で判断しているのでしょうか?答えはインスリンです。
正常であれば問題ないのですが、糖尿病のようにインスリン不足やインスリン抵抗性(感受性の低下)があると、既に高血糖になっていても肝臓はブドウ糖を放出し続けてしまいます。
また、脂肪肝などで肝機能が低下していると血糖値や中性脂肪を増加させ、糖尿病が肝臓に負担をかける悪循環が生じます。

○鍼治療で肝臓や糖尿病をフォローできます
上記のことから、肝腎要の肝臓を守ることが大事になります。
臨床において、はり治療が肝機能を反映する臨床検査値や肝機能低下からと思われる症状を改善する経験しており、東洋医学研究所Ⓡ・東洋医学研究所Ⓡグループでは症例報告や、マウスに対する鍼治療が肝臓毒である四塩化炭素の毒性に対して予防的に働く基礎研究を報告しています。
また、糖尿病キャンペーンに参加された患者さんの中に血糖値が改善したと同時に、肝機能を反映する臨床検査値も改善傾向になったという報告も聞いております。
      
 (文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年4月 1日 土曜日

糖尿病通信24 花粉症と糖尿病

○花粉症はつらい!
スギ花粉症の季節到来です。
花粉症の代表的な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみで、それに伴う様々な全身症状により日常生活に多くの支障を来たします。また、年々花粉症の患者さんは増加しており、とても身近な疾患になっています。
一方、糖尿病患者さんも年々増加しており、花粉症と両方あることも珍しいことではないと思われます。
そこで今回は、厄介でつらい花粉症と糖尿病についてのお話です。

○花粉症と糖尿病との関係は?
糖尿病は免疫力を低下させます。花粉症は免疫と関係していますので、糖尿病があると花粉症の症状が悪化することがあります。反対に、血糖コントロールが良好だと花粉症の症状も軽くなるという話も聞きますから、常に身体の調子を整えておくことが大事です。
また、花粉症の症状が強いときに使用するアレルギー治療薬の中の服用、または注射によるステロイド薬は血糖値を上げる副作用がありますので、注意が必要です。

○花粉症の対策
身体に花粉が入ってこないようにすることが大切です。
・花粉情報に注意する。
・飛散の多い時は、外出を控える。窓・戸を閉めておく。
・外出時にはマスクや眼鏡を着用する。毛織物などのコートの使用は避ける。
・帰宅時、衣服や髪をよく払う。 洗顔、うがい、鼻をかむ。
・掃除を励行する。

○花粉症も糖尿病も鍼治療で フォローできます
臨床において、はり治療で花粉症や糖尿病が改善されることはよく経験します。
東洋医学研究所Ⓡ・東洋医学研究所Ⓡグループでは、花粉症患者に鍼治療を施し、5年間症例集積を行って検討したところ、総括的な状態、水っぱな、目のかゆみ、生活の質の改善が認められたことを報告しています。
糖尿病に対しても、はり治療で良好な状態になった症例を多数報告しています。また、現在糖尿病キャンペーン(治療費半額)も実施中で、改善された喜びの声も届いてきています。
東洋医学研究所Ⓡ・東洋医学研究所Ⓡグループのはり治療で花粉症や糖尿病と上手に付き合い、つらい季節を乗り越えましょう! 
(文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年3月 1日 水曜日

糖尿病通信 23 血糖値がスパイクする 2

普段の血糖値が正常なのに食後の血糖値が急上昇する。これが続くと糖尿病に移行しやすいだけでなく、身体にとって不都合なことを引き起こし易くなる。しかし通常の健康診断では見つけることができないのがポイントの「血糖値スパイク」。 
前回はスパイクの意味である、グラフの急上昇、鋭く攻撃する、というキーワードから「血糖値スパイク」について探りました。
今回はその「血糖値スパイク」の2回目、不都合な事実とその解消法についてのお話です。

○血糖値でスパイクされると?
「血糖値スパイク」自体の概念は最近発見された訳ではありません。この状態になると糖尿病に移行しやすいとうことは分かっていましたが、ここ数年で、身体にとって不都合なことが新たに分かり注目を集めることになりました。
1つ目は、血糖値が急激に上昇することを繰り返すと、血管内壁の細胞から活性酸素が大量に発生します。この活性酸素により血管内壁の細胞を傷つけ動脈硬化を引き起こします。
これが身体中に起きて、場合によっては心筋梗塞や脳梗塞などを引き起こすことがあります。
2つ目は、細胞に血糖を吸収するためにインスリンが分泌されますが、血糖が吸収できないとインスリンは益々大量に分泌されます。インスリンが大量にあることが続くと、アルツハイマー型認知症の原因と言われる物質が脳に蓄積されることがあります。
また、糖尿病がある人は癌になる確率が高くなりますが、その原因はインスリンと血糖が大量にあるために癌細胞が増殖すると指摘されています。

○急上昇の解消は日常生活で
食後血糖値の急上昇の解消は、糖質の吸収のスピードを遅くすることがポイントで、これは日常生活の見直しにより可能です。
例えば、食べる順番を野菜(食物繊維)→肉や魚(タンパク質や脂質)→最後にご飯(糖質)にすると吸収が遅くなります。また、糖質が血糖値の上昇を引き起こしますので、糖質の食べる量を減らすことも有効です。
朝ご飯や昼ご飯を抜いてから食べても食後の血糖値は急上昇しますし、睡眠不足でも血糖コントロールはうまくいきません。
食後すぐに軽く運動することで食後の血糖値の上昇を抑えることもできますが、本来胃腸に血液が集中するところを分散させるので、胃腸の弱い方は調子を落とすことがあるかもしれません。体調と相談してください。

「血糖値スパイク」により引き起こされる病気は危険ですが、すぐには発症する訳でもありません。生活習慣を見直してリスクを低下させることで、健康で長生きができる身体を作りましょう。
            
 (文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年2月 1日 水曜日

糖尿病通信22 血糖値がスパイクする?

○血糖値スパイク
平成28年10月にNHKで放送されてから一躍認知された「血糖値スパイク」。
「血糖値スパイク」という概念は以前からあります。この現象があると糖尿病に移行しやすいことは分かっていたのですが、ある事柄が分かってからより注目されるようになっています。
今回はその「血糖値スパイク」を2回に分けて取り上げます。

○そもそも「スパイク」とは?
辞書で「スパイク(spike)」を調べてみました。
意味は種々ありますが、今回の意味ではまず、折れ線グラフで上に山型に折れた部分、急上昇の意味のことです。
通常、血糖値は食後でも140㎎/dlを超えることはないので、持続して測定した血糖値のグラフはなだらかですが、人によっては食後の血糖値が140mg/dlを軽く超えてしまう場合があり、食後だけ急上昇している、尖っているグラフになります。しかし、食後の血糖値が高いだけなので、通常の健康診断では見つけられません。また、糖尿病になると血糖値は高値に移行するためスパイク状のグラフにはなり難いです。
このことから、食後の血糖値が急上昇してしばらくすると戻る、これが「血糖値スパイク」です。

○血糖値でスパイク!
そして、スパイクの意味としてもう一つ。
バレーボールでボールをスパイクする、つまり「鋭く攻撃する」という意味も含まれていると考えられます。
血糖とはグルコースのこと。このグルコースの急上昇が繰り返されると、血管内壁の細胞から「活性酸素」が大量に発生させ、細胞を傷つけます。
よって、血糖値と言うよりはグルコースでスパイク(攻撃)する「グルコーススパイク」なのですが、一般の方がより理解し易く、認知され易い言葉として「血糖値スパイク」にしたと思います。
 
今回は「スパイク」の意味から「血糖値スパイク」について考えてみました。
「血糖値スパイク」があると様々な不都合が発生しますので、これを是正するのが大事になります。
次回は、不都合な事実とその解決法についてです。
       (文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL