糖尿病通信

2018年2月 1日 木曜日

糖尿病通信33 血糖値を上げるのは?

○前回までのあらすじ
持続血糖測定器で私自身興味あることを色々試しまして、血糖値の上昇が野菜や運動では?糖類オフでは?カロリーゼロでは?というお話をしました。今回はその4です。

○炭水化物vs脂質
今回比べてみたのは、「みたらし団子」1本と「アボカドサラダバーガー(以下野菜ハンバーガー)」です。一見、みたらし団子の方が量は少ないし、野菜が入っているとはいえ野菜ハンバーガーの方がカロリーは高いはずなので、野菜ハンバーガーの方が血糖値は高くなると思われるかもしれないですが、ここまで糖尿病通信を読んで頂いた方は、このようには思われないと信じています。
 
結果はグラフの通りです。
 

 
みたらし団子は米粉から作られる団子、砂糖と醤油がベースのみたらしのあんが材料で、ほとんど炭水化物です。血糖値を上昇させるのは炭水化物に含まれる糖質や糖類です。さらに糖の最小単位である単糖類や二糖類はグルコースの吸収が早いため急激に上昇させます。米粉は炭水化物ですが血糖値の上昇は早くて高く、砂糖も二糖類です。よって、1本とはいえ血糖値を急激に上昇させるには十分ということです。
一方、野菜ハンバーガーのカロリーは367kcal、炭水化物40g、脂質16.9g、食物繊維3.7gですが、みたらし団子と比べて上昇していません。これは、血糖値の上昇はカロリーではなく、糖類や糖質の量と、他に何を食べたのかによって決まります。純粋に糖類が多いほど、急激に血糖値が上昇し、急激に降下する傾向がありますが、野菜を食べれば食物繊維によって吸収速度が穏やかになりますし、脂質があれば、消化が遅くなりますので、血糖値の上昇も穏やかになると考えられます。

何度も書きますが、血糖値がどれだけ上昇するかは糖質や糖類の量や質で左右されます。血糖値の上昇を穏やかにさせるには、糖質や糖類の他に野菜や脂質、食べる順番が大事になります。
ただし、あくまで血糖値の話ですので、カロリーオーバーや栄養バランスには注意しましょう。
文責:山田篤
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2018年1月 1日 月曜日

糖尿病通信32 糖と合成甘味料 

○同じ糖の名が付いても・・・
「糖質」「糖類」「糖分」。巷ではよく聞く言葉です。しかし、どれも糖という名はつきますが、同じものなのか違うものなのか・・・・。何を指しているのかがわかりにくく何だかややこしいですので、まずは簡単に説明しましょう。

糖類:単糖類や二糖類。単糖類は糖の最小単位でブドウ糖(グルコース)や果糖など。二糖類は単糖類が2つ付いたもので砂糖や乳糖、麦芽糖のことです。
糖質:糖類のほかに、多糖類(単糖類が多くつながったもの:例えばでん粉)、グリコーゲン、糖アルコール(キシリトールなど)で構成されています。
糖分:実は明確な定義はありません。使う状況によって意味合いが変わります。
 
つまり、糖の単位が小さいものを糖類。糖類と合わせて多糖類や糖アルコールを含めてくくったのが糖質です。炭水化物は糖質+食物繊維。
糖類や糖質について詳しくは近いうちのコラムで紹介します。また、糖分は曖昧な言葉ですので、厳密な意味で糖を話すときは使わないよう注意しましょう。

○糖類、糖質でもないのに甘い?
ところで、糖というと「甘いもの」をまずイメージすると思います。「甘いもの」を食べ過ぎるとカロリーオーバーや血糖値が高くなりがちですが、同じ甘い商品なのに「カロリーゼロ」「カロリーオフ」版がよくあります。
前々回から持続血糖測定器を使用して、私自身で色々試したことを載せていますが、今回はその3、コーラ vs トクホコーラです。
使用したのはコーラ(100mlあたりエネルギー:45kcal、炭水化物:11.3g、食物繊維:0g)とトクホコーラ(100mlあたり、エネルギー:0kcal、炭水化物:1.1g、食物繊維:1.1g、糖類:0g)を300mlづつ飲んで血糖値の推移を比べてみました。
結果はグラフの通りです。コーラは急激に上昇していますが、トクホコーラには変化がありません。


糖類や糖質(多糖類)は血糖値を上昇させます。コーラは果糖ぶどう糖液糖や砂糖という吸収しやすい糖類を使用しているため、急激に上昇させてしまいます。
一方、トクホコーラは合成甘味料を使用しています。ここで言いたいのは、そもそも糖を使用していない場合は血糖値を上昇させないということです。
単純にコーラが飲みたいのに血糖値の上昇が気になる方はゼロカロリーのコーラやトクホコーラをおすすめします。但し、合成甘味料は人為的に化学合成された甘味料ですので、ほどほどにしましょう。         

文責:山田篤
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年12月 1日 金曜日

糖尿病通信31 VS糖質オフ

○前回のあらすじ
持続血糖測定器が普及し始めています。今年の9月から保険適用(条件付)されていますので、使われた方もあるかと思います。
その測定器で私自身興味あることを色々試しまして、前回は野菜や運動で血糖値の上昇を穏やかになるのか?というお話をしました。今回はその2です。

○vs糖類オフ
特にここ数年でしょうか、「糖類○%オフ」や「糖質○%オフ」と書かれた飲食品を見かけることが多くなっていると思います。糖を減らせばカロリーが抑えられるため、ダイエットや健康志向に繋がります。そのため各社積極的に提供しています。
その糖は、糖尿病からすれば血糖値の上昇を引き起こすので、糖の量や種類が大事になってきますが、実際にはどうでしょうか?
そこで、アーモンドチョコレートと同じチョコレートの糖類50%オフ版を食べた時の血糖値の推移を比べてみました(どちらも6個ずつ食べました)。
アーモンドチョコレート(12個入)はグリコ社製で、エネルギー:325 kcal、タンパク質:4.7 g、脂質:20.1 g、炭水化物:31.2 g です。
糖類50%off版は、エネルギー:309 kcal、タンパク質:4.9 g、脂質:22.5 g、炭水化物:30.7 g(糖類10.1g)です。実際には、6個食べていますので、栄養成分は半分とみてください。
結果はグラフの通りです。アーモンドチョコレートと比べて糖類50%オフ版の方が血糖値の上昇が抑えられています。糖類を減らした効果がしっかりでています。
ところで、チョコレートは甘いのが多いのでもっと血糖値が上昇するものと思っていましたが、今回は思ったより血糖値が上昇していません。これは、食べた量が半分の6個で少ないのもあるのですが、アーモンドには栄養素が多く含まれると共に食後血糖値の上昇抑制効果が認められているためと考えられます。
チョコレートが好きだけど血糖値の上昇が気になる方は、アーモンドと一緒に食べるのは如何でしょうか?




 (文責 山田 篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年11月 1日 水曜日

糖尿病通信30 持続血糖測定器

○持続血糖測定器
24時間の血糖値データを2週間分得たり、瞬間的に血糖値が測定できるツールが普及し始めています・・・というのが前回のあらすじでした。
そのツールを生かして、自分の体で興味あることを色々試しました、というのが今回のお話です。

Ⓐ野菜サラダ vs ラーメン
以前の糖尿病通信でも話題に載せています「食べる順番は野菜から」。  野菜を先に食べると血糖値を穏やかに上昇抑制させますが、実際にはどうでしょうか?
そこで、ラーメン単品と、野菜を食べてからラーメン(野菜→ラーメン)を食べた時の血糖値の推移を比べてみました。
ラーメンは、名古屋と言えば「○がきやラーメン」(エネルギー:385.7 kcal、タンパク質:15.8 g、脂質:5.9 g、炭水化物:67.5 g)。野菜はコンビニやスーパーなどで手に入る一人前の「野菜サラダ」(エネルギー:19kcal)です。
結果はグラフのⒶです。見事に野菜→ラーメンの方が血糖値の上昇を抑えています。食物繊維の効能はしっかり発揮されています。


Ⓑ食後の散歩(20分)vs 僅かな徒歩
ラーメンのように脂質+炭水化物は食後の血糖値は上昇した後は横ばいに続き、なかなか下がりません。一方、食後の運動をすると血糖値を抑制する急性効果があるといわれています。
そこで、ラーメンを食べた後に運動(散歩)をするとどうなるのでしょうか?
ラーメンのみは食後約1時間後に20分程散歩しました。野菜→ラーメンは食後2~3分歩いた程度です。
結果はグラフのⒷです。散歩は普段通りの速さで歩きました。それでもしっかりと血糖値を抑え続けています。一方、野菜を食べて血糖値の上昇を抑えたのにも関わらず、食後少し動いた方は、一時的には下がりましたが、抑えきれずに高値で横ばいが続いていました。
普通に歩いた程度でもこの抑制効果です。食後はやはり何らかの形で動くのが血糖値を抑えるのに効果的です。

次回へ続く・・・ 
  (文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年9月 1日 金曜日

糖尿病通信29 身体は24時間働いています

○彼を知り己を知れば百戦して危うからず
「孫氏の兵法」の名言の一つ。戦において、敵と味方のことを熟知していれば負ける心配はない、ということを説いています。
糖尿病についても同じことで、自分の身体のことを知っていれば、良好な血糖コントロールを持続することは可能です。
今回は、ご自身の血糖値の状態を把握し、より良い血糖コントロールを得る、すなわち糖尿病管理のためのツールが普及し始めています!というお話です。

○持続血糖測定器
アボットジャパン(株)から「FGM(フラッシュグルコースモニタリングシステム)」という持続血糖測定器「FreeStyleリブレ」が開発されています。


特徴
・上腕に挿入したセンサーは14日間有効
・15分毎に血糖値を測定記憶できる
・リーダーを近傍に近づけるだけで瞬間的に血糖値
 (皮下間質液中のグルコース濃度)が測定できる
・穿刺による痛みがない
・自己血糖測定による血糖値補正が不要なこと

○2週間分のデータ
従来の自己血糖測定では、測った時点のみの血糖値しかわかりませんでした。
しかし、FGMを使用すれば、いつでもどこでも何度でも血糖測定ができますので、どんなものを食べたら血糖値が上昇するのか?運動の種類によっての変化は?薬は適切に効果を発揮しているのか?などをリアルに知ることができます。
また、24時間のデータを2週間分得ることで、24時間の血糖値のパターンを知ることができます。
例えば、空腹時血糖値や食後2時間血糖値が正常でもHbA1cが高値を示すことがあります。通常の検査ではどこで血糖値が高いのかは正確にはわかりませんが、FGMを使えば、食後血糖値が高くて持続してしまうのか?夜間寝ているときに高いのか?仕事中に乱高下するのか?など、どの時に高いのかが分かり、HbA1cが高くなる原因を予測することができます。
1型糖尿病や2型糖尿病のインスリン治療中の方はもちろん有用ですが、糖尿病予備軍や食事・運動療法のみの方、または糖尿病でなくてもご自身の血糖状態を把握したい方、健康管理などにもとても有用な検査と思われます。
 
○私も使ってみました
私自身の血糖状態を知りたかったので早速試してみました。そして、食事による血糖値の上昇に変化があるのは本当か、など興味があることを試しましたので、次回、感想と共に報告します。

        (文責 山田篤)
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