糖尿病通信

2018年4月 1日 日曜日

糖尿病通信35 血糖トレンド(変動)

糖尿病通信30から5回、持続血糖測定器で私自身興味あることを色々試しまして、血糖値の上昇が野菜や運動では?糖類オフでは?カロリーゼロでは?炭水化物vs脂質では?鍼治療では?というお話をしました。今回はそのまとめ、感想です。

○血糖トレンド
血糖値は常に変動しています。食後に高くなったり、運動や薬で下がったり・・・・。この変動をできるだけ小さく抑えるのがポイントで、合併症などの発症を起き難くします。
これまでの検査では、自己血糖測定のように、ある一時点のみ、もしくはHbA1cのようなある期間の平均しかわかりませんでした。
しかし、持続血糖測定器を使用すれば、ある程度連続して血糖値を把握することができます。これを、血糖トレンド(変動)をみる、といいます。
  
○血糖トレンドをみよう!
血糖値を点ではなく曲線でみる利点は何でしょう?それは、トレンドの情報を利用することで血糖変動に対してより適切に対処できること、また、普段ではわからない血糖変動を把握することができることです。例えば、低血糖時でも、曲線を見ればこれからまだ下がるのか、それとも上昇している途中なのかなど把握できます。HbA1cが良好な数値を示していても、血糖スパイクによる乱高下や、睡眠中の低血糖などの可能性を見つけることができます。これらの情報により、その時々や、隠れていた原因に対して適切に対処できます。

○自分の血糖トレンドを把握しよう! 
私が持続血糖測定器を使用した感想です。まず常に血糖値のことが気になります。飲食、運動、起床など何か行動したときには特にまめに把握していました。リアルタイムで血糖値がわかるのも利点の一つで、どんな行動をしたら血糖値が変化するのかを知るのは楽しみでした。
もう一つ実感したのは抑止力です。1週間分の結果を見たところ、私自身の糖代謝があまり良くないことに気づきました。糖代謝が良くないとどうなるのかはこの通信でも毎回書いてきただけに怖くなり、これまでのデータを参考にして特に気を付けたところ、乱高下するようなことは少なくなりました。
自分自身の血糖トレンドを把握することは、生活習慣を見直し健康管理に繋がります。持続血糖測定器を使用できる機会があれば是非ご自身の血糖トレンドを実感し役立てて下さい。
         
(文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2018年3月 1日 木曜日

糖尿病通信34 高くなった血糖値は鍼治療で抑えられるか?

○前回までのあらすじ       
持続血糖測定器で私自身興味あることを色々試しまして、血糖値の上昇が野菜や運動では?糖類オフでは?カロリーゼロでは?炭水化物vs脂質では?というお話をしました。
今回はその5、高くした血糖の状態時に鍼刺激を施すとどうなるのか?鍼刺激の急性効果です。

○75gブドウ糖負荷試験
糖尿病の診断をするための検査に75gブドウ糖負荷試験があります。
検査前日の夜9時からお茶や水以外の断食を行い、検査当日の9時から試験が始まります。最初に75gブドウ糖入りの炭酸水を飲み、その後30分、1時間、2時間に血糖値を測定し、血糖値の上昇や下降の状態により糖尿病かどうかを確認します。
今回はこの75gブドウ糖負荷試験を利用しました。コントロールとして75gブドウ糖負荷試験を行い、その1週間後にもう一度75gブドウ糖負荷試験を行いました。この時は、負荷後30分で血糖値を確認した後に、普段臨床で使用している黒野式全身調整基本穴(腹部、頸肩背部、腰部の経穴)に鍼治療を行いました。また、ブドウ糖負荷試験の両日とも前日の夜の食事や睡眠時間はなるべく同じようにして過ごしました。
  
○鍼刺激の急性効果
今回の結果はグラフの通りです。


コントロールは30分後も血糖値は上昇していますが、鍼治療を施すと30分以降の上昇が抑えられていることから、高くなった血糖値を抑えられるいう鍼治療の急性効果を確認できました。
日々の臨床や過去の症例集積、只今実施中の糖尿病キャンペーンの報告においても良好な血糖コントロールを得られることを経験しており、鍼治療の急性効果が理由の一つと考えられます。
ただ、今回は私個人の結果ですので、他の方に効果はあるかどうかは例数を増やして検討する必要があります。また、鍼治療を定期的に施すことで血糖コントロールが良好になるかどうかは、糖尿病キャンペーンをまとめることで確認していきたいと思います。
 
      
(文責 山田篤)
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2018年2月 1日 木曜日

糖尿病通信33 血糖値を上げるのは?

○前回までのあらすじ
持続血糖測定器で私自身興味あることを色々試しまして、血糖値の上昇が野菜や運動では?糖類オフでは?カロリーゼロでは?というお話をしました。今回はその4です。

○炭水化物vs脂質
今回比べてみたのは、「みたらし団子」1本と「アボカドサラダバーガー(以下野菜ハンバーガー)」です。一見、みたらし団子の方が量は少ないし、野菜が入っているとはいえ野菜ハンバーガーの方がカロリーは高いはずなので、野菜ハンバーガーの方が血糖値は高くなると思われるかもしれないですが、ここまで糖尿病通信を読んで頂いた方は、このようには思われないと信じています。
 
結果はグラフの通りです。
 

 
みたらし団子は米粉から作られる団子、砂糖と醤油がベースのみたらしのあんが材料で、ほとんど炭水化物です。血糖値を上昇させるのは炭水化物に含まれる糖質や糖類です。さらに糖の最小単位である単糖類や二糖類はグルコースの吸収が早いため急激に上昇させます。米粉は炭水化物ですが血糖値の上昇は早くて高く、砂糖も二糖類です。よって、1本とはいえ血糖値を急激に上昇させるには十分ということです。
一方、野菜ハンバーガーのカロリーは367kcal、炭水化物40g、脂質16.9g、食物繊維3.7gですが、みたらし団子と比べて上昇していません。これは、血糖値の上昇はカロリーではなく、糖類や糖質の量と、他に何を食べたのかによって決まります。純粋に糖類が多いほど、急激に血糖値が上昇し、急激に降下する傾向がありますが、野菜を食べれば食物繊維によって吸収速度が穏やかになりますし、脂質があれば、消化が遅くなりますので、血糖値の上昇も穏やかになると考えられます。

何度も書きますが、血糖値がどれだけ上昇するかは糖質や糖類の量や質で左右されます。血糖値の上昇を穏やかにさせるには、糖質や糖類の他に野菜や脂質、食べる順番が大事になります。
ただし、あくまで血糖値の話ですので、カロリーオーバーや栄養バランスには注意しましょう。
文責:山田篤
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2018年1月 1日 月曜日

糖尿病通信32 糖と合成甘味料 

○同じ糖の名が付いても・・・
「糖質」「糖類」「糖分」。巷ではよく聞く言葉です。しかし、どれも糖という名はつきますが、同じものなのか違うものなのか・・・・。何を指しているのかがわかりにくく何だかややこしいですので、まずは簡単に説明しましょう。

糖類:単糖類や二糖類。単糖類は糖の最小単位でブドウ糖(グルコース)や果糖など。二糖類は単糖類が2つ付いたもので砂糖や乳糖、麦芽糖のことです。
糖質:糖類のほかに、多糖類(単糖類が多くつながったもの:例えばでん粉)、グリコーゲン、糖アルコール(キシリトールなど)で構成されています。
糖分:実は明確な定義はありません。使う状況によって意味合いが変わります。
 
つまり、糖の単位が小さいものを糖類。糖類と合わせて多糖類や糖アルコールを含めてくくったのが糖質です。炭水化物は糖質+食物繊維。
糖類や糖質について詳しくは近いうちのコラムで紹介します。また、糖分は曖昧な言葉ですので、厳密な意味で糖を話すときは使わないよう注意しましょう。

○糖類、糖質でもないのに甘い?
ところで、糖というと「甘いもの」をまずイメージすると思います。「甘いもの」を食べ過ぎるとカロリーオーバーや血糖値が高くなりがちですが、同じ甘い商品なのに「カロリーゼロ」「カロリーオフ」版がよくあります。
前々回から持続血糖測定器を使用して、私自身で色々試したことを載せていますが、今回はその3、コーラ vs トクホコーラです。
使用したのはコーラ(100mlあたりエネルギー:45kcal、炭水化物:11.3g、食物繊維:0g)とトクホコーラ(100mlあたり、エネルギー:0kcal、炭水化物:1.1g、食物繊維:1.1g、糖類:0g)を300mlづつ飲んで血糖値の推移を比べてみました。
結果はグラフの通りです。コーラは急激に上昇していますが、トクホコーラには変化がありません。


糖類や糖質(多糖類)は血糖値を上昇させます。コーラは果糖ぶどう糖液糖や砂糖という吸収しやすい糖類を使用しているため、急激に上昇させてしまいます。
一方、トクホコーラは合成甘味料を使用しています。ここで言いたいのは、そもそも糖を使用していない場合は血糖値を上昇させないということです。
単純にコーラが飲みたいのに血糖値の上昇が気になる方はゼロカロリーのコーラやトクホコーラをおすすめします。但し、合成甘味料は人為的に化学合成された甘味料ですので、ほどほどにしましょう。         

文責:山田篤
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年12月 1日 金曜日

糖尿病通信31 VS糖質オフ

○前回のあらすじ
持続血糖測定器が普及し始めています。今年の9月から保険適用(条件付)されていますので、使われた方もあるかと思います。
その測定器で私自身興味あることを色々試しまして、前回は野菜や運動で血糖値の上昇を穏やかになるのか?というお話をしました。今回はその2です。

○vs糖類オフ
特にここ数年でしょうか、「糖類○%オフ」や「糖質○%オフ」と書かれた飲食品を見かけることが多くなっていると思います。糖を減らせばカロリーが抑えられるため、ダイエットや健康志向に繋がります。そのため各社積極的に提供しています。
その糖は、糖尿病からすれば血糖値の上昇を引き起こすので、糖の量や種類が大事になってきますが、実際にはどうでしょうか?
そこで、アーモンドチョコレートと同じチョコレートの糖類50%オフ版を食べた時の血糖値の推移を比べてみました(どちらも6個ずつ食べました)。
アーモンドチョコレート(12個入)はグリコ社製で、エネルギー:325 kcal、タンパク質:4.7 g、脂質:20.1 g、炭水化物:31.2 g です。
糖類50%off版は、エネルギー:309 kcal、タンパク質:4.9 g、脂質:22.5 g、炭水化物:30.7 g(糖類10.1g)です。実際には、6個食べていますので、栄養成分は半分とみてください。
結果はグラフの通りです。アーモンドチョコレートと比べて糖類50%オフ版の方が血糖値の上昇が抑えられています。糖類を減らした効果がしっかりでています。
ところで、チョコレートは甘いのが多いのでもっと血糖値が上昇するものと思っていましたが、今回は思ったより血糖値が上昇していません。これは、食べた量が半分の6個で少ないのもあるのですが、アーモンドには栄養素が多く含まれると共に食後血糖値の上昇抑制効果が認められているためと考えられます。
チョコレートが好きだけど血糖値の上昇が気になる方は、アーモンドと一緒に食べるのは如何でしょうか?




 (文責 山田 篤)
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