糖尿病通信

2017年12月 1日 金曜日

糖尿病通信31 VS糖質オフ

○前回のあらすじ
持続血糖測定器が普及し始めています。今年の9月から保険適用(条件付)されていますので、使われた方もあるかと思います。
その測定器で私自身興味あることを色々試しまして、前回は野菜や運動で血糖値の上昇を穏やかになるのか?というお話をしました。今回はその2です。

○vs糖類オフ
特にここ数年でしょうか、「糖類○%オフ」や「糖質○%オフ」と書かれた飲食品を見かけることが多くなっていると思います。糖を減らせばカロリーが抑えられるため、ダイエットや健康志向に繋がります。そのため各社積極的に提供しています。
その糖は、糖尿病からすれば血糖値の上昇を引き起こすので、糖の量や種類が大事になってきますが、実際にはどうでしょうか?
そこで、アーモンドチョコレートと同じチョコレートの糖類50%オフ版を食べた時の血糖値の推移を比べてみました(どちらも6個ずつ食べました)。
アーモンドチョコレート(12個入)はグリコ社製で、エネルギー:325 kcal、タンパク質:4.7 g、脂質:20.1 g、炭水化物:31.2 g です。
糖類50%off版は、エネルギー:309 kcal、タンパク質:4.9 g、脂質:22.5 g、炭水化物:30.7 g(糖類10.1g)です。実際には、6個食べていますので、栄養成分は半分とみてください。
結果はグラフの通りです。アーモンドチョコレートと比べて糖類50%オフ版の方が血糖値の上昇が抑えられています。糖類を減らした効果がしっかりでています。
ところで、チョコレートは甘いのが多いのでもっと血糖値が上昇するものと思っていましたが、今回は思ったより血糖値が上昇していません。これは、食べた量が半分の6個で少ないのもあるのですが、アーモンドには栄養素が多く含まれると共に食後血糖値の上昇抑制効果が認められているためと考えられます。
チョコレートが好きだけど血糖値の上昇が気になる方は、アーモンドと一緒に食べるのは如何でしょうか?




 (文責 山田 篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年11月 1日 水曜日

糖尿病通信30 持続血糖測定器

○持続血糖測定器
24時間の血糖値データを2週間分得たり、瞬間的に血糖値が測定できるツールが普及し始めています・・・というのが前回のあらすじでした。
そのツールを生かして、自分の体で興味あることを色々試しました、というのが今回のお話です。

Ⓐ野菜サラダ vs ラーメン
以前の糖尿病通信でも話題に載せています「食べる順番は野菜から」。  野菜を先に食べると血糖値を穏やかに上昇抑制させますが、実際にはどうでしょうか?
そこで、ラーメン単品と、野菜を食べてからラーメン(野菜→ラーメン)を食べた時の血糖値の推移を比べてみました。
ラーメンは、名古屋と言えば「○がきやラーメン」(エネルギー:385.7 kcal、タンパク質:15.8 g、脂質:5.9 g、炭水化物:67.5 g)。野菜はコンビニやスーパーなどで手に入る一人前の「野菜サラダ」(エネルギー:19kcal)です。
結果はグラフのⒶです。見事に野菜→ラーメンの方が血糖値の上昇を抑えています。食物繊維の効能はしっかり発揮されています。


Ⓑ食後の散歩(20分)vs 僅かな徒歩
ラーメンのように脂質+炭水化物は食後の血糖値は上昇した後は横ばいに続き、なかなか下がりません。一方、食後の運動をすると血糖値を抑制する急性効果があるといわれています。
そこで、ラーメンを食べた後に運動(散歩)をするとどうなるのでしょうか?
ラーメンのみは食後約1時間後に20分程散歩しました。野菜→ラーメンは食後2~3分歩いた程度です。
結果はグラフのⒷです。散歩は普段通りの速さで歩きました。それでもしっかりと血糖値を抑え続けています。一方、野菜を食べて血糖値の上昇を抑えたのにも関わらず、食後少し動いた方は、一時的には下がりましたが、抑えきれずに高値で横ばいが続いていました。
普通に歩いた程度でもこの抑制効果です。食後はやはり何らかの形で動くのが血糖値を抑えるのに効果的です。

次回へ続く・・・ 
  (文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年9月 1日 金曜日

糖尿病通信29 身体は24時間働いています

○彼を知り己を知れば百戦して危うからず
「孫氏の兵法」の名言の一つ。戦において、敵と味方のことを熟知していれば負ける心配はない、ということを説いています。
糖尿病についても同じことで、自分の身体のことを知っていれば、良好な血糖コントロールを持続することは可能です。
今回は、ご自身の血糖値の状態を把握し、より良い血糖コントロールを得る、すなわち糖尿病管理のためのツールが普及し始めています!というお話です。

○持続血糖測定器
アボットジャパン(株)から「FGM(フラッシュグルコースモニタリングシステム)」という持続血糖測定器「FreeStyleリブレ」が開発されています。


特徴
・上腕に挿入したセンサーは14日間有効
・15分毎に血糖値を測定記憶できる
・リーダーを近傍に近づけるだけで瞬間的に血糖値
 (皮下間質液中のグルコース濃度)が測定できる
・穿刺による痛みがない
・自己血糖測定による血糖値補正が不要なこと

○2週間分のデータ
従来の自己血糖測定では、測った時点のみの血糖値しかわかりませんでした。
しかし、FGMを使用すれば、いつでもどこでも何度でも血糖測定ができますので、どんなものを食べたら血糖値が上昇するのか?運動の種類によっての変化は?薬は適切に効果を発揮しているのか?などをリアルに知ることができます。
また、24時間のデータを2週間分得ることで、24時間の血糖値のパターンを知ることができます。
例えば、空腹時血糖値や食後2時間血糖値が正常でもHbA1cが高値を示すことがあります。通常の検査ではどこで血糖値が高いのかは正確にはわかりませんが、FGMを使えば、食後血糖値が高くて持続してしまうのか?夜間寝ているときに高いのか?仕事中に乱高下するのか?など、どの時に高いのかが分かり、HbA1cが高くなる原因を予測することができます。
1型糖尿病や2型糖尿病のインスリン治療中の方はもちろん有用ですが、糖尿病予備軍や食事・運動療法のみの方、または糖尿病でなくてもご自身の血糖状態を把握したい方、健康管理などにもとても有用な検査と思われます。
 
○私も使ってみました
私自身の血糖状態を知りたかったので早速試してみました。そして、食事による血糖値の上昇に変化があるのは本当か、など興味があることを試しましたので、次回、感想と共に報告します。

        (文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年8月 1日 火曜日

糖尿病通信28 お酒は飲んでも良いですか?

○百薬の長というけれども
暑い外でお酒を飲むには気持ちいい時期になりました。
酒は百薬の長、適度に付き合えは最愛の友になりますが、飲み過ぎると身を滅ぼす刃となります。
糖尿病があるとお酒との付き合いが益々シビアになります。アルコールを処理する肝臓は血糖をコントロールする臓器でもありますので、肝臓への負担が大きくなる可能性があるからです。そこで、今回はお酒と糖尿病についてのお話です。 
○酒は2種類あり
お酒には製造方法によって大きく分けて「醸造酒」「蒸留酒」があります。
「醸造酒」はビール、日本酒、ワインなど。「蒸留酒」は焼酎、ブランデー、ウイスキーなど。
違いといえば、原料となる米や麦芽などに含まれる「糖質」をアルコールに変えるのか、蒸留してアルコール成分を抽出したものの違いです。
「醸造酒」は原料となるものが糖質ですので血糖値は上昇するし、「蒸留酒」の原料に糖質は含まれませんので血糖値を上昇させることはない、ということになります。
では、「蒸留酒」を飲めば問題ないのではと思いますが、そうは問屋が降ろさないのが糖尿病です。

○ハイリスクローリターン
アルコール自身は血糖値を上昇させませんが、お酒を飲むことでのリスクとしては
・アルコールによる肝臓内のグリコーゲン分解促進
・飲み過ぎ、食べ過ぎでカロリーオーバーになりやすい
・味の濃い食べ物を欲し、塩分の摂り過ぎになりやすい
・中性脂肪が高くなりやすい
・アルコール性の低血糖が起こりやすい
などあります。一時的に血糖値を上昇させたり、血糖コントロールが乱れたり、肥満、高血圧、脂質異常症、動脈硬化、肝機能障害を起こしやすくなります。
メリットとしては適度な飲酒は心筋梗塞などの冠動脈疾患による死亡率が低い傾向にあることやリラックス効果がありますが、糖尿病のある方はアルコール摂取のデメリットの方が大きいのではないでしょうか?

○血糖コントロールはしっかりできていますか?
表題の「お酒は飲んでも良いですか?」の答えです。糖尿病のある方は上記のことから原則NGですが、血糖コントロールができている方は可(医師とご相談)、ということになります。
ポイントとしては、お酒の種類は「蒸留酒」や糖質オフを選ぶこと、お酒がおいしいからと言って飲み過ぎ食べ過ぎに注意すること、体調の良いときに飲むことなどです。お酒はほどほどに、自制心をもって付き合いたいものです。

        (文責 山田篤)
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投稿者 東洋医学研究所 | 記事URL

2017年7月 1日 土曜日

糖尿病通信27 レジスタントスターチ

○前回のあらすじ
先月(糖尿病通信26)では、難消化性デキストリンを含めて食物繊維が注目されていること、食物繊維の種類、難消化性デキストリン入りの飲料は本当に効果があるのか?というお話でした。
今回は前回の続きで、食物繊維の効果的な利用法と食物繊維の新しい情報についてのお話です。

○食べる順番で効果的に
前回、難消化性デキストリン入りの飲料の効果は過度に期待しない方がよい、と書きましたが、私の場合は「食後血糖値上昇抑制」に注目です。
食後血糖値の急上昇は糖尿病や動脈硬化を引き起こし易くなりますし、急上昇からの急降下は強烈な眠気や低血糖を引き起こすこともあります。そこで、食事時にまず食物繊維、特に不足になりやすい水溶性食物繊維を含めた食べ物や飲料を摂取します。そうすると腸で食物繊維が留まり、後に入ってきた糖や脂肪の吸収をおだやかにする効果が期待できます。
難消化性デキストリン入りの飲料でも個人的には効能が実感できるところで、同じような食事でも飲むと飲まないのとでは食後の眠たさの違いを感じることは良くあります。
上記のことから食べる順番を、①まず野菜を大量に食べたり難消化性デキストリン入りの飲料などで食物繊維を摂取②糖質よりはたんぱく質や脂肪の方が血糖上昇は穏やかなので、肉や魚などのたんぱく質や脂肪を摂取③最後に食後の糖の吸収が急上昇し易いごはんやパンなどの炭水化物、とすると良いです。
もっと簡単にいえば、①野菜などの食物繊維②肉や魚③米やパンなどの主食の順番で食べますと「食後血糖値上昇抑制」が実感しやすいです。

○第3の食物繊維
食物繊維は進歩していまして、第3の食物繊維とよばれる「レジスタントスターチ」が注目を集めています。
レジスタントスターチの訳は「難消化性でん粉」。通常のでん粉は消化されやすいのですが、レジスタントスターチは消化され難いでん粉で、水溶性と不溶性の両方の特性を持った食物繊維です。
また、通常の食物繊維は消化され易く大腸までは届き難いのですが、このレジスタントスターチの最も注目されていることは、大腸の奥まで届くということです。
なぜ大腸に届くと良いのでしょうか?それは、腸内フローラが関わっています。腸内細菌、特に善玉菌のエサの一つが食物繊維で、大腸に食物繊維が増えれば善玉菌が増えて腸内フローラの環境が改善されます。
最近では、一般の大麦と比較してレジスタントスターチを多く含む大麦がオーストラリアで開発され、この大麦を含む食材が販売されています。今後も様々な形で含まれ、コンビニエンスストアなどでの食物繊維入り飲食物の棚はますます賑やかになるでしょう。
いずれにしても、大事なのは、どの特定保健用食品や機能性表示食品と表示されている飲料水にも書いてあるように、「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを」が基本です。その上で上手に利用していきましょう。
            
   (文責 山田篤)
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