原因は攻撃因子と防御因子の不均衡です。 |
胃や十二指腸の内側をおおっている粘膜の一部に、ただれ、壊死などの変化がおこり粘膜がはがれて欠損ができる病気を胃・十二指腸潰瘍といいます。食物を消化する胃酸やペプシンは攻撃因子と呼ばれ、粘膜を保護する粘液の分泌は防御因子と呼ばれています。健康な人では、この両者のバランスがうまくとれています。ところが、精神的・肉体的ストレスなどにより、このバランスが崩れると胃酸やペプシンが胃や十二指腸の粘膜を消化してしまい潰瘍ができると考えられています。
また、最近では粘膜保護作用のあるプロスタグランジン(生体内で合成される生理活性物質)の減少や、ヘリコバクター・ピロリ菌の関与も考えられています。
程度がひどくなると、たいへんです。 |
胃・十二指腸潰瘍のごく初期には、粘膜の表面がただれて、粘膜に浅い孔ができる程度ですが、進行すると、この孔が粘膜をえぐって筋肉層におよびます。更にひどくなると、胃や十二指腸のいちばん外側をおおっている漿膜にまで達し、ときには漿膜を突き破ってしまうこともあります。
発生する潰瘍の数は、一個のこともありますし、数個のこともあります。潰瘍一個の大きさは、直径数ミリメートルの小さなものから、直径数センチメートルもある大きなものまでいろいろです。
腹痛、出血、過酸が三大症状です。 |
腹痛、出血(吐血、下血)、過酸症状(胸やけ、げっぷなど)が、胃・十二指腸潰瘍の代表的な症状で、潰瘍の三大症状ともいわれます。
しかし、症状の現われ方は人によってまちまちで、三つの症状が同時におこる人もいれば、腹痛だけ、出血だけの人もいます。この他、吐きけや嘔吐、食欲不振、便秘などがおこる場合もあります。
しかし胃潰瘍ではまったく無症状の人も珍しくなく、いきなり吐血、下血することもありますし、胃の検診のさいに初めて潰瘍が発見される人も少なくありません。
治りやすいが、再発もしやすい病気です。 |
胃・十二指腸潰瘍は治りやすい病気といわれています。治療を受けなくても、自然に治ってしまうこともしばしばあります。
しかし、同時に再発もしやすい病気で、過半数は再発するといわれています。したがって、この病気を放置しておいたり、あるいは完全に治さずに治癒と再発をくり返しているうちに、潰瘍が進行して、危険な合併症をおこすこともあります。