日本では手足の痛む病気を一般にリウマチといいならわしてきました。しかしこれは一般的な総称です。
リウマチは学問的にはリウマチ性疾患とよぶのが正しく、この中には、関節リウマチをはじめ、脊椎関節症、膠原病、血管炎及び関連疾患、骨関節症など多くの病気が含まれています。
その中の関節リウマチは、関節を包む滑膜の炎症ではじまり、症状の悪化と軽減とを繰り返し軟骨や骨が破壊される多
発性の関節炎です。原因不明の全身疾患で、とくに20〜40歳代の女性に多くみられます。
原因の本質は不明な点が多いのですが、遺伝的な素因に何らかの外因が働いて自己免疫異常がおこり、持続します。免疫異常の引き金を引となるのは、たぶん、ウイルスなどの感染であろうとする考えが現在の主流です。
経過により3型に分けられます。
@長期寛解型=多くは急性に発症し、治療を受けて症状が
消えれば再発のないもので、約10%にみられます。
A間欠的経過型=継続的な治療をしなくても症状が自然に
軽くなったり、完全におさまることを繰り返す軽症タイプ。
15〜20%がこのタイプです。
B進行型=急性の経過をたどるものと、ゆるやかな経過を
たどるものとがありますが、軟骨や骨が破壊され、機能障害や
変形がおこります。
症状は関節の痛み、はれ、運動制限と朝のこわばりがみられます。痛みは安静時にもあり、とくに朝方に強く天候の影響を受けやすいのも特徴です。肘頭、膝、足関節にかたいしこり(リウマトイド結節)がみられることもあります。
関節リウマチの診断基準 (アメリカリウマチ協会、1987年) |
@すくなくとも1時間以上の朝のこわばりが6週間以上つづく
A3関節以上のはれが6週間以上つづく
B手関節、中手指節関節、近位指節間関節のはれが6週間以
上つづく
C左右の同じ関節にはれがある(対称性関節腫脹)
D手の定型的なレントゲン像がみられる
E皮下に結節(リウマトイド結節)がある
Fリウマトイド因子が陽性である
以上7項目中、4項目が満たされれば関節リウマチと診断されます。
診断はアメリカリウマチ協会の診断基準にもとづいて行われます。これは、医師向けに示された診断基準ですが、@〜CおよびEは、一般の人にとっても、早期発見の自己チェックに役立ちます。
また、全身の関節の状態をしっかり把握することも重要です。 関節リウマチの治療目的は、短期的には痛みと炎症のコントロールですが、長期的本質的には、関節の変形・破壊・拘縮の抑制、ADL(日常生活動作)・QOL(生活の質)の改善もしくは悪化の予防、そして生命予後の改善です。